ハリーは、ゆっくり、慎重しんちょうに立ち上がり、できるだけ物音を立てないようにしながら、暗闇の中をホグワーツへと急げるだけ急いだ。
カルカロフが何をしようとしていたか、ハリーにはよくわかっていた。こっそり船を抜け出し、第一の課題が何なのかを探ろうとしたのだ。もしかしたら、ハグリッドとマダム・マクシームが禁じられた森のほうへ向かうのを目もく撃げきしたのかもしれない――あの二人は遠くからでもたやすく目につく……それよりもカルカロフは、いまやただ人声のするほうに行けばよいのだ。カルカロフもマダム・マクシームと同じに、何が代表選手を待ち受けているかを知ることになるだろう。すると、火曜日にまったく未知の課題にぶつかる選手は、セドリックただ一人ということになる。
城にたどり着き、正面の扉とびらをすり抜け、大だい理り石せきの階段を上りはじめたハリーは、息も絶たえ絶だえだったが、速度を緩ゆるめるわけにはいかない……あと五分足らずで暖炉のところまで行かなければならない……。
「ボールダーダッシュたわごと!」ハリーは、穴の前の肖しょう像ぞう画がの額がくの中でまどろんでいる「太った婦人レディ」に向かってゼイゼイと呼びかけた。
「ああ、そうですか」婦人レディは目も開けずに、眠そうに呟つぶやき、前にパッと開いてハリーを通した。ハリーは穴を這はい登った。談だん話わ室しつには誰もいない。匂においもいつもと変わりない。ハリーとシリウスを二人っきりにするために、ハーマイオニーがクソ爆弾を爆発させる必要はなかったということだ。
哈利非常缓慢非常小心地站了起来,在尽可能不发出响声的同时迅速地在黑暗中穿行,返回城堡。
他非常清楚卡卡洛夫要做什么。卡卡洛夫从他的大船上溜下来,想弄清第一个项目是什么。甚至,他大概已经看见海格和马克西姆夫人一起绕着禁林往那边走——他们俩在远处就很容易被人看见……现在,卡卡洛夫只要寻着发出声音的地方而去,便也会像马克西姆夫人一样,知道等待着勇士的将是什么。
照这样的情形看,星期二面对未知之物的只有塞德里克一个人了。
哈利赶到城堡,悄悄从前门溜了进去,沿着大理石楼梯往上爬。他已经累得喘不过气来了,但丝毫不敢放慢速度……只有不到五分钟的时间了,他必须赶到炉火边……
“胡言乱语!”他喘着粗气对胖夫人说,胖夫人正在肖像画洞口的镜框里打呼噜呢。
“既然你这么说。”胖夫人半梦半醒地嘟囔着,连眼睛也没有睁开,就把画像打开让他通过了。哈利爬了进去,公共休息室里空无一人,空气中也闻不到什么异味,看来赫敏不需要投掷粪蛋来确保他和小天狼星的密谈了。