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带电人M-变成神的电人M

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:神さまになった電人M やがて、ふたりは、ふしぎな機械の部屋に、運びこまれました。 うす暗い部屋ですが、いままでのような暗
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神さまになった電人M


 やがて、ふたりは、ふしぎな機械の部屋に、運びこまれました。
 うす暗い部屋ですが、いままでのような暗闇ではありませんから、あたりのようすが、よくわかります。
 大きな機械がならんで、ジーンと腹にしみこむような音をたてています。
 向こうにすえてあるのは、発電機でしょうか、それがジーンと、まわっているのです。茶色のせとものの塔のようながいし(電柱などについている電線をとめるせともの。碍子(がいし))の重なったものが、あちらこちらに立っています。
 そのがいしとがいしの間に、太い電線が、張りめぐらされ、ところどころで、パチッ、パチッと青い火花を散らしています。
 ガラス管が、あちこちに、とりつけられ、その管の中を、紫色(むらさきいろ)の火花が、まるでヘビのように、ぐねぐねよじれながら、走っています。
 部屋じゅうに電気がみちわたり、からだがしびれるような気がします。
 ポケット小僧は、その部屋に、はいるやいなや、パッと、とび起きて、すばやく、もの陰に身をかくしました。いろいろな機械が、いっぱい置いてあるので、かくれ場所は、どこにでもあるのです。
 動く床がとまったので、治郎君も立ち上がって、ふしぎな電気の部屋を、ぼんやり見まわしていました。
 そのとき、向こうのドアが開いて、あの恐ろしい電人Mが、姿をあらわしました。
「治郎君、こわがらなくてもいい。きみをどうしようというのではない。ただ、きみには、しばらく、ここにいてもらわなければならないから、退屈しないように、おもしろいものを見せてやるのだ。」
 電人Mは、歯車のきしるような声で、ゆっくりと、ものを言いました。
「これは、おれの発明した電気の部屋だ。電気の力で、どんなことでもできる。人間や動物を、電気でとかすこともできる。また、人間や動物を電気で生みだすこともできる。おれは動物をいくらでも、造りだすのだ。
 きみはさっき、おそろしくたくさんの火星人を見ただろう。あれは、みんなおれが造りだしたものだ。これまで、生き物を造るのは、神さまばかりだと言われていた。ところがどうだ、おれは、その生き物を造るんだよ。だから、おれは神さまなのだ。
 では、まず、人間をとかす方から見せてやろう。」
 電人Mはそう言って、なにか合図をすると、電人Mの部下らしい、ジャンパーをきた、ひとりの青年が、はいってきました。
「これから、おまえをとかすのだ。この治郎君に見せてやるのだよ。心配することはない。あとでまた、生きかえらせてやるからな。」
 部屋のすみに、大きな鉄の箱のようなものが、立ててありました。そのまんなかが、高さ二メートル、幅六十センチほどの、ガラス張りになっていて、中がよく見えるのです。
 部下の青年は、うしろの入口から、その中にはいって、ガラスの向こうに立ちました。箱の中に仕掛た、ぼんやりした光が、青年のからだ全体を、照らしています。
「さあ、よく見ているんだよ。」
 電人Mは、そう言って、かべにあるスイッチ盤の中の一つのスイッチをカチンといれました。
 すると、にわかに、部屋の中が、地震のようにゆれはじめ、ガラス管の中の紫色の火花は、血のような赤い色に変わり、あちらにも、こちらにも、恐ろしい火花が、空中をとびかうのでした。
 あるものは太い火の棒となって、あるものは、(ほうき)のように先が開いて、あるものは、ネジのように、グルグル回りながら、白く、青く、黄色く、パチッ、パチッ、パチッと、いなびかりのように火花を散らすのです。
 すると、おお、ごらんなさい。ガラスの向こうに立っていた青年のからだが、みるみるとけていくではありませんか。顔も、胸も、手も、足も、まるでロウがとけたように、形を失い、あっと思う間に、肉はすっかりとけさって、あとには、骸骨(がいこつ)だけが、残ったのです。ガラスの向こうに、骸骨がじっと立っているのです。
「アハハハ……、びっくりしているね。だが安心したまえ、おれは人殺しは大嫌いだ。あの男は、またもとのように、生かしてやるのだよ。」
 電人Mは、手早く、スイッチのいれかえをしました。
 すると、部屋じゅうの電気の火花の色が変わってきました。青はオレンジ色となり、赤はもも色となり、全部の色が変わって、めまぐるしく、火花を散らすのです。
 すると、また、ガラスの向こうに変化が起こり、見る間に骸骨に肉がつき、肉が固まって、たちまち、もとの青年に、もどってしまったではありませんか。やがて、青年は箱のうしろからでてきて、ニコニコしながら、ちょっと頭をさげると、そのまま、外へ出て行ってしまいました。
「さあ、こんどは、生み出す方だ。こっちの機械を見るんだよ。」
 電人Mはそう言って、部屋の別のすみへ、歩いて行きました。
 そこには、新聞社の輪転機(りんてんき)のような、歯車のいっぱいついた、大きな機械がすえつけてありました。
「これは、生き物の形をつくる機械だ。いまは火星人の型がとりつけてあるから、それを見せてあげよう。ここからは火星人の形のものが出てくるだけで、まだ生きてはいない。それに命を吹き込むのは、あちらの電気の力だ。さあ、動かすよ。よく見ているんだ。」
 電人Mは、またスイッチ(ばん)の前に立って、いくつかのスイッチを入れました。
 ガラガラと歯車の回る音、ガチャンと、なにかのぶっつかる音、部屋の中は、にわかに、さわがしくなってきました。
 機械の上に、大きな鉄のじょうごのようなものがついていて、そこに、別の鉄の箱から、黄色い粉のようなものが、ザーッと流れこむ。これが生き物製造の原料なのでしょう。
 その粉が、機械の中をくぐっていくうちに、だんだん、形ができ、最後に、下の方の口から、はきだされるときには、ちゃんと火星人の姿になっているのです。人間ぐらいの大きさの、あのタコのような怪物です。
 電人Mは、それを、両手で抱き上げて、治郎君に見せました。
「ほら、これはゴムのようなものでできた人形だよ。まだ生きちゃいない。いいかね。こんどは、電気の力で、こいつに、息を吹きこむのだ。」
 そこに、たくさんのかんおけのような、茶色の箱が、積んでありました。金属ではありません。なにか電気をとおさない絶縁体(ぜつえんたい)でできているようです。そして、両方の(はし)から、中へ電気を通じるようになっています。
 電人Mは、その箱を一つおろしてふたをあけ、火星人の人形を入れると、重そうに、それをかかえて、がいしの塔の間に横たわっている、鉄のレールのようなものの上に乗せて、箱の両端に、電線を接続しました。
 そして、またスイッチ盤です。カチッ、カチッ、カチッと、三つのスイッチが、いれられました。
 青や赤や黄色の火花が、いっそう、はげしいいきおいで、とびかっています。部屋の中で、ひっきりなしに、いなびかりが、はためいているのです。
 あちらでも、こちらでも、火花の間から、シューッ、シューッと、紫色の煙が、立ちのぼっています。
 ガラス管の中の、ヘビのように、曲がりくねった、長い火花は、赤から青に、青から紫にと、(にじ)のように、色を変えています。
 治郎君は、まぶしくて、目をあいていることもできません。思わず、両手を目にあてて、立ちすくんでいました。
 そして、五分もたったでしょうか。いきなり、耳のそばで、電人Mの声が、わめきました。
「さあ、見たまえ、命を吹きこんだぞ。いいか。ふたをあけるよ。」
 目をあいてみると、いつのまにか、火花はとばなくなっていました。電人Mがスイッチを切ったのでしょう。
 電人Mが、かんおけのような箱に近づいて、そのふたを、パッと開きました。
 すると、中から、大きなタコ入道が、ムクムクと、頭をもたげたではありませんか。さっきのゴムのようなものを、型にはめて造った火星人が、生きて動きだしたのです。
 火星人は六本の足で、箱のふちにつかまり、ニューッと立ち上がると、箱の外へ、はい出してきました。
 治郎君は、あまりの恐ろしさに、「あっ。」とさけんで、逃げ出そうとしました。すると、電人Mが治郎君の肩をグッと押さえるのです。
「ハハハハ……、なにもしやしないよ。こわがることはない。こらっ、あっちのすみに、行っていろ。」
 まるで、犬でも(しか)るように、火星人を部屋のすみに、追いやりました。火星人はおとなしく、言われるままに、すみにいって、うずくまっています。
 それからがたいへんでした。電人Mは、つぎつぎと火星人の型を造りだし、それを電気装置にかけて、命を吹きこみ、一時間ほどの間に、十人の生きた火星人を生みだしてしまいました。
 十人の火星人は、部屋のすみに、うじゃうじゃと、固まりあって、ギャー、ギャーと、きみのわるいなき声をたてています。
「どうだ、おもしろいだろう。おれは電人だ。どんなことだってできるのだ。この機械に犬の型をはめれば、なんびきだって犬を生むことができる。ウサギでも、サルでも、ヒツジでも、お好みしだいだ。人間だって、同じことだ。おれは人間をいくらでも造ることができる。おれの部下のうちには、こうして造ったやつも、たくさんいるんだよ。
 だが、きみのおとうさんの発明は恐ろしい。おれにもあれだけは盗めなかった。そこで、きみをかどわかして、人質にした。そして、こんなおもしろいものを、見せてやっているわけだよ。ハハハハ……。」
 電人Mは、さも愉快そうに、笑うのでした。
 ポケット小僧は、機械の陰にかくれて、さっきからのことを、すっかり、見たり、聞いたりしました。そして、ほんとうに、たまげてしまいました。二十面相は、これほどの魔力を持っていたのかと、つくづく恐ろしくなりました。
 しかし、いつまでも、この部屋にいては、危ないのです。もっと、二十面相のすみかの中を、調べなければなりません。
 ポケット小僧は、電人Mのはいってきたのとは、別の入口から、ソッと抜け出しました。

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