日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 江户川乱步 » 带电人M » 正文

带电人M-秘密箱子

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:秘密の箱 明智は事務所を出る前に、警視庁に電話をかけ、親友の中村警部を呼びだして、なにか打ちあわせをしました。そして、遠
(单词翻译:双击或拖选)

秘密の箱


 明智は事務所を出る前に、警視庁に電話をかけ、親友の中村警部を呼びだして、なにか打ちあわせをしました。そして、遠藤博士にも、これから、おじゃますると電話をしてから、アケチ一号の自動車に乗って、博士邸へ急いだのです。
 博士は待ちうけていて、ふたりを応接室に通し、今までのことを、くわしく話して、名探偵の力を借りたいと、頼みました。
「それでは、これから、家の中を調べさせていただきましょう。ところで、助手の木村さんという方は、おいでになるでしょうね。」
「ええ、自分の部屋におります。その部屋は研究室のすぐ前にあるのです。」
「そうですか。では、あちらで、木村さんにもお会いしましょう。」
 そして、遠藤博士の案内で、明智と小林少年は、まず、研究室にはいって、すみずみまでも、くわしく調べ、はしごを持ってきて、天井までも調べたのです。
 それから、みんなは木村助手の部屋に、はいっていきました。
 木村助手は椅子から立ち上がって、びっくりしたような顔で、みんなを迎えました。博士は木村助手を明智探偵にひき合わせました。
「木村さん、きょうは、家じゅうを、全部調べるのです。いま研究室を調べたところです。ちょうど、すぐ前なので、こんどは、あなたの部屋を調べさせてもらいますよ。」
 明智探偵はそう言って、部屋の中を、あちこち歩きまわって、調べはじめました。
「このなぞを解くかぎは、四角な窓と、秘密の箱です。窓から、お化けがとびだす。箱からもお化けが出てくる。ぼくは、その窓と箱を捜しているのです。」
 明智探偵がみょうなことを言いました。
「窓ですって。研究室も、この部屋も、窓には、みんな鉄格子がはまっていますが……。」
 博士がふしぎそうに、聞きかえします。
「いや、その窓ではありません。もっと別の窓があるのです。いまに、わかりますよ。それから、秘密の箱です。ぼくは、それを、この部屋から捜しだしたいと思っているのです。箱根細工(はこねざいく)の秘密箱のようなものが、この部屋にあるにちがいないのです。」
 いよいよ、へんなことを言います。
「え、この部屋に? ここには、ベッドと机のほかには、なにもありません。戸棚がありますが、ごらんください、中には、がらくたばかりです。」
 木村助手が、その戸棚の戸を開いて見せました。
「いや、そんな、すぐにわかるような場所ではありません。箱根細工ですよ。その箱はとんでもないところに、かくしてあるのです。お見せしましょう。ここですよ。」
 明智探偵は、つかつかと、ベッドのそばへ、近よりました。そして、いきなりベッド・カバーをめくり、毛布をめくり、敷布団まで、はねのけてしまいました。
「あっ、なにをなさるのです。それはぼくの寝ているベッドです。なにもあやしいことはありません。」
 木村助手が、驚いて、明智の手を止めようとしました。
「ところが、このベッドに秘密があるのです。きみは知らなかったかもしれないが、これが、箱根細工の秘密箱ですよ。」
 明智探偵は布団をみんなはねのけてしまって、そこにあらわれた板のようなものをグッと持ち上げました。すると、その板が(ふた)になっていて、下に大きな箱のような空洞(くうどう)があることがわかりました。つまり、クッションの中に、大きな箱がつくりつけてあったのです。
 その長さ一メートル二十センチもある箱の中に、みょうなものがはいっていたのを、明智探偵がとりだして、みんなの前にひろげました。
「あっ、電人Mだっ!」
 小林少年が、さけびました。
 そうです。それは電人Mのぬけがらだったのです。セミのぬけがらのように、電人Mの外がわだけが、そこに丸めてあったのです。プラスチックの大きな顔、黒くてうすい鉄でできたロボットの着物のようなもの。やっぱりそうでした。これを人間が着て、ロボットに化けていたのです。それが木村助手のベッドの中から、あらわれたのは、いったい、どういう意味なのでしょうか。
 みんながあっけにとられていると、ちょうどそのとき、コツコツと、ドアにノックの音が聞こえました。
 ドアの近くに立っていた遠藤博士が、ドアを開きますと、外に三人の背広姿の人が立っていました。
「あ、中村君、いいところにきてくれた。いま、秘密をひとつ発見したところだよ。」
 明智探偵が、にこやかに、呼びかけました。
「おお、明智君、さっきの電話でやってきた。きみの指図のとおり、この家の表と裏に、三人ずつ見張りの刑事を立たせてある。ここにいるふたりも、ぼくの課の刑事だ。」
「うん、よくやってくれた。きみたちは、ここにいてくれたまえ。犯人はこの家の中にいるんだ。」
「えっ、この家の中に?」
「うん、いまにわかる。部屋にはいって、ドアのところに、がんばっていてくれたまえ。」
 明智探偵は、中村警部たちのために、電人Mのぬけがらを、発見したことを話したあとで、ベッドの箱の中においてある、もうひとつのものを、指さしました。
「これはテープ・レコーダーだ。コードが箱のすみからベッドの下に出ている。そして、床板の隙間をつたって、むこうの柱の横から、天井の空気穴まで、つづいている。コードが、柱とかべのすきまに、うまくかくしてあるから、ちょっと見たのではわからない。
 遠藤さん、さっきぼくが四角な窓といったのは、この天井の空気ぬきの穴ですよ。この部屋ばかりではありません。研究室やあなたの寝室にも、おなじ空気穴があります。そして、このテープ・レコーダーのコードは、その両方の部屋の空気穴の上まで、ひっぱってあるのです。少年探偵団のポケット小僧が、今朝、天井裏にしのびこんで、すっかり調べたのですよ。」
「あっ、そうだったのか。じゃ、わたしの寝室で聞こえた声も、研究室で電人Mと治郎が争っていた声も、このテープ・レコーダーから出ていたのですね。空気ぬきの穴の上に、スピーカーが仕掛てあるのですね。」
 博士が、すっかりわかったというように、うなずきながら、いうのでした。
「そうです。このテープ・レコーダーに電人Mの声も治郎君に似せた声も吹きこんであって、それを、都合のよいときに、回転させたのです。これで密室のなぞが解けました。電人Mと治郎君が争う声がしていたとき、研究室にはだれもいなかったのです。スピーカーの声だけが聞こえていたのです。」
「それじゃ、そのとき治郎は、どこにいたのでしょう?」
「秘密の箱の中ですよ。」
「えっ、それじゃあ、この……。」
「そうです。このベッドに仕掛た、秘密の箱の中に、入れられていたのです。おそらく、さるぐつわをはめられたうえでね。」
「そうでしたか。そして、さわぎが静まったあとで、外に連れ出し、あの自動車に、乗せたのですね。しかし、まだわからないことが、いろいろあります。最初の晩、電人Mが階段からおりてきたとき、あいつは、たしかに研究室の方へ来たのです。この廊下は行き止まりの一本道です。どこも逃げるところはありません。それでいて、あいつは、廊下をもどってこなかった。きえてしまったのです。」
 博士がいぶかしげに言いました。
「あのとき、電人Mが研究室の方へ行って、しばらくすると、この助手部屋から、木村君が出てきたということですね。あなたがピストルを持って、待ちかまえているところに、電人Mではなくて木村君があらわれたのですね。」
「そうですよ。すると……。」
 博士はびっくりしたような声をたてました。
 そのとき木村助手が、サッとドアの方へかけだしました。そして、待ちかまえていた中村警部たちに、抱き止められてしまったのです。
 みなさん、木村助手はなぜ逃げようとしたのでしょう。かれは犯人の仲間だったのでしょうか。それとも……。
「木村君には、後で話すことがある。しばらくそこに、待っていたまえ。ところで遠藤さんや中村君には、もうすこし説明しておきたいことがある。まだ、なぞが残っているからです。
 研究室のかべや、自動車のヘッド・ライトにMという字があらわれた秘密。これはもうおわかりでしょう。遠藤さんが研究室を出られたときに、中に残っていた木村君が呼びとめたのです。部屋にもどってみると、かべにMの字が大きくあらわれていました。ね、おわかりでしょう。あれを書いたのは木村君でした。黒のクレヨンで大急ぎで書きなぐったのです。
 自動車のヘッド・ライトのMの字は、遠藤さんが会の帰りに、お友だちを、そのうちまでお送りになった。そのとき、自動車がとまっている隙に、ガラスにあの字を書いたのです。友だちをお送りになることは、前もってわかっていたので、たぶん木村君が先まわりをして、待っていたのですね。夜のことですから、運転手にも気づかれないように、地面をはっていって、あれを書いたのでしょう。」

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG:
  • 上一篇:暂无
  • 下一篇:暂无