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带电人M-木村真相

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:木村助手の正体 明智探偵は、話をつづけます。「電人Mの秘密が、もう二つ残っています。その一つは、いつかの晩、電人Mがおた
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木村助手の正体


 明智探偵は、話をつづけます。
「電人Mの秘密が、もう二つ残っています。その一つは、いつかの晩、電人Mがおたくの階段をおりて、研究室の方へいったまま、消えてしまったことです。その廊下は行き止まりになっていて、研究室と、この木村君の部屋があるばかりですが、両方とも、窓には鉄格子がはまっているから、ぜったいに、逃げだすことはできません。それなのに、あの大きな図体の電人Mが煙のように消えてしまったのです。
 遠藤さんはピストルを持って、階段の下の廊下に、待ちかまえていました。すると、廊下の奥の方から、この木村君が出てきたのです。
 わかりますか。電人Mは研究室ではなくて、木村君の部屋にとびこんだのです。そして、電人Mの変装をぬいで、それをこのベッドの秘密の箱の中にかくし、いそいで廊下の遠藤さんの方へ、もどっていったのです。」
 それを聞くと、遠藤博士は、ふしぎそうな顔で、たずねました。
「あのとき、出てきたのはこの木村君でした。それじゃ、木村君が電人Mに化けていたのですか。」
「そうです。この男が電人Mなのです。こいつは、あなたの発明を盗もうとして、助手になって住みこんだのですが、あなたが、どうしても秘密をうちあけないので、治郎君をどこかにかくして、治郎君とひきかえに、あなたの発明の秘密を、手に入れようとしたのです。」
 博士はいよいよ、ふしぎそうな顔をして、
「しかし、おかしいですね。木村君は、いつかの晩、電人Mのために、神社の森の中に連れこまれて、おどかされたことがあるのです。木村君が電人Mだとすると、あの事件の説明ができないじゃありませんか。」
「その事件は、木村君が自分で話したのでしょう。あなたは見たわけではありません。だれも見たものはないのです。話だけなら、どんな作り話だってできますよ。」
「ふーん、そうだったのか。あの話はみんなうそだったのか。」
 博士は、感心したように、そこに立っている木村助手の顔を見つめました。
 木村助手はまだ二十五―六の青年です。それに、あまり利口そうでもありません。こんな青年が、あの恐ろしい電人Mだなんて、思いもおよばないことでした。
「木村君は貧乏ですよ。電人Mのあの金のかかる変装を、どうして作らせることができたのでしょう。」
「貧乏ではありません。こいつはたいへんな金持ですよ。」
「えっ、この木村君がですか。」
「そうです。見たところ、青年のような顔をしていますが、じつはもっと年とっているのです。この顔は、にせの顔です。」
 明智探偵が、わけのわからないことを言いました。そして木村助手をにらみつけながら、
「おい、木村君、ぼくは、きみが何者だか知っているんだ。もう正体をあらわしたらどうだ。」
と、はげしい声で、言いました。すると、いきなり、
「ワハハハハハ……。」
という、恐ろしい笑い声が、部屋じゅうに、ひびきわたりました。みんなが、びっくりして、その方を見ますと、きちがいのように笑っているのは、木村助手でした。
 かれは、笑いながら、かべの方を向いて、両手で、顔をいじくっていましたが、ひょいと、こちらを向いたのを見ると、みんなは、アッと驚きました。
 今までの木村助手が消えてしまって、まったく別の人間が、そこに立っていたからです。
「ワハハハハ……。明智君、しばらくだったなあ。きみは、相変わらずすごいうでまえだ。だが、おれは、まだ負けたんじゃないぞ。」
 その男は三十五―六に見えました。おとなしそうな木村助手とは、打って変わって、ものすごい顔をしています。
 遠藤博士は、まるで夢でも見ているような気がしました。ちょっと、かべの方を向いていたかと思うと、木村助手の顔が、恐ろしい悪人に変わってしまったのです。中村警部や刑事たちも、びっくりしていました。
「電人Mとは、きばつなものを、考えだしたね。え、二十面相君。」
 明智探偵は、ニコニコ笑っています。
 ああ、二十面相! 電人Mに化けた木村助手の正体は、あの恐ろしい二十面相だったのです。二十の顔を持つという変装の名人のことですから、二十五―六の青年から、三十五―六の男に、早変わりするのは、なんでもないことです。かべの方を向いているうちに、顔の化粧を、落としたのでしょう。
「やっぱりそうだったか。きさま、二十面相だなっ。もう、こんどは、逃がさんぞっ。」
 中村警部が、どなりつけました。
「中村君、きみともしばらくだったねえ。元気で、けっこうだ。いや、心配しなくてもいい。おとなしく、きみに連れられて行くよ。さあ、手錠をかけたまえ。しかし、おれは、まだ、負けたんじゃないぞ。おれの知恵には、奥底がないからなあ。ハハハハ……。」
「負け惜しみを言うな。こんどこそは、うんと、あぶらをしぼってやるぞ。」
 中村警部が、そう言って、目くばせしますと、刑事のひとりが、進み出て、二十面相の両手に、パチンと手錠をかけてしまいました。
「ハハハ……、これでもう、おれは逃げられない。安心したまえ。ところで、明智君、きみは、まだひとつ、説明しなかったことがあるね。ほら、あのガレージの秘密さ。きみは、あのなぞが、解けたのかね。」
 二十面相は、ふてぶてしく、たずねるのです。
「まだ調べていない。しかし、ガレージに行ってみれば、すぐわかるだろう。きみとの知恵くらべには、負けないつもりだよ。」
 明智探偵もニコニコして、やりかえしました。
「よろしい。それじゃ、おれもガレージに行こう。おれの目の前で、あの秘密を解いてみたまえ。」
 いよいよかってなことをいいます。
 それを聞くと、中村警部は顔をしかめました。
「それよりも、遠藤治郎君を助けださなければならない。治郎君はどこにいるんだ。」
「それは、あのガレージと関係がある。だから、おれをガレージに連れて行かなければ、治郎君を帰すことはできないよ。」
「それじゃあ、治郎君は、そのガレージのどこかに、かくしてあるのか。」
「それは、どうだかわからない。たぶん明智君が、よく知っているだろうよ。さあ、明智君、行ってみよう。」
 なんだか、へんなことになってしまいました。二十面相はガレージに行って、明智と知恵くらべをしようというのです。罪人(ざいにん)の言うままになるなんて、ためしのないことです。しかし、そうしなければ、治郎君のかくし場所を、教えないと言うのですから、しかたがありません。中村警部は、しぶしぶ、承知をしました。
 明智探偵は、まだそのガレージを見たこともありません。これから、そこへ行って、すぐに、秘密を見破ろうというのです。はたして、そんなことができるのでしょうか。

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