午前二時、ハリーは山ほどのいろいろな物に囲まれ、暖だん炉ろのそばに立っていた――本、羽根ペン、逆さまになった椅子が数脚、古いゴブストーン・ゲーム一式、それにネビルのヒキガエル「トレバー」もいた。最後の一時間で、ハリーはやっと「呼よび寄よせ呪じゅ文もん」のコツをつかんだ。
「よくなったわ、ハリー。ずいぶんよくなった」ハーマイオニーは疲れきった顔で、しかしとてもうれしそうに言った。
「うん、これからは僕が呪文をうまく使えなかったときに、どうすればいいのかわかったよ」
ハリーはそう言いながらルーン文字の辞書をハーマイオニーに投げ返し、もう一度練習することにした。
「ドラゴンが来るって、僕を脅おどせばいいのさ。それじゃ、やるよ……」ハリーはもう一度杖つえを上げた。「アクシオ! 辞書よ来い!」
重い辞書がハーマイオニーの手を離れて浮き上がり、部屋を横切ってハリーの手に収まった。
「ハリー、あなた、できたわよ。ほんと!」ハーマイオニーは大喜びだった。
「明日あしたうまくいけば、だけど」ハリーが言った。「ファイアボルトはここにある物よりずっと遠いところにあるんだ。城の中に。僕は外で、競きょう技ぎ場じょうにいる……」
「関係ないわ」ハーマイオニーがきっぱり言った。「ほんとに、本当に集中すれば、ファイアボルトは飛んでくるわ。ハリー、私たち、少しは寝たほうがいい……あなた、睡すい眠みんが必要よ」
凌晨两点钟的时候,哈利站在壁炉旁边,周围堆着许多东西:书本、羽毛笔、几张翻倒的椅子、一套旧的戈布石,还有纳威的瘌蛤蟆莱福。就在刚才,哈利才终于真正掌握了飞来咒。
“好多了,哈利,真是大有长进。”赫敏说。她显得疲倦,但十分高兴。
“噢,现在我们知道下次我学不会魔咒该怎么办了,”哈利说着,把一本魔文词典扔还给赫敏,这样他可以再试一次,“就拿一条火龙来威胁我。没错……”他又一次举起魔杖。“词典飞来!”
厚重的词典从赫敏手中腾空而起,飞到房间的另一边,被哈利一把接住。
“哈利,我认为你真的掌握了!”赫敏高兴地说。
“但愿明天还能成功,”哈利说,“火弩箭比这里的东西远得多,明天它在城堡里,我在外面的场地上……”
“没关系,”赫敏肯定地说,“只要你真正集中意念,全神贯注,它就会飞来。哈利,我们最好回去睡一会儿……你需要休息。”