いままでの「魔ま法ほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく」で最高に楽しい授業だった。ニフラーは、まるで水に飛び込むようにやすやすと土の中に潜り、這はい出しては、自分を放してくれた生徒のところに大急ぎで駆かけ戻って、その手に金貨を吐はき出した。ロンのニフラーがとくに優秀で、ロンの膝ひざはあっという間に金貨で埋まった。
「こいつら、ペットとして買えるのかな、ハグリッド?」
ニフラーが自分のローブに泥を撥はね返して飛び込むのを見ながら、ロンが興こう奮ふんして言った。
「おふくろさんは喜ばねえぞ、ロン」ハグリッドがニヤッと笑った。「家の中を掘り返すからな、ニフラーってやつは。さーて、そろそろ全部掘り出したな」
ハグリッドはあたりを歩き回りながら言った。その間もニフラーはまだ潜り続けていた。
「金貨は百枚しか埋めとらん。おう、来たか、ハーマイオニー!」
ハーマイオニーが芝しば生ふを横切ってこちらに歩いてきた。両手を包帯でぐるぐる巻きにして、惨みじめな顔をしている。パンジー・パーキンソンが詮せん索さくするようにハーマイオニーを見た。
「さーて、どれだけ取れたか調べるか!」ハグリッドが言った。
「金貨を数えろや! そんでもって、盗んでもだめだぞ、ゴイル」ハグリッドはコガネムシのような黒い目を細めた。「レプラコーンの金貨だ。数時間で消えるわ」
ゴイルはブスッとしてポケットをひっくり返した。結局、ロンのニフラーがいちばん成績がよかった。ハグリッドは賞品として、ロンにハニーデュークス菓子店の大きな板チョコを与えた。校庭の向こうで鐘が鳴り、昼食を知らせた。みんなは城に向かったが、ハリー、ロン、ハーマイオニーは残って、ハグリッドがニフラーを箱に入れるのを手伝った。マダム・マクシームが馬車の窓からこちらを見ているのに、ハリーは気がついた。