「そのとおり!」バグマンが言った。「迷路だ。第三の課題は、きわめて明快だ。迷路の中心に三さん校こう対たい抗こう優ゆう勝しょう杯はいが置かれる。最初にその優勝杯に触ふれた者が満点だ」
「迷路をあはやく抜けるだーけですか?」フラーが聞いた。
「障しょう害がい物ぶつがある」バグマンはうれしそうに、体を弾はずませながら言った。
「ハグリッドがいろんな生き物を置く……それに、いろいろ呪のろいを破らないと進めない……まあ、そんなとこだ。さて、これまでの成績でリードしている選手が先にスタートして迷路に入る」
バグマンが、ハリーとセドリックに向かってニッコリした。
「次にミスター・クラムが入る……それからミス・デラクールだ。しかし、全員に優勝のチャンスはある。障害物をどううまく切り抜けるか、それ次第だ。おもしろいだろう、え?」
ハグリッドがこういうイベントにどんな生き物を置きそうか、ハリーはよく知っている。とても「おもしろい」とは思えなかったが、他の代表選手と同じく、礼れい儀ぎ正しく頷うなずいた。
「よろしい……質問がなければ、城に戻るとしようか。少し冷えるようだ……」
みんなが育ちかけの迷めい路ろを抜けて外に出ようとすると、バグマンが急いでハリーに近づいてきた。バグマンがハリーに、助けてやろうとまた申し出るような感じがした。しかし、ちょうどそのとき、クラムがハリーの肩を叩たたいた。
「ちょっと話したいんだけど?」
「ああ、いいよ」ハリーはちょっと驚いた。
「君と一いっ緒しょに少し歩いてもいいか?」
「オッケー」ハリーはいったい何だろうと思った。
「ハリー、ここで待っていようか?」バグマンは少し戸と惑まどった表情だった。
「いいえ、バグマンさん、大丈夫です」ハリーは笑いをこらえて言った。「ありがとうございます。でも、城には一人で帰れますから」