「訂てい正せいしようともしなかっただろうが?」ウィーズリーおばさんやビルと一緒にドアから出ていこうとするハリーに聞こえるように、エイモス・ディゴリーが大声で言った。「しかし……セド、目にもの見せてやれ。一度あの子を負かしたろうが?」
「エイモス! リータ・スキーターは、ゴタゴタを引き起こすためには何でもやるのよ」
ウィーズリーおばさんが腹立たしげに言った。
「そのぐらいのこと、あなた、魔ま法ほう省しょうに勤めてたらおわかりのはずでしょう!」
ディゴリー氏は怒って何か言いたそうな顔をしたが、奥さんがその腕を押さえるように手を置くと、ちょっと肩をすくめただけで顔をそむけた。
陽光がいっぱいの校庭を、ビルやウィーズリーおばさんを案内して回り、ボーバトンの馬車やダームストラングの船を見せたりして、ハリーはとても楽しく午前中を過ごした。おばさんは、卒業後に植えられた「暴あばれ柳やなぎ」にとても興味を持ったし、ハグリッドの前の森番、オッグの想い出を長々と話してくれた。
「パーシーは元気?」温室の周りを散歩しながら、ハリーが聞いた。
「よくないね」ビルが言った。
「とってもうろたえてるの」おばさんはあたりを見回しながら声を低めて言った。
「魔法省は、クラウチさんが消えたことを伏せておきたいわけ。でも、パーシーは、クラウチさんの送ってきていた指令についての尋じん問もんに呼び出されてね。本人が書いたものではない可能性があるって、魔ま法ほう省しょうはそう思っているらしいの。パーシーはストレス状態だわ。魔法省では、今夜の試合の五番目の審しん査さ員いんとして、パーシーにクラウチさんの代理を務めさせてくれないの。コーネリウス・ファッジが審査員になるわ」
三人は昼食をとりに城に戻った。