一月半ばにホグズミード行きが許された。ハリーが行くつもりだと言ったので、ハーマイオニーは驚いた。
「せっかく談だん話わ室しつが静かになるのよ。このチャンスを利用したらいいのにと思って」ハーマイオニーが言った。「あの卵に真剣に取り組むチャンスよ」
「ああ。僕――僕、あれがどういうことなのか、もう相当いいとこまでわかってるんだ」
ハリーは嘘うそをついた。
「ほんと?」ハーマイオニーは感心したように言った。「すごいわ!」
ハリーは罪ざい悪あく感かんで内臓が捩よじれる思いだったが、無む視しした。何といっても、卵のヒントを解く時間はまだ五週間もある。まだまだ先だ……それに、ホグズミードに行けば、ハグリッドにばったり出会って、戻ってくれるように説得するチャンスもあるかもしれない。
土曜日が来た。ハリーはロン、ハーマイオニーと連れ立って城を出、冷たい、湿った校庭を、校門へと歩いた。湖に停留ていりゅうしているダームストラングの船のそばを通るとき、ビクトール・クラムがデッキに現れるのが見えた。水泳パンツ一枚の姿だ。痩やせてはいるが、見かけよりずっとタフらしい。船の縁へりによじ登り、両腕を伸ばしたかと思うと、まっすぐ湖に飛び込んだ。
「狂ってる!」クラムの黒い頭とう髪はつが湖の中央に浮き沈みするのを見つめながら、ハリーが言った。「凍こごえちゃう。一月だよ!」
「あの人はもっと寒いところから来ているの」ハーマイオニーが言った。「あれでも結けっ構こう暖あたたかいと感じてるんじゃないかしら」
「ああ、だけど、その上、大イカもいるしね」
ロンの声は、ちっとも心配そうではなかった――むしろ、何か期待しているようだった。ハーマイオニーはそれに気づいて顔をしかめた。