「とってもいい授業だったわ」大おお広ひろ間まに入るとき、ハーマイオニーが言った。「一角獣について、私、グラブリー‐プランク先生の教えてくださったことの半分も知らなかっ――」
「これ、見て!」唸うなるようにそう言うと、ハリーは「日にっ刊かん予よ言げん者しゃ新しん聞ぶん」をハーマイオニーの鼻先に突きつけた。
記事を読みながら、ハーマイオニーはあんぐりと口をあけた。ロンの反応とそっくり同じだった。
「あのスキーターって嫌いやな女、なんでわかったのかしら? ハグリッドがあの女に話したと思う?」
「思わない」ハリーは先に立ってグリフィンドールのテーブルのほうにどんどん進み、怒りに任まかせてドサッと腰を下ろした。
「僕たちにだって一度も話さなかったろ? さんざん僕の悪口を聞きたかったのに、ハグリッドが言わなかったから、腹を立てて、ハグリッドに仕返しするつもりで嗅かぎ回っていたんだろうな」
「ダンスパーティで、ハグリッドがマダム・マクシームに話しているのを聞いたのかもしれない」ハーマイオニーが静かに言った。
「それだったら、僕たちがあの庭でスキーターを見てるはずだよ!」ロンが言った。
「とにかく、スキーターは、もう学校には入れないことになってるはずだ。ハグリッドが言ってた。ダンブルドアが禁止したって……」
「スキーターは『透とう明めいマント』を持ってるのかもしれない」ハリーが言った。
チキン・キャセロールを鍋なべから自分の皿に取り分けながら、ハリーは怒りで手が震ふるえ、そこら中にこぼした。
「あの女のやりそうなことだ。草むらに隠れて盗み聞きするなんて」
「あなたやロンがやったと同じように?」ハーマイオニーが言った。
「僕らは盗み聞きしようと思ったわけじゃない!」ロンが憤ふん慨がいした。「ほかにどうしようもなかっただけだ! バカだよ、まったく。誰が聞いているかわからないのに、自分の母親が巨人だって話すなんて!」