クリスマスの翌日は、みんな朝寝坊した。グリフィンドールの談だん話わ室しつはこれまでとは打って変わって静かだったし、気けだるい会話も欠伸あくびで途切れがちだった。ハーマイオニーの髪かみはまた元に戻ってボサボサだった。ダンスパーティのために「スリーク・イージーの直ちょく毛もう薬やく」を大量に使ったのだと、ハーマイオニーはハリーに打ち明けた。
「だけど、面倒くさくって、とても毎日やる気にならないわ」ゴロゴロ喉のどを鳴らしているクルックシャンクスの耳の後ろをカリカリ掻かきながら、ハーマイオニーは事こともなげに言った。
ロンとハーマイオニーは、二人の争点には触ふれないと、暗あん黙もくの了解に達したようだった。互いにばか丁てい寧ねいだったが、仲良くしていた。ハリーとロンは、偶ぐう然ぜん耳にしたマダム・マクシームとハグリッドの会話を、すぐさまハーマイオニーに話して聞かせた。しかし、ハーマイオニーは、ハグリッドが半巨人だというニュースに、ロンほどショックを受けてはいなかった。
「まあね、そうだろうと思っていたわ」ハーマイオニーは肩をすくめた。
「もちろん、純じゅん巨人でないことはわかってたわ。だって、ほんとの巨人なら、身長六メートルもあるもの。だけど、巨人のことになるとヒステリーになるなんて、どうかしてるわ。全部が全部恐ろしいわけないのに……狼おおかみ人にん間げんに対する偏へん見けんと同じことね……単なる思い込みだわ」
ロンは何か痛烈に反はん撃げきしたそうな顔をしたが、ハーマイオニーとまた一ひと悶もん着ちゃく起こすのはごめんだと思ったらしく、ハーマイオニーが見ていないときに、「つき合いきれないよ」と頭を振るだけで満足したようだった。
休きゅう暇かが始まってから一週間無む視しし続けていた宿題を、思い出すときが来た。クリスマスが終わってしまったいま、誰もが気が抜けていた――ハリー以外は。ハリーは(これで二度目だが)少し不安になりはじめていた。
第24章 丽塔·斯基特的独家新闻