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带电人M-风云突变

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:会議場の異変 小林君は、噴火口のような穴ぼこの、いちばん深くて大きいのを、捜しまわりました。「ああ、これがいい。一メート
(单词翻译:双击或拖选)

会議場の異変


 小林君は、噴火口のような穴ぼこの、いちばん深くて大きいのを、捜しまわりました。
「ああ、これがいい。一メートルも深さがある。ここなら大丈夫だろう。」
 そんなひとりごとを言って、小林君は、その大きな穴の中へ、はいりました。
 そして、ポケットから、ハンド・ドリルを取りだすと、いきなり、穴の底を掘りはじめました。
 たいして大きな音をたてるわけではありませんから、見物たちが、あやしんで、集まってくる心配はありません。
 ドリルで、丸く、たくさん穴をあけて、そこのコンクリートをかきとって、野球のボールが、すっぽりはいるほどの、くぼみをつくりました。
 そして、宇宙服の下の自分の服のポケットから、銀色の玉を取りだして、そのくぼみの中にいれ、上から、くだけたコンクリートをかぶせて、わからないようにしてしまいました。
 この銀色の玉は、遠藤博士から、渡された、水爆や原爆よりも恐ろしい力をもつ、あの大発明の武器なのです。
 その仕事を終わると、小林君は、そのまま明智探偵事務所へ帰ってきました。
 いっぽう、遠藤博士の家では、その同じ日に、こんなことが起こっていました。
 二十面相の電人Mから、遠藤博士に電話がかかってきたのです。
「きょう返事をするという約束だから、電話をかけたのです。決心はつきましたかね。」
 二十面相が、ていねいな口をききました。
「決心した。しかし、治郎とひきかえだよ。間違いないだろうね。」
「大丈夫です。ぼくは約束にそむいたことはありません。あなたが、秘密をうちあけて、お帰りになるときには、治郎君といっしょです。治郎君は元気ですよ。」
「それさえ、間違いなければ、わたしのほうは、あすの晩がいい。」
「何時です。」
「九時としよう。あすの土曜日の午後九時。場所は、きみにまかせる。」
「むろんですよ。場所をあなたのほうできめたら、警官隊が待ち伏せしているにきまってますからね。」
「だから、きみの好きなところへ行くよ。」
「では、八時半に、おたくへ、自動車をむかえにやりましょう。あなたのお知合いからということにして、その車には、ぼくの部下が乗っていて、あなたに目かくしをし、さるぐつわをはめます。乱暴はしませんから、それだけはお許しください。目かくしは、ぼくのすみかをわからせないためです。」
「わかった、わかった。」
 博士は、そういって、ニヤリと笑いました。二十面相のすみかなんて、ポケット小僧の働きで、こっちには、とっくにわかっているのにと思うと、おかしくてしかたがないのです。
 そうして、電話がきれました。遠藤博士は、むろん、二十面相の自動車に乗るつもりなんか、すこしもありません。土曜日と約束しましたが、その前の金曜日の晩に、あの銀色の玉が、ものをいうのです。そして、二十面相たちはつかまってしまうのです。
 さて、お話はとんで、その金曜日の夜の十時のできごとに、うつります。
 月世界の見世物の、プラネタリウムの大丸屋根の下で、空に輝く人工の星をながめながら、いつかの金曜日の夜と同じ、二十面相と部下たちの大会議が開かれていました。
 頭のいくつもある大入道のような、プラネタリウムの機械のそばに、怪人二十面相が、りっぱな服をきて、立っていました。暗いので、よく見えませんが、首や胸に金モールの飾りのついた、将軍のような服です。これが二十面相怪盗団長の制服なのです。
 部下は百人ちかくも、集まっています。この間の会議の倍の人数です。今夜は、とくべつに、全部の部下を集めたのでしょう。
 前の方のベンチには、黒シャツ、黒ふくめんの部下たち、そのうしろには、火星人に化けた、タコ入道みたいなやつが二十人ぐらい、そして、いちばんうしろがわのベンチには、電人Mの衣装をつけた部下が、やはり二十人ぐらい、ずうっとならんで、腰かけています。
 その異様なありさまを、プラネタリウムの星明りが、かすかに、照らしだしているのです。
「諸君!」
 二十面相が、金モールの飾りを、チカチカ、光らせながら、演説をはじめました。
「今夜は、大吉報(きっぽう)があるので、みんなに、残らず集まってもらった。大吉報とはなにか。諸君、遠藤博士の大発明が、いよいよ手にはいることになったのだ。われわれは、全世界を相手にしても、負けないような偉大な力を、持つことになるのだ。
 遠藤博士はとうとう、かぶとをぬいだ。あすの晩、あの大秘密を、おれに打ち明けてくれることになったのだ。諸君、喜んでくれたまえ。われわれは、もう、この世に恐れるものは、何もなくなったのだぞ。」
 それを聞くと、部下たちは、みな立ち上がりました。そして、ワーッというどよめきが起こり、バンザイの声が、プラネタリウムの丸屋根いっぱいに、ひびきわたりました。
 それから、部下のなかの、おもだったものが、つぎつぎと立って、お祝いのことばをのべるのでした。
 三人めの部下が、立ちあがって、わめくような声で、なにかしゃべっているときに、ふしぎなことが起こりました。
 その部下のことばが、とつぜん、へんになったのです。酒にでもよったように、ろれつがまわらなくなり、なにを言っているのか、まるで、わけがわからないのです。
「いがいろうで、ばらいえん。ぐるるるろん。いや、はなれそんなんで……。」
 そして、その声がだんだん、低くなり、ねごとみたいになり、からだ全体から、力がぬけてしまったように、くなくなと、そこへ、倒れてしまったのです。
 みんなが、びっくりして、かけよったでしょうか。いや、だれもかけよりません。そのときには二十面相をはじめ、全部の部下が、倒れてしまっていたからです。みんな、椅子からずり落ちて、思い思いの、へんなかっこうで、まるで死んだように、横たわっていました。
 べつに大きな音もしませんでしたが、あの銀の玉が爆発したのでしょう。そして、その力が、厚いコンクリートをつきぬけて、作用してきたのでしょう。
 広いプラネタリウムの部屋は、墓場のように、しずまりかえってしまいました。動くものは、何もありません。ただ、天井の人工の星だけが、キラキラひかっているばかりです。

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