ハリーはその夜、ほとんど眠れなかった。月曜の朝目覚めたとき、ハリーは初めて真剣にホグワーツから逃げ出すことを考えた。しかし、朝食のときに大おお広ひろ間まを見回して、ホグワーツ城を去るということが何を意味するかを考えたとき、ハリーはやはりそれはできないと思った。ハリーがいままでに幸せだと感じたのは、ここしかない……そう、両親と一緒だったときも、きっと幸せだったろう。しかし、ハリーはそれを覚えていない。
ここにいてドラゴンに立ち向かうほうが、ダドリーと一緒のプリベット通りに戻るよりはましだ。それがはっきりしただけで、ハリーは少し落ち着いた。やっとのことでベーコンを飲み込み(ハリーの喉のどは、あまりうまく機能していなかった)、ハリーとハーマイオニーが立ち上がると、ちょうどセドリック・ディゴリーもハッフルパフのテーブルを立つところだった。
セドリックはまだドラゴンのことを知らない……マダム・マクシームとカルカロフが、ハリーの考えるとおり、フラーとクラムに話をしていたとすれば、代表選手の中でただ一人知らないのだ。セドリックが大広間を出ていくところを見ていて、ハリーの気持は決まった。
「ハーマイオニー、温室で会おう。先に行ってて。すぐ追いつくから」ハリーが言った。
「ハリー、遅れるわよ。もうすぐベルが鳴るのに――」
「追いつくよ。オッケー?」
哈利那天夜里几乎没有睡着。星期一早晨他醒来时,生平第一次开始认真考虑从霍格沃茨逃跑。可是,早饭时他在礼堂里不顾四周,想到离开城堡将意味着什么,他便知道他不可能这么做。他只有在这个地方才感受过快乐……对了,他猜他和父母在一起时肯定也是快乐的,但他已不记得那时的情景了。
不知怎的,想到自己宁愿待在这里面对火龙,也不愿回到女贞路去和德思礼一家相处,他觉得很宽慰,心情也平静了一些。他费力地咽下他那份熏咸肉(他的嗓子好像出了点儿毛病),然后和赫敏一起站起身来。就在这时,他看见塞德里克·迪戈里正准备离开赫奇帕奇桌子。
塞德里克仍然对火龙一无所知……他是几位勇士中唯一不知情的。如果哈利的想法没有错,马克西姆夫人和卡卡洛夫一定已经向芙蓉和克鲁姆透露了真相……
“赫敏,我到暖房来找你。”哈利注视着塞德里克离开礼堂,在刹那间拿定了主意,说道,“走吧,我待会儿赶上你。”
“哈利,你会迟到的,上课铃马上就要响了——”
“我会赶上你的,好吗?”