「あいつら何をやってるんだ? 魔ま法ほう省しょうの高官に、ご迷惑なのに」パーシーはフレッドとジョージを訝いぶかしげに眺ながめながら、歯は噛がみした。「敬意のかけらも……」
ルード・バグマンは、しかし、まもなくフレッドとジョージを振り払い、ハリーを見つけると手を振って、テーブルにやってきた。
「弟たちがお邪じゃ魔まをしませんでしたでしょうか、バグマンさん?」パーシーが間かん髪はつを入れずに言った。
「え? ああ、いやいや!」バグマンが言った。「いやなに、あの子たちは、ただ、自分たちが作った『だまし杖づえ』についてちょっと話してただけだ。販売方法についてわたしの助言がもらえないかとね。『ゾンコ悪いた戯ずら専せん門もん店てん』のわたしの知り合いに、紹介しょうかいしようとあの子たちに約束したが……」
パーシーはこれがまったく気に入らない様子だった。家に帰ったら、すぐさまウィーズリーおばさんに言いつけるだろう。絶対そうだ、とハリーは思った。一般市場に売り出すというのなら、どうやらフレッドとジョージの計画は、最近ますます大がかりになっているようだ。
バグマンはハリーに何か聞こうと口を開きかけたが、パーシーが横よこ合あいから口を出した。「バグマンさん、対校試合トーナメントはどんな具合でしょう? 私どもの部では、かなり満足しております――『炎ほのおのゴブレット』のちょっとしたミスは」――パーシーはハリーをちらりと見た――「もちろん、やや残念ではありますが、しかし、それ以後はとても順調だと思いますが、いかがですか?」
「ああ、そうだね」バグマンは楽しげに言った。「これまでとてもおもしろかった。バーティ殿はどうしているかね? 来られないとは残念至し極ごく」
「ああ、クラウチさんはすぐにも復ふっ帰きなさると思いますよ」パーシーはもったいぶって言った。「まあ、それまでの間の穴あな埋うめを、私が喜んで務めるつもりです。もちろん、ダンスパーティに出席するだけのことではありませんがね――」
パーシーは陽気に笑った。「いやいや、それどころか、クラウチさんのお留守中、いろんなことが持ち上がりましてね。それを全部処理しなければならなかったのですよ――アリ・バシールが空飛ぶ絨毯じゅうたんを密みつ輸ゆ入にゅうしようとして捕まったのはお聞き及びでしょう? それに、トランシルバニア国に『国こく際さい決けっ闘とう禁きん止し条じょう約やく』への署しょ名めいをするよう説得を続けていますしね。年明けには向こうの『魔ま法ほう協きょう力りょく部ぶ長ちょう』との会合がありますし――」