ヴォルデモートはさらに歩ほを進めた。何人かの死喰い人の前を黙だまって通り過ぎ、何人かの前では立ち止まって話しかけた。
「マクネア……いまでは魔ま法ほう省しょうで危険動物の処分をしておるとワームテールが話していたが? マクネアよ、ヴォルデモート卿きょうが、まもなくもっといい犠ぎ牲せい者しゃを与えてつかわす……」
「ご主人様、ありがたき幸せ……ありがたき幸せ」マクネアが呟つぶやくように言った。
「そしておまえたち」ヴォルデモートはフードをかぶったいちばん大きい二人の前に移動した。「クラッブだな……こんどはましなことをしてくれるのだろうな? クラッブ? そして、おまえ、ゴイル?」
二人はぎごちなく頭を下げ、のろのろと呟いた。
「はい、ご主人さま……」
「そういたします。ご主人さま……」
「おまえもそうだ、ノットよ」
ゴイルの影の中で前まえ屈かがみになっている姿の前を通り過ぎながら、ヴォルデモートが言った。
「わが君きみ、わたくしはあなた様の前にひれ伏します。わたくしめはもっとも忠実なる――」
「もうよい」ヴォルデモートが言った。
ヴォルデモートは輪わのいちばん大きく空あいているところに立ち、まるでそこに立つ死喰い人が見えるかのように、虚うつろな赤い目でその空間を見回した。
「そしてここには、六人の死喰い人が欠けている……三人は俺様の任務で死んだ。一人は臆病おくびょう風かぜに吹かれて戻らぬ……思い知ることになるだろう。一人は永遠に俺様の下を去った……もちろん、死あるのみ……そして、もう一人、もっとも忠実なる下しも僕べであり続けた者は、すでに任務に就ついている」
死し喰くい人びとたちがざわめいた。仮面の下から横目使いで、互いにすばやく目を見み交かわしているのを、ハリーは見た。