「ハグリッドに会いに行かなくちゃ!」ハリーが言った。「今夜、『占うらない学』のあとだ。戻ってきてほしいって、ハグリッドに言うんだ……。君もハグリッドに戻ってほしいって、そう思うだろう?」
ハリーはキッとなってハーマイオニーを見た。
「私――そりゃ、初めてきちんとした『魔ま法ほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく』らしい授業を受けて、新しん鮮せんに感じたことは確かだわ――でも、ハグリッドに戻ってほしい。もちろん、そう思うわ!」
ハリーの激はげしい怒りの視し線せんにたじろぎ、ハーマイオニーは慌あわてて最後の言葉をつけ加えた。
そこで、その日の夕食後、三人はまた城を出て、凍いてつく校庭を、ハグリッドの小屋へと向かった。小屋の戸をノックすると、ファングの轟とどろくような吠ほえ声が応こたえた。
「ハグリッド、僕たちだよ!」ハリーはドンドンと戸を叩たたきながら叫さけんだ。「開けてよ!」
ハグリッドの応えはなかった。ファングが哀あわれっぽく鼻を鳴らしながら、戸をガリガリ引っ掻かく音が聞こえた。しかし、戸は開かない。それから十分ほど、三人は戸をガンガン叩いた。ロンは小屋を回り込んで、窓をバンバン叩いた。それでも何の反応もない。
「どうして私たちを避さけるの?」ついに諦あきらめて、城に向かって戻る道々、ハーマイオニーが言った。「ハグリッドが半巨人だってこと、まさか、ハグリッドったら、私たちがそれを気にしてると思ってるわけじゃないでしょうね?」
しかし、ハグリッドはそれを気にしているようだった。その週、ハグリッドの姿はどこにも見当たらなかった。食事のときも教職員テーブルに姿を見せず、校庭で森番の仕事をしている様子もなかった。「魔ま法ほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく」は、グラブリー‐プランク先生が続けて教えた。マルフォイは、事ことあるごとに満足げにほくそ笑んだ。
「混こん血けつの仲良しがいなくて寂さびしいのか?」マルフォイは、ハリーが反はん撃げきできないように、誰か先生が近くにいるときだけを狙ってハリーに囁ささやいた。「エレファントマンに会いたいだろう?」