日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 江户川乱步 » 带电人M » 正文

带电人M-铁塔火星人

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:鉄塔の火星人 少年探偵団員で、中学一年の中村(なかむら)君と、有田(ありた)君と、長島(ながしま)君の三人は、大のなかよしでし
(单词翻译:双击或拖选)

鉄塔の火星人


 少年探偵団員で、中学一年の中村(なかむら)君と、有田(ありた)君と、長島(ながしま)君の三人は、大のなかよしでした。
 ある午後のこと、有田君と長島君が、中村君の家に、遊びにきていました。
 中村君の家は(みなと)区のやしき町にある、広い洋館で、その二階の屋根の上に、三メートル四方ほどの、塔のような部屋がついていました。その部屋だけが三階になっているわけです。
 中村君は星を見るのがすきで、その塔の部屋に、そうとう倍率(ばいりつ)の高い天体地上望遠鏡がそなえてありました。
 三人はその部屋にのぼって、話をしていましたが、やがて話にもあきて、望遠鏡をのぞきはじめました。
 ひるまですから、星は見えませんが、地上のけしきが、大きく見えるのです。ずっと向こうの家が、まるでとなりのように、近く見えますし、町を歩いている人なども、恐ろしいほど、すぐ目の前に見えるのです。
 こんどは長島君の番で、望遠鏡の向きをかえながら、一心にのぞいていましたが、やがて、東京タワーの鉄塔が、レンズの中にはいってきました。
 ここからは五百メートルも(はな)れているのに、まるで目の前にあるように、大きく見えるのです。展望台のガラスごしに、見物の人たちの顔も、はっきりわかります。
 長島君は、むきをかえて、タワーのてっぺんに、ねらいをさだめ、だんだん下の方へ、望遠鏡のさきを、さげていきました。
 組み合わせた鉄骨が、びょうの一つ一つまで、はっきりと見えます。
 だんだん、下にさがるほど、鉄骨の(はば)が広くなって、展望台のすぐ上まできたとき、長島君は、思わず「あっ。」と、声をたてました。
「おい、どうしたんだ。なにが見えるんだ。」
 中村君と有田君が、声をそろえて、たずねました。しかし、長島君は返事もしません。息をはずませて、くいいるように、望遠鏡に見いっています。
 それもむりはありません。望遠鏡の中には、じつにふしぎな光景がうつっていたのです。
 タワーの鉄骨に、なにか黄色っぽい、グニャグニャしたものが、まきついていたのです。はじめは、はだかの人間かと思いましたが、そうではありません。なんだか、えたいのしれない、へんてこなものです。しかも、そいつが、生き物であるしょうこには、ゆっくりゆっくり、動いているのです。
 よく見ると、そいつの頭は、タコ入道(にゅうどう)のように、でっかくて、かみの毛なんか、一本もはえていません。その顔に、ギョロッとした、まんまるな目が、二つついているのです。目の下に、とんがった口のようなものがついています。どう見ても、タコ入道です。
 その頭の下にやっぱりタコの足のようなものが六本ついていて、その足で、鉄骨にまきついているのです。
「タコなら八本足のはずじゃないか。あいつは六本しかない。それに、全体の感じが、タコとはちがう。もっと、きみのわるいものだ。」
 長島君は、心の中でそう思いました。だいいち、あんな大きなタコってあるでしょうか。そいつは人間ぐらいの大きさに見えるのです。
「あっ、そうだっ、火星人だっ。」
 長島君は、声に出してさけびました。いま鉄塔にからみついているやつは、本の絵で見た火星人そっくりだったからです。
 タコが陸上にあがって、東京タワーにのぼるなんてことは考えられませんが、火星人なら、宇宙をとんできて、ロケットからとびだして、鉄塔のてっぺんに、すがりつくということもないとはいえません。
 そうして、あいつは、いま鉄塔をつたって、地上におりようとしているのでしょう。
「おい、なんだい、いま火星人と言ったんじゃないのかい。」
 中村君が、たずねました。
「うん、そうだよ。東京タワーの鉄骨を、火星人とそっくりのやつが、はいおりているんだよ。」
「どれ、見せてごらん。」
 こんどは中村君が望遠鏡にとりついて、のぞきこみました。
「あっ、ほんとだ。おい、あいつ火星人にちがいないよ。どうして地球へやってきたんだろう。あっ、展望台の屋根におりた。タコのようにはっている。おやっ、どっかへ見えなくなったよ。展望台の屋根から、もぐりこんだのかもしれない。」
 あの怪物が大ぜいの見物のいる展望台に、あらわれたら、たちまち大さわぎになるはずです。ところが、そんなさわぎは、すこしも起こらなかったのです。いったい怪物は、どこにかくれてしまったのでしょう。
 ふしぎなことに、この東京タワーの火星人を見たものは、広い東京に、三少年のほかには、だれもなかったのです。遠くからは、望遠鏡でなければ見えませんし、近くでは、大きな展望台がじゃまになって、その真上の怪物を見ることができなかったのです。そして、ちょうどそのとき、望遠鏡で東京タワーを見ていたのは、三少年だけだったのでしょう。
 このできごとは、すこしもさわぎにならないで、すんでしまいました。三人は中村君のおとうさんに、それを知らせましたが、おとうさんは、あまりへんてこなことだものですから、きみたちは、まぼろしでも見たんだろうといって相手にしてくださらないのでした。
 あくる日の新聞を気をつけて見ましたが、新聞にも、なにも出ておりません。火星人は展望台の屋根から、どこかへ、もぐりこんで、そのまま消えてしまったとしか考えられないのでした。
 さて、そのあくる日の晩のことです。長島君は、やはり港区にある、自分のうちの勉強部屋で、宿題をやって、これから、ねようとしているときでした。
 庭に面した窓ガラスを、パタパタとたたくような音が聞こえました。聞きなれない音なので、びっくりして、その方を見ますと、カーテンが半分開かれた、窓ガラスの向こうに、なんだか黄色っぽい、変なものが動いていました。
 木の枝かしらと思いましたが、木の枝にしては、グニャグニャしています。なんとも、えたいのしれないものです。
 身動きもできなくなって、じっと見つめていますと、その黄色いグニャグニャした棒のようなものは、ガラス窓のはしに、からみついて、それをあけようとしていることがわかりました。
 長島君は、ゾーッとしました。そいつは、なにかへんてこな()(もの)なのです。
 ガラス戸には、かぎがかけてなかったので、すこしずつ、開きはじめました。
「どろぼうが、長い棒で窓を開いているのかもしれない。」
 そう思うと、にわかに勇気が出てきました。
「こら、そこにいるのは、だれだっ。」
 どなりつけて、いきなりカーテンをサッと開きました。
 すると、そこにいたやつは?
 みなさん、なんだと思います。火星人だったのです。あの東京タワーの鉄骨にからみついていたのと同じ、タコ入道のような、きみのわるい、火星人だったのです。
 火星人のまんまるな目が、長島君をにらみつけました。そして、
带电人M图片1
と、あのとびだした口で、わけのわからないことを、言いました。英語でも、フランス語でもありません。
 きっと火星語なのでしょう。そして、一本の足がニューッと窓からはいってきたかと思うと、一枚の紙きれを、部屋の中へ、ヒラヒラと、投げてよこしました。
 しかし、長島君は、それを(ひろ)う元気などとてもありません。逃げだしたくてたまらないのですが、足が動かなくなってしまって、どうすることもできないのです。
带电人M图片2
 火星人は、またわけのわからないことを言ったかと思うと、そのまま、窓ぎわをはなれて、庭の向こうへ、遠ざかっていきました。
 庭の電灯で、その姿が、よく見えます。タコが、ぜんぶの足を、まっすぐにつっぱって、ノコノコ歩いていくかっこうです。なにしろ六本の足ですから、なかなか早いのです。やがて、木立(こだ)ちの中に、姿が、かくれてしまいました。
 長島君は、そのときになって、はじめて声が出ました。
「たいへんだあ。火星人がきたあ……。」
 そうさけんで、いきなり、みんなのいる茶の間の方へ、かけだして行くのでした。
 それから、家じゅうが、大さわぎになり、一一〇番に電話をかけて、パトロール・カーにきてもらい、うちのまわりを、くまなく(さが)しましたが、火星人は、まるで消えてしまったように、どこにも姿が見えないのでした。
 さっき、窓から投げこんだ紙きれを調べてみますと、それにはこんなことが書いてありました。

带电人M图片3

 いったい、これは、なんのことでしょう。火星人が、月世界へ、いっしょにいきましょうといって、さそいにきたのでしょうか。
 それにしても、これは日本語で、しかも活字で印刷してあるのです。火星人はひどく進歩しているといいますから、火星にいて、ちゃんと、日本語を研究していたのかもしれませんが、それが活字で印刷してあるのは、どうも、がてんがいきません。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG:
  • 上一篇:暂无
  • 下一篇:暂无