第37章 始まり The Beginning
第37章 开始
一ヵ月たったいま振り返ってみても、あれから数日のことは、ハリーには切れ切れにしか思い出せなかった。これ以上はとても受け入れるのが無理だというくらい、あまりにいろいろなことが起こった。断片的な記憶も、みな痛々しいものだった。いちばん辛つらかったのは、たぶん、次の朝にディゴリー夫妻に会ったことだろう。
二人とも、あの出来事に対して、ハリーを責せめなかった。それどころか、セドリックの遺い体たいを二人の許もとに返してくれたことを感謝した。ハリーに会っている間、ディゴリー氏はほとんどずっとすすり泣いていたし、夫人は、涙も涸かれ果てるほどの嘆なげき悲しみだった。
「それでは、あの子はほとんど苦しまなかったのですね」
ハリーがセドリックの死んだときの様子を話すと、夫人がそう言った。
「ねえ、あなた……結局あの子は、試合に勝ったそのときに死んだのですもの。きっと幸せだったに違いありませんわ」
二人が立ち上がったとき、夫人はハリーを見下ろして言った。
「どうぞ、お大事にね」
ハリーはベッド脇わきのテーブルにあった金貨の袋をつかんだ。
「どうぞ、受け取ってください」ハリーが夫人に向かって呟つぶやいた。「これはセドリックのものになるはずでした。セドリックがいちばん先に着いたんです。受け取ってください――」
しかし、夫人は後あと退ずさりして言った。
「まあ、いいえ、それはあなたのものですよ。わたしはとても受け取れません……あなたがお取りなさい」
第37章 开始
哈利即使一个月后回想起来,对后来几天的记忆只是零散的片断。就好像他经历的事情太多,把脑子都塞满了,再也记不住任何事情。他零星记得的那些片断十分惨痛。最令人心痛的莫过于他第二天上午与迪戈里夫妇的见面。
他们没有因为所发生的事情而责怪他;相反,他们都感谢哈利把塞德里克的尸体带给了他们。在见面中,迪戈里先生大部分时间都在无声地哭泣,而迪戈里夫人已经伤心得欲哭无泪了。
“那么,他并没有受多少痛苦。”迪戈里夫人听哈利讲了塞德里克的死亡经过,说道,“不管怎么说,阿莫斯……他死的时候刚赢得三强杯。他一定是很高兴的。”
当他们起身准备离开时,迪戈里夫人低头望着哈利,说:“你也好好保重吧。”
哈利抓起床头柜上的那袋金币。
“你们拿去吧,”他喃喃地对她说,“这应该属于塞德里克,是他先到达的,你们拿去吧——”
但是迪戈里夫人后退着闪开了。
“哦,不行,亲爱的,我不能……你留着吧。”