四年生には休きゅう暇か中にやるべき宿題がどっさり出されたが、学期が終わったときハリーは勉強する気になれず、クリスマスまでの一週間、思い切り遊んだ。ほかの生徒も同じだった。グリフィンドール塔とうは学期中に負けず劣らず混み合っていた。寮りょう生せいがいつもより騒々しいので、むしろ塔が少し縮んだのではないかと思うくらいだった。フレッドとジョージの「カナリア・クリーム」は大成功で、休暇が始まってから二、三日は、あちこちで突然ワッと羽の生える生徒が増えた。しかし、まもなく、グリフィンドール生も知恵がつき、食べ物の真ん中にカナリア・クリームが入ってはいないかと、他ひ人とからもらった食べ物には細心の注意を払うようになった。ジョージは、フレッドと二人でもうほかの物を開発中だと、ハリーに打ち明けた。これからは、フレッドやジョージからポテトチップ一枚たりとももらわないほうがいいと、ハリーは心に刻きざんだ。ダドリーの「ベロベロ飴トン・タン・タフィー」騒そう動どうを、ハリーはまだ忘れていなかった。
城にも、校庭にも、深しん々しんと雪が降ふっていた。ハグリッドの小屋は、砂糖をまぶした生しょう姜がクッキーで作った家のようで、その隣となりのボーバトンの薄うす青い馬車は、粉こな砂糖のかかった巨大な冷えたかぼちゃのように見えた。ダームストラングの船せん窓そうは氷で曇り、帆ほやロープは真っ白に霜で覆おおわれていた。厨房ちゅうぼうのしもべ妖よう精せいたちは、いつにも増して大だい奮ふん闘とうし、こってりした体の温まるシチューやピリッとしたプディングを次々と出した。フラー・デラクールだけが文句を言った。