日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 江户川乱步 » 带电人M » 正文

带电人M-车库之谜

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:ガレージの秘密 もうとっくに、お昼を過ぎていましたので、みんなが、食事をしてから、四台の自動車をつらねて、練馬区の桜井さ
(单词翻译:双击或拖选)

ガレージの秘密


 もうとっくに、お昼を過ぎていましたので、みんなが、食事をしてから、四台の自動車をつらねて、練馬区の桜井さんのガレージに行くことになりました。二十面相にも、手錠をはずして食事をさせ、裏表の見張りに立っていた六人の刑事さんたちにも、弁当をだしたのです。
 いちばん先の車には、明智探偵と小林少年と遠藤博士、二ばんめには、刑事が三人、三ばんめには、中村警部とふたりの刑事にかこまれて二十面相が、四ばんめには、残りの刑事三人、という順序です。これだけ用心をしていれば、いくら二十面相でも、逃げることはできないはずです。
 やがて、桜井さんのガレージの前につきました。さびしい町です。そのへんは、いけがきにかこまれた、広い庭の家が多く、木が青々と茂って、シーンと静まりかえっています。人通りも、めったにありません。
 そこで、みんな車からおりて、八人の刑事は、手錠をはめた二十面相のまわりを、ぐるっと、とりかこみました。
 小林少年の案内で、明智探偵と、中村警部が、桜井さんの家にはいっていって、ガレージを調べさせてもらいたいと話しました。
 桜井さんは、ガレージの秘密が、わからないので、困っていたところですから、すぐに承知をしました。そして、自分も運転手をつれて、表にでてきました。
 運転手がガレージのとびらを開きますと、あの青い自動車が、ちゃんとおさまっていました。
 明智探偵はひとりで、ガレージの中にはいって、なにか調べていましたが、しばらくすると、ニコニコして出てきました。
「それじゃ、ひとつ実験をしてみましょう。きみ、この自動車を、外に出してくれませんか。そして、ぼくの自動車を入れてみることにします。」
 明智探偵のことばにしたがって、桜井さんの運転手が、青い車に乗って、それをガレージの外に出しました。
「みなさん、どんなことが起こるか、よく見ててください。」
 明智探偵はそう言って、小林少年とふたりで、アケチ一号の自動車に乗ると、静かにガレージの中に車を乗り入れました。
「ガレージの戸をしめてください。そして、中でクラクションを鳴らすまで、あけないように。」
 明智探偵がガレージの中の車の窓から、首を出して、どなりました。桜井さんの運転手が、とびらをぴったりしめました。
 さあ、なにが起こるのでしょう。みんなは、ガレージのとびらをみつめたまま、静まりかえっていました。
 十分もたったでしょうか。中からクラクションの音が聞こえました。運転手が大急ぎで、とびらを開きました。
 アケチ一号はもとのままです。
「みなさん、中にはいって、調べてください。」
 車の中から、小林少年がさけんでいます。
 中村警部、遠藤博士、桜井さんの三人が、中にはいっていきました。
「おやっ、明智君はどうしたのだ。」
 中村警部が、驚いて、たずねました。
「先生は消えてしまったんです。」
「ほんとうか。いったい、どうしたんだ。」
 それから、中村警部は車体の下や、シートの下や、うしろのトランクの中など、怪しいところは残らず調べましたが、明智探偵の姿は、どこにもありません。
 ガレージのかべや、床の鉄板をたたきまわってみましたが、どこにも、かくし戸はありません。
「ふしぎだなあ。小林君きみにはわかっているんだろう。早く、種明(たねあか)しをしたまえ。」
 中村警部が言いますと、小林少年は、
「それじゃあ、種明しをしますから、みなさん車に乗ってください。そして、外から、ガレージの戸をしめさせてください。」
と言いますので、警部と博士と桜井さんは、外から戸をしめさせておいて、車に乗りこみました。
 すると、小林君は、一度車からでて、ガレージのすみにうずくまって、なにか、やっていましたが、カチッと、音がしたかと思うと、どこからか、かすかに、モーターのうなりのような、ひびきが、聞こえてきました。
「おやっ、この車は、下へ沈んでいくじゃないか。」
 エレベーターがおりるように、自動車が下へさがって行くのです。床の鉄板も、いっしょに、さがって行くのです。
 グングンさがって行きます。ガレージの天井と自動車の間が、みるみる、へだたっていくのです。
 やがて、ガレージの下には、ガレージよりも広い、コンクリートの部屋があることがわかってきました。
 右手の方が、いちばん広くなっています。そこに明智探偵のニコニコした顔があらわれ、首から胸、腹から腰と、だんだん、全身が見えてきました。ガレージの天井には電灯がついているので、その光が、ここまでとどくのです。
「おお、明智君。ここにいたのか。それにしても、なんという大仕掛だ。ガレージの、床ぜんたいが、モーターで、あがったりさがったりするんだね。桜井さん、あなたは、この仕掛をごぞんじなかったのですか。」
 中村警部がたずねますと、桜井さんは、目をまんまるにして答えました。
「いや、知るもんですか。わたしは、この家を前の持ち主から、ガレージつきで買ったのですよ。こんな仕掛をしたのは、前の持ち主でしょうか。」
「前の持ち主というのが、じつは二十面相か、かれの部下だったかもしれませんよ。そして、なにくわぬ顔で、あなたに売りつけ、いざというときに、このガレージをかくれ場所にするつもりだったのでしょう。」
 明智探偵が言いました。
「で、治郎は……治郎はどこにいます。」
 遠藤博士が、待ちきれないで、車のドアを開きながら、あわただしくたずねました。
「ぼくも治郎君はここにかくされているのではないかと、疑ったのです。しかし、ここにはいません。ここは、からっぽです。ただ、このすみに、こんなものが置いてあったばかりです。」
 明智探偵の指さすところに、大きな丸いガラスのようなものが見えました。そのそばに、うすい鉄のよろいのようなものが、まるまっています。
「あっ、さっき木村のベッドの秘密箱の中にあったのと同じものだ。電人Mの変装衣装だなっ。」
 中村警部がさけびました。
「そうだよ。あいつは、方ぼうに、これを用意しておくのだ。いつでも使えるようにね。」
「それにしても、どうして、この鉄板の床をあげ下げするんだ。どっかに、スイッチでもあるのかね。」
「鉄板には鉄のびょうが打ってある。そのひとつが、スイッチがわりになっているのさ。たくさんのびょうの中から、そいつを捜すのに、ちょっと、骨がおれたがね。」
「ふうん、それで、さっき小林君が、すみっこにしゃがんで、なにかやっていたんだね。すると、きのう、電人Mのやつが治郎君をさらったときには……。」
「そうだよ。いちど自動車をさげて、治郎君といっしょに、この地下室にかくれ、からの自動車を上にあげて置いたのさ。いくら調べてもわからないので、みんなが帰ってしまう。それを見すまして、もう一度、床を下げたり、あげたりして、上にあがり、人通りのないときに、ガレージの戸を開けて、どっかへ逃げてしまったのさ。電人Mの姿では、人目につくので、変装衣装は、ここにぬぎすてていったというわけだよ。」
 これでガレージの秘密は、すっかりわかりましたので、みんなは、鉄板の床を上にあげて、ガレージの外に出ました。
 明智探偵は、八人の刑事にかこまれている二十面相に近づいて、声をかけました。
「二十面相君、どうだね、きみもそこから見ていてわかっただろう。ガレージの秘密は、すっかりばれてしまったよ。この勝負は、ぼくが勝ったようだね。」
「うん、さすがは明智先生だ。感心したよ。このガレージは、おれが、ずいぶん金をかけて、造っておいたものだ。それを桜井さんに買ってもらったが、ガレージの秘密までは、教えなかったというわけさ。」
「二十面相君のやりそうなことだ。きみは世間を驚かすためには、惜しげもなく金を使う男だからね。ところで、約束だよ。さあ、治郎君のいるところを、白状したまえ。」
 すると、二十面相が、みょうなことを言いました。
「きみは、それがわからないのかね。ほんとうにわからないのかね。」
「残念ながら、わからないよ。」
 そのとき、二十面相がニヤリと笑いました。いや、そればかりではありません。明智探偵の方でも、相手に見られないように、顔を横に向けて、ニヤリと笑ったのです。
 なんだか、へんです。これは一体、どういうわけなのでしょうか。
「さあ、治郎のありかを言ってください。ここにくれば、きっと言うと、約束したじゃないか。」
 遠藤博士が、頼むように、言いました。長い間自分の助手をつとめていた木村が、この恐ろしい怪人二十面相だったかと思うと、なんともいえない、へんな気持です。
 二十面相は、それには答えないで、だまって、空を見あげています。なにを考えているのでしょう。そうして、たっぷり五分間ほども、黙りこんでいました。
 だれも、ものを言うものはありません。大ぜいの人が、みんな、人形にでもなってしまったように、シーンと静まりかえって身動きもしないのです。
 そのふしぎな静けさをやぶったのは、明智探偵の声でした。
「二十面相君、なぜ黙っているんだ。なにを考えているんだ。」
「奥の手だよ。」
 二十面相が、ぽつんと答えました。
「えっ、奥の手?」
 明智探偵がびっくりしたように、聞きかえしました。
 さすがの名探偵も、そこまでは考えていなかったらしく、さっと、顔色が変わりました。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG:
  • 上一篇:暂无
  • 下一篇:暂无