「みんな、ごくろうじゃった」審しん査さ員いんのテーブルで、ダンブルドアが立ち上がった。
「授業に戻ってよろしい――いや、まっすぐ夕食の席に下りてゆくほうが手っ取り早いかもしれん。そろそろ授業が終わるしの――」
今日一日の中で、やっと一つだけ順調に終わった、と思いながらハリーが行きかけると、黒いカメラを持った男が飛び出してきて咳せき払ばらいをした。
「写真。ダンブルドア。写真ですよ!」バグマンが興こう奮ふんして叫さけんだ。「審しん査さ員いんと代表選手全員。リータ、どうかね?」
「えー――まあ、まずそれからいきますか」そう言いながら、リータ・スキーターの目は、またハリーに注がれていた。「それから、個人写真を何枚か」
写真撮さつ影えいは長くかかった。マダム・マクシームがどこに立ってもみんなその影に入ってしまうし、カメラマンがマダムを枠わくの中に入れようとして後ろに下がったが、下がりきれなかった。ついにマダムが座り、みんながその周りに立つことになった。カルカロフはヤギ鬚ひげをもっとカールさせようと、しょっちゅう指に巻きつけていたし、クラムは――こんなことには慣れっこだろうとハリーは思っていたのに――こそこそとみんなの後ろに回り、半分隠れていた。カメラマンはフラーを正面に持ってきたくて仕方がない様子だったが、そのたびにリータ・スキーターがしゃしゃり出て、ハリーをより目立つ場所に引っ張っていった。スキーター女じょ史しは、それから代表選手全員の個別の写真を撮とると言い張った。そしてやっと、みんな解放された。
ハリーは夕食に下りていった。ハーマイオニーはいなかった――きっとまだ医い務む室しつで、歯を治なおしてもらっているのだろう、とハリーは思った。テーブルの隅すみで、一人ぼっちで夕食をすませ、「呼よび寄よせ呪じゅ文もん」の宿題をやらなければと思いながら、ハリーはグリフィンドール塔とうに戻った。寮りょうの寝しん室しつで、ハリーはロンに出くわした。