「こいつら三人が何をやってるのか、見てやろうと思ったんだよ」
フレッドがゴイルを踏ふみつけてコンパートメントに入りながら、ごく当たり前の顔で言った。杖を手にしていた。ジョージもそうだった。フレッドに続いてコンパートメントに入るとき、間違いなくマルフォイを踏んづけるように気をつけた。
「おもしろい効果が出たなあ」クラッブを見下ろして、ジョージが言った。「誰だい、『できものの呪のろい』をかけたのは?」
「僕」ハリーが言った。
「変だな」ジョージが気楽な調子で言った。「俺おれは『くらげ足』を使ったんだがなあ。どうもこの二つは一いっ緒しょに使ってはいけないらしい。こいつ、顔中にくらげの足が生はえてるぜ。おい、こいつらここに置いとかないほうがいいぞ。装飾そうしょくには向かないからな」
ロン、ハリー、ジョージが気絶しているマルフォイ、クラッブ、ゴイルを――呪いがごた混ぜにかかって、一人ひとりが相当ひどいありさまになっていたが――蹴け飛とばしたり、転がしたり、押したりして廊ろう下かに運び出し、それからコンパートメントに戻ってドアを閉めた。
「爆発スナップして遊ばないか?」フレッドがカードを取り出した。
五回目のゲームの途と中ちゅうで、ハリーは思い切って聞いてみた。
「ねえ、教えてくれないか?」ハリーがジョージに言った。「誰を脅迫きょうはくしていたの?」
「ああ」ジョージが暗い顔をした。「あのこと」
「何でもないさ」フレッドがイライラと頭を振った。「大したことじゃない。少なくともいまはね」
「俺おれたち諦あきらめたのさ」ジョージが肩をすくめた。
しかし、ハリー、ロン、ハーマイオニーはしつこく聞いた。ついにフレッドが言った。
「わかった、わかった。そんなに知りたいのなら……ルード・バグマンさ」
「バグマン?」ハリーが鋭するどく聞いた。「ルードが関係してたっていうこと?」
「いーや」ジョージが暗い声を出した。「そんな深刻なことじゃない。あのマヌケ。あいつにそんなことにかかわる脳みそはないよ」
「それじゃ、どういうこと?」ロンが聞いた。