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带电人M-黑色无名鸟

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:黒い怪鳥 二十面相は明智探偵がたじろぐのを見て、ニヤリと笑いながら、言いはなちました。「二十面相の、奥の手を知らないのか
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黒い怪鳥


 二十面相は明智探偵がたじろぐのを見て、ニヤリと笑いながら、言いはなちました。
「二十面相の、奥の手を知らないのか。おれにはどんなときだって、奥の手が用意してあるんだ。おれはまだ、きみたちに、つかまったわけじゃないぞ。」
 総勢十二人にかこまれて、手錠をはめられて、まだつかまらないとは、一体、どうしたわけでしょう。
「みたまえ、あれだっ。」
 二十面相は、はるか遠くの空を見あげました。
 その空に、黒い点のようなものが見えました。それが恐ろしい速さでこちらに近づいてくるのです。
 黒い鳥です。カラスや、トンビではありません。もっと恐ろしいすがたの鳥です。
 タカでしょうか。ワシでしょうか。しかし、東京の空に、タカやワシがとんでいるはずはありません。
 みんなは、その怪鳥を、じっと見あげていました。みるみる大きくなってきます。タカやワシよりも、もっと、ずっと大きな鳥です。なにか恐ろしいことの、まえぶれのような、黒い、でっかい、お化け鳥です。
 もう、みんなの頭の上まで、迫ってきました。
 ブルルン、ブルルン、ブルン、ブルン……と、つんぼになるような、はげしい音。大きな羽で、地面が暗いかげになり、つむじ風が巻き起こりました。
「あっ。」とさけんで、みんなは思わず、地面にしゃがみ、からだを丸くして、これを防ぎました。
 そのときです。怪鳥の二本の黒い足がスーッとのびて、そこにつっ立っていた二十面相のからだを抱き上げると、ワシが子どもをさらうように、そのまま、空たかく、舞い上がっていくのです。
「ワハハハハ……、どうだ、おれの奥の手がわかったか。ワハハハハ……。」
 はげしい怪鳥の羽音に消されながら、二十面相の笑い声が、かすかに、ひびいてきました。
 怪鳥の姿は、だんだん小さくなり、しばらくの間、黒い点のように見えていました。やがて、それも消えて、どこともしれず、とびさってしまったのです。
 みんなは、ぼんやりと、空を見あげて、つっ立っていました。あまりのことに、ものを言う力もなくなっていたのです。
「明智君、あれは、いったい、なんだね。あんなおそろしい鳥がいるはずはないが。」
 中村警部が、まだ空をみつめている明智探偵にたずねました。
「ヘリコプターだよ。」
「えっ、ヘリコプターだって?」
「ぼくの油断だった。あいつは、前から、ヘリコプターの仕掛で、空をとぶ道具を、持っていたのだ。そのプロペラの下に、あんな鳥のからだと羽を、とりつけたんだよ。中にはあいつの部下がはいっていて、両手を鳥の足のように見せかけ、その手であいつを抱きあげたんだ。
 もう一つ、忘れていたことがある。二十面相は手錠ぬけの名人だ。ほら、そこに手錠が落ちている。」
 明智探偵の指さす地面に、銀色の手錠が、開いたまま、落ちていました。
「鳥が舞いおりたときに、手錠をはずしたんだ。そして、自由になった手で、鳥の腹についている輪になったベルトに、手と足を入れて、落ちないように、からだをささえたんだよ。
 空から、すけだちが、とんでこようとは、ぼくも気がつかなかった。二十面相の部下が、どこかにかくれて、遠藤さんの家を出るのを、見ていたにちがいない。そして、あとをつけて、電話で連絡して、あの鳥のヘリコプターを、とばさせたのだ。あいつの奥の手は、いつでも、とんでもない方角から、やってくる。」
「で、ぼくらは、また、あいつに、してやられたというわけだね。」
 中村警部が、にが笑いをしました。
「いや、ぼくらが負けたわけじゃないよ。」
「えっ、それはどういう意味だね。」
「あいつに、奥の手があれば、ぼくの方にも、奥の手があるということさ。」
「えっ、このうえに、まだ奥の手があるのか。それは、いったい……。」
「まあ、ぼくにまかせておきたまえ。ぼくはきっと、あいつのすみかを、つきとめてみせる。そこへ行く道がわかったのだよ。それには、少年探偵団の、からだの小さい子どもがいい。小林君、ポケット小僧がいいよ。あの子なら、きっとやれる。」
「ええ、ポケット君なら、大丈夫です。かばんの中にかくれて、奇面城にのりこんだくらいですからね。」
 小林少年が、ニコニコして、答えました。(そのことは、この全集の第三十九巻『奇面城の秘密』にかいてあります。)
 二十面相のすみかへ行く道というのは、どんな道なのでしょう。そして、ポケット小僧は、どんな働きをすることになるのでしょう。

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