「二人とも、どうして夕食に来なかったの?」そう言いながら、ハーマイオニーも仲間に加わった。
「なぜって――ねえ、やめてよ、二人とも。笑うのは――なぜって、二人ともダンスパーティに誘った女の子に、断ことわられたばかりだからよ!」ジニーが言った。
その言葉でハリーもロンも笑うのをやめた。
「大いにありがとよ。ジニー」ロンがムッとしたように言った。
「かわいい子はみんな予約済みってわけ? ロン?」ハーマイオニーがつんつんしながら言った。「エロイーズ・ミジョンが、いまはちょっとかわいく見えてきたでしょ? ま、きっと、どこかには、お二人を受け入れてくれる誰かさんがいるでしょうよ」
しかし、ロンはハーマイオニーをまじまじと見ていた。急にハーマイオニーが別人に見えたような目つきだ。
「ハーマイオニー、ネビルの言うとおりだ――君は、れっきとした女の子だ……」
「まあ、よくお気づきになりましたこと」ハーマイオニーが辛しん辣らつに言った。
「そうだ――君が僕たち二人のどっちかと来ればいい!」
「お生あい憎にく様」ハーマイオニーがぴしゃりと言った。
「ねえ、そう言わずに」ロンがもどかしそうに言った。「僕たち、相手が必要なんだ。ほかは全部いるのに、僕たちだけ誰もいなかったら、ほんとに間抜けに見えるじゃないか……」
「私、一いっ緒しょには行けないわ」ハーマイオニーがこんどは赤くなった。「だって、もう、ほかの人と行くことになってるの」
「そんなはずない!」ロンが言った。「それは、ネビルを追い払うために言ったんだろ!」
「あら、そうかしら?」ハーマイオニーの目が危険な輝かがやきを放った。
「あなたは、三年もかかってやっとお気づきになられたようですけどね、ロン、だからと言って、ほかの誰も私が女の子だと気づかなかったわけじゃないわ!」
ロンはハーマイオニーをじっと見た。それからまたニヤッと笑った。
「オッケー、オッケー。僕たち、君が女の子だと認める」ロンが言った。「これでいいだろ? さあ、僕たちと行くかい?」
「だから、言ったでしょ!」ハーマイオニーが本気で怒った。「ほかの人と行くんです!」
そして、また、ハーマイオニーは女子寮りょうのほうへ、さっさと行ってしまった。