日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 江户川乱步 » 带电人M » 正文

带电人M-黑魔聚会

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:黒んぼ会議 また、うす暗い廊下です。二十面相は、そこを右に曲がり、左に曲がり、歩いて行きます。このへんは、コンクリートの
(单词翻译:双击或拖选)

黒んぼ会議


 また、うす暗い廊下です。二十面相は、そこを右に曲がり、左に曲がり、歩いて行きます。このへんは、コンクリートの床で、リノリウムの自動廊下ではありません。
 廊下は、狭いトンネルのようになり、そのつきあたりに、上にのぼるコンクリートの階段が見えてきました。
 二十面相は、それをのぼって行きます。ポケット小僧の小さな黒んぼのような姿も、そのすぐあとから、ついて行きます。
 階段をのぼりきると、コンクリートのかべで、ふさがれていましたが、二十面相は、どこかのボタンを押して、それを開きました。コンクリートの重いふたが、スーッと、上の方へ、開いていくのです。
 そこを出ると、空いっぱいに、星が輝いていました。
「おやっ、もう地下から、外に出たんだな。」
 ポケット小僧は、やれうれしやと思いました。外に出てしまえば、事務所へ帰るのは、わけはないからです。
 そこは、公園などにある野外音楽堂のようなところでした。星の光で、ぐるっと、まるくとりまいたベンチの列が、かすかに見えています。
 それらのベンチは、うしろの方ほど高くなっていて、ちょうど学校の理科実験室を、何倍にも広くしたようなかんじです。それらのベンチには、あちこちに、黒いお化けみたいなものが、腰かけていました。そのお化けは、みんなで五十人ぐらいのようでした。
 二十面相の電人Mは、ベンチでかこまれた、まんなかのあき地に置いてある椅子に、こしかけました。
 その椅子の横に、まっ黒な大入道のようなものが、ニューッと立っています。丸い顔が、いくつもある、でっかい化け物です。
 しばらくすると、ベンチのどこからか、
「みんな、そろいました。」
という声がきこえました。
 それを聞くと、まんなかの二十面相は、すっくと、椅子から立ちあがりました。黒い大入道と電人Mとが、不気味な姿を、ならべたのです。しかしその大きさは、まるでちがいます。顔のいくつもある大入道のほうは、電人Mの十倍もある巨人です。
「諸君!」
 電人Mが、恐ろしい声で、どなりました。どこかに、ラウド・スピーカーをつけているのかもしれません。
「これから、一週間にいちどの金曜日の会議を開く。いつも言っていることだが、ここにあらためて、われわれの団体の目的をのべる。
 われわれは世界の美術品を集めることを目的とする。買いいれるのではなく、盗みとるのだ。そして二十面相大美術館を造るのが、おれの一生の目的だ。
 金銭を盗むこともあるが、それが目的ではない。おれと諸君の暮らしをたてるためだ。諸君には十分の金をあたえている。諸君はひとりひとりが、相当の金持だ。
 われわれは、どんなことがあっても、人を殺さない。人を傷つけない。おれは血をみることが、大嫌いだ。このおきては、堅く守ってもらいたい。
 いまおれは、遠藤博士の大発明を、おれのものにしようと考えている。そのためには、博士の助手に住みこんだりして、ずいぶん、骨をおったが、どうしても秘密がわからない。そこで、やむをえず、博士の子どもの治郎君をかどわかして、われわれのすみかにかくした。大切にあつかうつもりだ。ただ、博士が秘密を打ち明けるまでは、ぜったいに返さないというだけだ。
 遠藤博士の発明は、やがて、おれのものになる。そうなれば、おれは天下無敵だ。世界を敵に回しても、こわくないぞ。おれの知恵と、おれの二十のちがった顔と、博士の恐ろしい発明と、これだけそろえば、おれは、思う存分のことができる。だから諸君はこのうえとも、治郎君を逃がさないように、よく注意するのだ。あの子が、大発明を手に入れるかぎだからな。
 おれはいまは二十面相ではなくて、電人Mだ。おれがどんなに大仕掛な地下の電気の国を造ったかは、諸君がよく知っている。諸君が、それぞれの持ち場を、ひきうけてくれたおかげだ。
 ああ、電気の国! おれたちは、地球だけではない。宇宙を相手にしているのだ。宇宙人を造りだしているのだ。その秘密も、諸君はよく知っている。
 これで、おれの話は終わる。諸君のうちに、なにか意見があったら、遠慮なく、ここで言ってもらいたい。」
「異議なし!」「異議なし!」
 ベンチの方ぼうから、声が起こりました。
 ベンチにかけていた黒いお化けはみんな人間だったのです。二十面相の部下だったのです。黒シャツに黒ふくめんをつけて、目のところだけをくりぬいたありさまは、ポケット小僧と、そっくりです。
 かれらは、そのとき、そろって立ちあがりました。
「電人Mばんざーい。」
「電気の国ばんざーい。」
 みんなの声が、星空の下にとどろきわたりました。
 ポケット小僧は、ますます驚きました。二十面相の電人Mは五十人の部下をもっているのです。そして、毎日、毎日、日本じゅうの美術品を、いや、世界の美術品を、集めているのです。
 遠藤博士の発明を盗むのも、電人Mに化けたのも、みんなその目的を達するためらしいのです。なんという大がかりな盗賊団でしょう。
「だが、こっちには明智先生がいる。小林団長がいる。なあに、いまに、あっといわせてやるぞ。」
 ポケット小僧は、明智事務所に帰るために、みんなのそばから、離れていきました。
 しかし、このひろっぱの回りには、高いコンクリートの塀が、めぐらされていて、どこにも出口のないことがわかりました。これは、どこかの屋敷の中でしょうか。それとも……? ああ、ここは一体、どこなのでしょう。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG:
  • 上一篇:暂无
  • 下一篇:暂无