「パーシーが何て書いてきたか、見たくない?」ハリーが急いで言った。
パーシーの手紙は短く、イライラした調子だった。
『日にっ刊かん予よ言げん者しゃ新しん聞ぶん』にもしょっちゅうそう言っているのだが、クラウチ氏は当然取るべき休暇を取っている。クラウチ氏は定期的にふくろう便で仕事の指示を送ってよこす。実際にお姿は見ていないが、私は間違いなく自分の上じょう司しの筆ひっ跡せきを見分けることくらいできる。そもそも私はいま、仕事が手一杯で、バカな噂うわさを揉もみ消している暇ひまはないくらいなのだ。よほど大切なこと以外で、私を煩わずらわせないでくれ。ハッピー・イースター。
イースターが終わると夏学期が始まる。いつもならハリーは、シーズン最後のクィディッチ試合に備えて猛練習している時期だ。しかし、今年は三さん校こう対たい抗こう試じ合あいの最終課題があり、その準備が必要だ。もっとも、ハリーはどんな課題なのかをまだ知らなかった。五月の最後の週に、やっと、マクゴナガル先生が「変へん身しん術じゅつ」の授業のあとでハリーを呼び止めた。
「ポッター、今夜九時にクィディッチ競きょう技ぎ場じょうに行きなさい。そこで、バグマンさんが第三の課題を代表選手に説明します」
そこで、夜の八時半、ハリーはロンやハーマイオニーと別れて、グリフィンドール塔とうをあとにし、階段を下りていった。玄げん関かんホールを横切る途と中ちゅう、ハッフルパフの談だん話わ室しつから出てきたセドリックに会った。
「こんどは何だと思う?」二人で石段を下りながら、セドリックがハリーに聞いた。外は曇り空だった。「フラーは地下トンネルのことばかり話すんだ。宝探しをやらされると思ってるんだよ」
「それならいいけど」ハグリッドからニフラーを借りて、自分の代わりに探させればいいとハリーは思った。