ロンが待っていると言ったので、ハリーは再びテントに入った。テントが、いまはまったく違ったものに見えた。親しみがこもり、歓迎しているようだ。ハリーは、ホーンテールを掻かいくぐっていたときの気持を思い浮かべ、対決に出ていくまでの、長い待ち時間の気持と比べてみた……比べるまでもない。待っていたときのほうが、計はかり知れないほどひどい気持だった。
フラー、セドリック、クラムが一いっ緒しょに入ってきた。
セドリックは顔の半分をオレンジ色の軟なん膏こうがべったりと覆おおっていた。それが火傷やけどを治なおしているのだろう。セドリックはハリーを見てニッコリした。
「よくやったな、ハリー」
「君も」ハリーもニッコリ笑い返した。
「全員、よくやった!」ルード・バグマンが弾はずむ足取りでテントに入ってきた。まるで自分がたったいまドラゴンを出し抜いたかのようにうれしそうだ。
「さて、手て短みじかに話そう。第二の課題まで、十分に長い休みがある。第二の課題は、二月二十四日の午前九時半に開始される――しかし、それまでの間、諸しょ君くんに考える材料を与える! 諸君が持っている金の卵を見てもらうと、開くようになっているのがわかると思う……蝶ちょう番つがいが見えるかな? その卵の中にあるヒントを解くんだ――それが第二の課題が何かを教えてくれるし、諸君に準備ができるようにしてくれる! わかったかな? 大丈夫か? では、解散!」
ハリーはテントを出て、ロンと一いっ緒しょに、禁じられた森の端はたに沿って帰り道をたどった。二人は夢中で話した。ハリーはほかの選手がどうやったか、もっと詳くわしく聞きたかった。ハリーが木陰に隠れて最初にドラゴンが吼ほえるのを聞いたその木立を回り込んだとき、木陰から魔女が一人飛び出した。
リータ・スキーターだった。今日は派は手でな黄緑色のローブを着ていて、手に持った自じ動どう速そっ記き羽は根ねペンが、ローブの色に完全に隠されていた。
「おめでとう、ハリー!」リータはハリーに向かってニッコリした。「一言いただけない? ドラゴンに向かったときの感想は? 点数の公平性について、いま現在、どんな気持?」
「ああ、一言あげるよ」ハリーは邪じゃ険けんに言った。「バイバイ」
そして、ハリーは、ロンと連れ立って城への道を歩いた。