「ウーン、『取とり替かえ呪文』があるけど……でも、取り替えてどうにかなるの? 牙きばの代わりにマシュマロかなんかに取り替えたら、少しは危険でなくなるけど……問題は、さっきの本にも書いてあったように、ドラゴンの皮を貫くものがほとんどないってことなのよ……変身させてみたらどうかしら。でも、あんなに大きいと、あんまり望みないわね。マクゴナガル先生でさえだめかも……もっとも、自分自身に呪文をかけるっていう手があるじゃない? 自分にもっと力を与えるのはどう? だけど、そういうのは簡単な呪文じゃないわね。つまり、まだそういうのは授業で一つも習ってないもの。私はO・W・Lふ・く・ろ・うの模も擬ぎ試験をやってみたから、そういうのがあるって知ってるだけ……」
「ハーマイオニー」ハリーは歯を食いしばって言った。「ちょっと黙だまっててくれない? 僕、集中したいんだ」
しかし、いざハーマイオニーが静かになってみれば、ハリーの頭の中は真っ白になり、ブンブンという音で埋まってしまい、集中するどころではなかった。ハリーは救いようのない気持で、本の索さく引いんをたどっていた。
「『忙いそがしいビジネス魔マンのための簡単な呪じゅ文もん――即そく席せき頭の皮はぎ』……でもドラゴンは髪かみの毛がないよ……『胡こ椒しょう入りの息』……これじゃ、ドラゴンの吐はく火が強くなっちゃう……『角つののある舌』……ばっちりだ。これじゃ敵にもう一つ武器を与えてしまうじゃないか……」
「ああ、いやだ。またあの人だわ。どうして自分のボロ船で読書しないのかしら?」
ハーマイオニーがイライラした。ビクトール・クラムが入ってくるところだった。いつもの前まえ屈かがみで、むっつりと二人を見て、本の山と一いっ緒しょに遠くの隅すみに座った。
「行きましょうよ、ハリー。談だん話わ室しつに戻るわ……。あの人のファンクラブがすぐ来るわ。ピーチクパーチクって……」
そして、そのとおり、二人が図書室を出るとき、女子生徒の一団が、忍び足で入ってきた。中の一人は、ブルガリアのスカーフを腰に巻きつけていた。
他把一大摞咒语书抱到桌边放下,开始一本本地翻阅起来,赫敏在他旁边不停地嘀咕着。