ハリー、ビル、ウィーズリーおばさんの三人は、城の周りをブラブラ散歩して午後を過ごし、晩ばん餐さん会かいに大おお広ひろ間まに戻った。晩餐会ではルード・バグマンとコーネリウス・ファッジが教職員テーブルに着いていた。バグマンはうきうきしているようだったが、コーネリウス・ファッジは、マダム・マクシームの隣で、厳きびしい表情で黙だまりこくっていた。マダム・マクシームは食事に没ぼっ頭とうしていたが、ハリーはマダムの目が赤いように思った。ハグリッドが同じテーブルの端はしからしょっちゅうマダムのほうに目を走らせていた。
食事はいつもより品数が多かったが、ハリーはいまになって本格的に気が昂たかぶりはじめ、あまり食べられなかった。魔法をかけられた天井が、ブルーから日暮れの紫むらさきに変わりはじめたとき、ダンブルドアが教職員テーブルで立ち上がった。大おお広ひろ間まがしーんとなった。
「紳しん士し、淑女しゅくじょのみなさん。あと五分たつと、みなさんにクィディッチ競きょう技ぎ場じょうに行くように、わしからお願いすることになる。三さん大だい魔ま法ほう学がっ校こう対たい抗こう試じ合あい、最後の課題が行われる。代表選手は、バグマン氏に従って、いますぐ競技場に行くのじゃ」
ハリーは立ち上がった。グリフィンドールのテーブルからいっせいに拍手が起こった。ウィーズリー一家とハーマイオニーに激げき励れいされ、ハリーはセドリック、フラー、クラムと一いっ緒しょに大広間を出た。
「ハリー、落ち着いてるか?」校庭に下りる石段のところで、バグマンが話しかけた。「自信があるかね?」
「大丈夫です」ハリーが答えた。ある程度本当だった。神経は尖とがっていたが、こうして歩きながらも頭の中で、これまで練習してきた呪まじないや呪じゅ文もんを何度も繰り返していたし、全部思い出すことができるので、気分が楽になっていた。
全員でクィディッチ競技場へと歩いたが、いまはとても競技場には見えなかった。六メートルほどの高さの生いけ垣がきが周りをぐるりと囲み、正面に隙すき間まが空あいている。巨大な迷めい路ろへの入口だ。中の通路は、暗く、薄うす気き味み悪かった。