「次の魔ま法ほう大だい臣じんと噂うわさされていた」シリウスが言った。「すばらしい魔法使いだ。バーティ・クラウチは。強力な魔法力――それに、権力欲だ。ああ、ヴォルデモートの支持者だったことはない」
ハリーの顔を読んで、シリウスがつけ加えた。
「それはない。バーティ・クラウチは常に闇やみの陣じん営えいにはっきり対たい抗こうしていた。しかし、闇の陣営に反対を唱となえていた多くの者が……いや、わかるまい。若い君たちには……」
「僕のパパもワールドカップでそう言ったんだ」ロンが、声にイライラを滲にじませて言った。「わかるかもしれないじゃないか。言ってみてよ」
シリウスの痩やせた顔がニコッと綻ほころびた。
「いいだろう。試してみよう……」シリウスは洞どう窟くつの奥まで歩いていき、また戻ってきて話しはじめた。
「ヴォルデモートが、いま、強大だと考えてごらん。誰が支持者なのかわからない。誰があいつに仕え、誰がそうではないのか、わからない。あいつには人を操る力がある。誰もが、自分では止めることができずに、恐ろしいことをやってしまう。自分で自分が怖こわくなる。家族や友達でさえ怖くなる。毎週、毎週、またしても死人や、行方不明や、拷ごう問もんのニュースが入ってくる……魔法省は大混乱だ。どうしてよいやらわからない。すべてをマグルから隠そうとするが、一方でマグルも死んでゆく。いたるところ恐怖だ……パニック……混乱……そういう状態だった」
“有人预测他有可能当选下届魔法部部长,”小天狼星说,“他是个了不起的巫师,巴蒂?克劳奇,法术高强——权力欲望也很强。哦,决不会是伏地魔的支持者。”他看到哈利脸上的表情,说道:“不,巴蒂?克劳奇总是公开声音他是反对黑魔法的。可是许多反对黑魔法的人都……唉,你们不会明白的……你们年级太小了……”
“我爸爸在世界杯赛上就是这么说的。”罗恩说,语气里带着一点儿恼火,“你就试一试嘛,看我们能不能明白。”
小天狼星消瘦的脸上闪过一丝笑容。“好吧,我就试一试……”他走到岩洞那头,又折了回来,说道,“现在想象一下,在伏地魔势力强大的时候,你不知道谁是他的支持者谁又不是,不知道谁在为他效命谁又不是。你知道他能把人牢牢控制,使他们不由自主地做一些可怕的事。你为自己、你的家人和你的朋友感到害怕。每个星期都有噩耗传来,又有人死亡,又有人失踪,又有人在遭受折磨……魔法部一片混乱,他们不知道该怎么办,他们还要千方百计地瞒着麻瓜们,而与此同时,麻瓜们也在死亡。到处都是一片恐怖……紧张……混乱……当时就是这样的情况。”