「ハリー、大丈夫か?」みんなが赤ちゃん一角獣に群がっているとき、ハグリッドは少し脇わきに避よけ、声をひそめてハリーに聞いた。
「うん」ハリーが答えた。
「ちょいと心配か? ん?」ハグリッドが言った。
「ちょっとね」ハリーが答えた。
「ハリー」ハグリッドは巨大な手でハリーの肩をぽんと叩たたいた。衝撃しょうげきでハリーの膝ひざがガクンとなった。「おまえさんがホーンテールと渡り合うのを見る前は、俺おれも心しん配ぺえしちょった。だがな、いまはわかっちょる。おまえさんはやろうと思ったら何でもできるんだ。俺はまったく心しん配ぺえしちょらんぞ。おまえさんは大丈夫だ。手がかりはわかったんだな?」
ハリーは頷うなずいた。しかし、頷きながらも、湖の底で一時間、どうやって生き残るのかわからないのだと、ぶちまけてしまいたい狂おしい衝動しょうどうに駆かられた。ハリーはハグリッドを見上げた――もしかしたら、ハグリッドはときどき湖に出かけて、中にいる生物の面倒を見ることがあるのじゃないだろうか? なにしろ地上の生物は何でも面倒を見るのだから――。
「おまえさんは勝つ」ハグリッドは唸うなるように言うと、もう一度ハリーの肩をポンと叩いた。ハリーは柔らかい地面に数センチめり込むのが自分でもわかった。「俺にはわかる。感じるんだ。おまえさんは勝つぞ、ハリー」
ハグリッドの顔に浮かんだ幸せそうな、確信に満ちた笑顔を拭ぬぐい去ることなんて、ハリーにはとてもできなかった。ハリーは繕つくろった笑顔を返し、赤ちゃん一角獣ユニコーンに興味があるふりをして、一角獣を撫なでにみんなのところに近づいていった。
“你没事吧,哈利?”海格趁大家都聚拢在独角兽小崽周围时,踱到一边,低声问道。
“没事。”哈利说。
“有点儿紧张,是吗?”海格说。
“有点儿吧。”哈利说。
“哈利,”海格说着,用粗重的手拍拍他的肩膀,压得哈利的膝盖直打弯,“在你对付那只树蜂前,我确实替你担心过,但我现在知道了,只要你想做的事,没有做不成的。我一点儿也不担心了。你肯定会成功的。线索解出来了吗,嗯?”
哈利点了点头,但他尽管在点头,内心却产生了一种荒唐的冲动,想坦白承认自己不知道怎样在湖底存活一个小时。他抬头望着海格——也许海格有时候必须钻进水底,去对付湖里的动物?因为场地上的其他东西都是他照料的——
“你会赢的,”海格嗓音粗哑地说,又拍了拍哈利的肩膀——哈利觉得自己往松软的泥地里陷了两英寸,“我知道。我能够感觉到。你一定会赢的,哈利!”
哈利不忍心抹去海格脸上喜悦的充满信心的笑容。他假装自己对小独角兽很感兴趣,勉强对海格笑了笑,就走上前,和同学们一起去抚摸两个小崽了。