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带电人M-不翼而飞

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:ふしぎ ふしぎ ふたりの警官がガレージのとびらに、手をかけてひきあけようとしましたが、びくとも動きません。中からかぎをか
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ふしぎ ふしぎ


 ふたりの警官がガレージのとびらに、手をかけてひきあけようとしましたが、びくとも動きません。中からかぎをかけたらしいのです。それを見ると、ふたりの警官が、門のベルを押して中にはいり、その家の人たちを連れてきました。五十ぐらいの主人と若い秘書が、電人Mのことを聞いてびっくりして、合いかぎをもって、とびだしてきたのです。六人の警官と小林君たち三人と、主人とがガレージの前に、(かき)をつくるように、立ちふさがっていると、秘書が合いかぎをかぎ穴にさしこんで、カチンとまわしました。
 サッと両方に開く鉄のとびら。ガレージの中はまっくらです。
 三人の警官が照らす三つの懐中電灯の光の中に、青いシボレーの車体が浮きだしました。
「おやっ、だれもいないぞっ。」
 自動車の中はからっぽでした。座席の下や、うしろのトランクも、調べましたが、どこにもかくれてはいません。ガレージの中は自動車でいっぱいになっていて、三方はコンクリートのかべ、床はコンクリートの上に鉄板がはりつめてあって、ぬけ道などは、まったくないのです。
「あっ、やっぱり3な……2458だ。電人Mが乗っていたのは、この自動車ですよ。」
 小林少年が、車の番号を見て、さけびました。
 警官たちは、かべや床を、たたきまわったり、自動車の下にもぐりこんだりして、できるだけ、調べましたが、どこにも怪しいところはありません。
「小林君、あいつはたしかに、ここにはいったのだろうね。まさか、きみがそんなみまちがいをするとは思えないが。」
 警官のひとりが、困ったような顔をして、言いました。警官たちは、小林君が明智探偵の有名な少年助手だということを、よく知っているのです。
「けっしてまちがいじゃありません。あいつと治郎君は、ちゃんと車に乗っていたのです。そして車がガレージにはいると、すぐ、とびらがしまりました。それから、ぼくたちは、一度も、とびらから目をはなさなかったのです。じつにふしぎです。あいつは、やっぱり、魔法使いなのでしょうか。」
 みんな、首をかしげたまま、考えこんでしまいました。ああ、これはいったい、どうしたわけなのでしょう。
 警官のひとりが、そこに立っている主人にたずねました。
「この車は、あなたのですか。」
「そうです。六〇年のシボレーです。番号も合っています。すると、電人Mというロボットが、いつのまにか、わたしの車を盗みだして、使っていたのでしょうか。」
「そうとしか考えられませんね。あいつは、自動車のかぎも、このとびらのかぎも、あなたから盗むか、同じかぎをつくらせて、もっていたのでしょう。なにか心あたりはありませんか。」
「あっ、そういえば、一週間ほど前、その二つのかぎが、なくなったことがあります。しかし、二日ほどすると、ひょっこり、机の引出しから出てきたので、置き忘れたのだろうと思っていましたが、あのとき、盗みだして、型をとったのかもしれません。」
 主人は、くやしそうに、言いました。この主人は、ある貿易商の重役で、桜井(さくらい)さんという人でした。
 それにしても、電人Mは、なんという怪物でしょう。人間わざではできないことを、いくどとなく、やってみせたのです。ふしぎにつぐふしぎです。
 いつかの晩は、遠藤博士のうちの階段をおりてきて、研究室にはいったかと思うと、そのまま消えてしまいました。
 木村助手の見ている前で、目にみえないやつが、研究室のかべに、大きなMの字を、書きました。
 また、今夜は、治郎少年が研究室に呼びこまれ、電人Mと争っている声がしていたのに、ドアをやぶってみると、部屋の中はからっぽでした。
 研究室の窓には、ぜんぶ鉄格子がはめてあります。天井にも、床にも、かべにも、ぜったいに、秘密の出入口などありません。その密室の中から、電人Mだけではなくて、治郎少年まで消えてしまったのです。
 そして、今はまた、このガレージのふしぎ。鉄板をはりつめた床、コンクリートのかべ、どこにも、逃げだす隙間はありません。その中にとじこもった三人が、忽然(こつぜん)として、消えうせてしまったのです。
 みなさん、いったい、このなぞを、どう解けばよいのでしょうか。それには、むろん、だれも気づかない、秘密があるのです。電人Mという怪物の知恵が、考えだしたトリックです。いつかは、その秘密が、わかるときがくるにちがいありません。
 この事件には、もうひとつの、もっと大きな秘密があります。それは遠藤博士がどんな発明をしたかということです。世界をおどろかす大発明、これを使うと、世界じゅうが滅びてしまうほどの大発明、それはいったいなんでしょう。原爆や水爆ではありません。それらは、とっくに発明されているからです。
 電人Mは、この遠藤博士の発明が、どういうものだか、ということを、うすうす知っているのです。それで、その秘密を自分のものにして世界をびっくりさせたいという野心(やしん)をいだいたのです。
 この悪者に、そんな大発明の秘密をにぎられたら、たいへんです。どんな恐ろしいことが起こるかわかりません。なんとしても、それは、(ふせ)がなければなりません。
 ところが、その悪者の電人Mが、遠藤博士の子どもの治郎君を、かどわかしてしまったのです。むろん、治郎君を人質(ひとじち)にして、博士の発明の秘密と、引きかえにしようというのでしょう。
 ああ、治郎君は、どこへつれていかれたのでしょうか。いまごろは、だれにも知られない、秘密の場所で、恐ろしい目に、あわされているのではないでしょうか。

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