「ポッター、ハンカチいるかい? 『変へん身しん術じゅつ』のクラスで泣き出したときのために?」
「いったい、ポッター、いつから学校の優等生になった? それとも、その学校っていうのは、君とロングボトムで開校したのかい?」
「ハーイ――ハリー!」
「ああ、そうだとも!」もううんざりだと、廊ろう下かで振り向きざま、ハリーは怒ど鳴なった。
「死んだ母さんのことで、目を泣き腫はらしてたところだよ。これから、もう少し……」
「違うの――ただ――あなた、羽根ペンを落としたわよ」チョウ・チャンだった。ハリーは顔が赤くなるのを感じた。
「あ――そう――ごめん」ハリーは羽根ペンを受け取りながら、モゴモゴ言った。
「あの……火曜日はがんばってね」チョウが言った。「ほんとうに、うまくいくように願ってるわ」
僕、なんてばかなことをしたんだろう、とハリーは思った。
ハーマイオニーも同じように不ふ愉ゆ快かいな思いをしなければならなかったが、悪わる気ぎのない人を怒鳴りつけるようなことはしていない。ハリーは、ハーマイオニーの対たい処しょの仕方に感かん服ぷくしていた。
「飛びきりかわいい? あの子が?」リータの記事が載ってから初めてハーマイオニーと顔を突き合わせたとき、パンジー・パーキンソンが甲かん高だかい声で言った。「何と比べて判断したのかしら――シマリス?」
「ほっときなさい」ハーマイオニーは、頭をしゃきっと上げ、スリザリンの女子生徒がからかう中を、何も聞こえないかのように堂々と歩きながら、威い厳げんのある声で言った。「ハリー、ほっとくのよ」
“要一条手绢吗,波特,免得你在变形课上痛哭流涕?”
“你什么时候成为学校的尖子生的,波特?没准这个学校是你和隆巴顿一起办起来的吧?”
“喂——哈利!”
“是啊,没错!”哈利忍无可忍,大喊一声,猛地在走廊里转过身子,“我刚才为我死去的妈妈哭红了眼睛,现在我还要再哭一场……”
“不是——我只是说——你的羽毛笔掉了。”
原来是秋·张。哈利觉得自己的脸腾地红了。
“噢——好的——对不起。”他低声嘟囔着,接过了羽毛笔。
“嗯……祝你星期二好运,”她说,“我真心希望你发挥出色。”
这使哈利觉得恍恍惚惚,脑子里一片空白。
赫敏自然也分摊到了一些不愉快,但她没有朝无辜的过路人大喊大叫。说实在的,哈利十分钦佩她处理这种局面的方式。
“美貌惊人?她?”丽塔的文章发表后,潘西·帕金森第一次遇见赫敏时就怪声怪气地说,“她是根据什么评判的——金花鼠吗?”
“别理它,”赫敏用不失尊严的口吻说,一边把脑袋昂得高高的,从咯咯窃笑的斯莱特林女生身边大步走过,就好像她什么也没听见,“别理它就行了,哈利。”