正面玄関の樫かしの扉とびらが開いた。ダームストラングの生徒が、カルカロフ校長と一いっ緒しょに入ってくるのをみんなが振り返って見た。一いっ行こうの先頭はクラムで、ブルーのローブを着た、ハリーの知らないかわいい女の子を連れている。一行の頭越しに、外の芝しば生ふがハリーの目に入った。城のすぐ前の芝生が魔法で洞どう窟くつのようになり、中に豆電球フェアリーライトならぬ妖精の光フェアリーライトが満ちていた――何百という生きた妖よう精せいが、魔法で作られたバラの園に座ったり、サンタクロースとトナカイのような形をした石像の上をひらひら飛び回ったりしている。
するとマクゴナガル先生の声が響ひびいた。
「代表選手はこちらへ!」
パーバティはニッコリしながら腕うで輪わをはめ直した。パーバティとハリーは、ロンとパドマに「またあとでね」と声をかけて前に進み出た。ペチャクチャしゃべっていた人ひと垣がきが割れて二人に道を空あけた。マクゴナガル先生は赤いタータンチェックのパーティローブを着て、帽ぼう子しの縁ふちには、かなり見み栄ばえの悪いアザミの花輪を飾っていた。先生は代表選手に、ほかの生徒が全部入場するまで、扉とびらの脇わきで待つように指示した。代表選手は、生徒全員が着席してから列を作って大おお広ひろ間まに入場することになっていた。フラー・デラクールとロジャー・デイビースはドアにいちばん近いところに陣じん取どった。デイビースはフラーをパートナーにできた幸運にのぼせて、目がフラーに釘くぎづけになっていた。セドリックとチョウもハリーの近くにいたが、ハリーは二人と話をしないですむように目を逸そらしていた。その目が、ふとクラムの隣となりにいる女の子を捕らえた。ハリーの口があんぐり開いた。