「こんにちは」ダンブルドアは三人に微ほほ笑えみかけながら、心地よく言った。
「私たち――あの――ハグリッドに会いたくて」ハーマイオニーの声が小さくなった。
「おお、わしもそうじゃろうと思いましたぞ」ダンブルドアは目をキラキラさせながら言った。「さあ、お入り」
「あ……あの……はい」ハーマイオニーが言った。
ハーマイオニー、ロン、ハリーの三人は、小屋に入った。ハリーが入るなり、ファングが飛びついて、メチャメチャ吠ほえながらハリーの耳を舐なめようとした。ハリーはファングを受け止めながら、あたりを見回した。
ハグリッドは、大きなマグカップが二つ置かれたテーブルの前に座っていた。ひどかった。顔は泣いて斑ぶちになり、両目は腫はれ上がり、髪かみの毛にいたっては、これまでの極端きょくたんから反対の極端へと移り、撫なでつけるどころか、いまや、絡からみ合った針金のカツラのように見えた。
「やあ、ハグリッド」ハリーが挨あい拶さつした。
ハグリッドは目を上げた。
「よう」ハグリッドはしゃがれた声を出した。
「もっと紅茶が必要じゃの」
ダンブルドアは三人が入ったあとで戸を閉め、杖つえを取り出してクルクルッと回した。空中に、紅茶を乗せた回転テーブルが現れ、ケーキを乗せた皿も現れた。ダンブルドアはテーブルの上に回転テーブルを載のせ、みんながテーブルに着いた。ちょっと間を置いてから、ダンブルドアが言った。
「ハグリッド、ひょっとして、ミス・グレンジャーが叫さけんでいたことが聞こえたかね?」
ハーマイオニーはちょっと赤くなったが、ダンブルドアはハーマイオニーに微ほほ笑えみかけて言葉を続けた。
「ハーマイオニーもハリーもロンも、ドアを破りそうなあの勢いから察さっするに、いまでもお前と親しくしたいと思っているようじゃ」