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怪指纹:轧死者的头

时间: 2021-08-15    进入日语论坛
核心提示:轢死者(れきししゃ)の首 闇の中に佇んで暫らく待っていると、やっと目の前の壁が開いて、小池助手がフラフラと逃げ出して来た。
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轢死者(れきししゃ)の首


 闇の中に佇んで暫らく待っていると、やっと目の前の壁が開いて、小池助手がフラフラと逃げ出して来た。
「驚きました。実にいやな気持ですね。僕は半分は目をつむってましたよ。そうでないと、今にも気が変になるような気がして」
「なる程。これじゃ、みんなが逃げて帰る筈だ。進めば進む程、物凄くなるんだからね」
 二人はボソボソと囁き交しながら、またしても壁伝いに闇の中を歩きだした。真の闇というものは、人の声を低くするものである。そこに漂う何かしら隠微(いんび)な魂が高話(たかばなし)を抑えつけて、囁き声にしてしまうものである。
「どうです? 少し驚いたでしょう。だが、これはまだホンの序の口ですよ。本当に怖いのはこれからです。引返した方がおためですぜ。気絶なんかされちゃ困りますからね」
 闇の中から低い嗄れ声が響いて来た。恐らくは骸骨の場合と同じように、どこかにラウドスピーカーがあって、誰かが遠くから喋っているのであろうが、闇の中だけに、つい鼻の先に真黒な奴が(うずく)まってでもいるような気がして、二人は思わず立止った。
「ハハハハハハ、ひどくおどかすねえ。それに、帰れ帰れっていうのは、すこし卑怯(ひきょう)じゃないか
「そうですね。人を喰ったものですね」
 大多数の見物は、この辺でとどめを刺されて、愈々引返(ひっかえ)す気になるのであろうが、博士達は引返さなかった。鏡の部屋の経験で、これが世の常の化物屋敷でないことが分ったけれど、この二人は、不気味であればある程、却って好奇心をおこす側の人々であった。それに、肝腎(かんじん)の死体捜索という大目的があるのだから、場内を一巡しないでは意味をなさぬ訳だ。並々の見世物でなくて、大人の二人にも、かなりのスリルを感じさせるのは、謂わば予期しなかった(もう)けものであった。
 手探り足探りで歩く程に、やがて徐々にあたりがほの明るくなって来た。
「また竹藪があるようだね」
 如何にも、黒布のトンネルのような通路を出ると、またしても鬱蒼(うっそう)たる竹藪の細道であった。そこをガサガサ云わせながら辿って行く内に、ヒョイと右側を見ると、その竹藪に切れ目があって、幅一(けん)奥行二間ほどの、藪に囲まれた空地があった。その部分だけ薄青い電燈がついているので、ハッキリ見えるのだが、空地の真中に大きな十字架が建っていて、そこに一人の女が大の字にしばりつけられている。青い獄衣のようなものを着て、その胸の部分だけが、前に括り合わされ、両腋(りょうわき)から乳の辺まで、肌が現われている
磔刑(はりつけ)人形ですね」
 その十字架の両側には、チョン(まげ)に結った二人の男が、繩の(たすき)をかけて、長い(やり)を左右から女の両腋につきつけている。そして、その鋒鋩(ほさき)が女の両の乳の下を、(えぐ)っている。それはここに細叙(さいじょ)することを(はばか)るほどの、見るものはたちまち吐き気を催すほどの、無残な有様であった。
 女の美しい顔は、濃い藍色(あいいろ)であった。恨めしげに見開いた目は真赤であった。唇はドス黒く見えた。眉をしかめ、目を狐のように逆立て、口を大きく開いて、わめいている形相の物凄さ。
 しかも、ここにも異様なからくり仕掛けがあった。二人の男の手が動いて、鎗の鋒鋩がグイグイとそこを抉った。すると、アア、何ということだ。磔刑女は、ゾーッと歯ぎしりが出るような、聞くも無残な声で叫ぶのである。一度聞いたら、一月も二月も耳に残るような恐ろしい声で、わめくのである。マイクロフォンとラウドスピーカーを、何と巧みに使いこなしていることだろう。
 お(ばけ)や幽霊を怖がらなかった二人も、流石にこの生人形には胸が悪くなった。お互の顔色が青くなっていることを認め合った。
「先生、早く通りましょう。これでは見物が逃げ戻る筈ですよ。なんてひどい見世物でしょう」
「管轄の警察の手落ちだね。こんなものを許すなんて。多分いつものお化け大会だぐらいに思って、よく調べなかったのじゃないかな」
 それからの長い竹藪の細道には、或は右に或は左に、大小様々の空地があって、そこにありとあらゆる無残なもの、血腥(ちなまぐさ)いもの、一口で云えば、解剖学教室の最も怖ろしい光景に類する恐怖が、次から次へと、ほの暗い照明の中に、毒々しい生人形の塗料を光らせて、真に迫って、並んでいたのである。或ものは断末魔のうめきを立て、十本の指に空を掴み、あるものは知死期(ちしき)痙攣(けいれん)に震え、あの死の恐怖、大手術の恐怖を、まざまざと見物の目の底に焼きつけようとしていたのである。
 その光景の(ことごと)くを描写する事は、読者の為めに避けなければならない。それらの内の、最も手軽な一例を記すだけでも、恐らく十分すぎるであろう。
 そこにはやや広い空地があって、背景は暗く繁った森林、左手にトンネルが魔物のような真黒な口を開き、その中から二本の鉄路が流れ出している。レールの土台を除いて、一面の草原(くさはら)、今汽車が通過したばかりという心持である。
 その線路と草原とのあちこちに、今轢断(れきだん)されたばかりの若い女の死体が、転がっている。無論それらは一つに連続した死体ではない。六つ程に分れて転がっている死体だ。
 レールも、青い草も血に染まっている。夫々(それぞれ)の切口の恐ろしさ。何かしら白いものを中心にした真赤な輪であった。
 切り離された首だけが、見物に最も近い草の上に、チョコンと、切口を土につけて立っていた。藍色に青ざめているけれど、美しい顔だ。
 桐の木に彫刻をして、胡粉(ごふん)を塗り、塗料を塗り、毛髪は一本一本植えつけ、歯は本当の琺瑯(ほうろう)義歯を入れるという、この生人形というものは、いつの世、何人(なんびと)が発明したのであろう。顔の小皺(こじわ)の一本まで、生けるが如き生々しさ。生人形とはよくも名づけたものである。
 轢死者の首は、美しい眉をしかめ、口を苦悶にゆがめて、じっと目を閉じていた。アア、何という生々しさ。今汽車が通過したばかり、そして、レールからコロコロと転がって来て、そこへ据わったばかりという心持を、どんな名画も及ばぬ巧みさで描き出していた。まだ反動が(しず)まらないで、生首はユラユラと揺れているかとさえ疑われた。
「先生、先生」
 小池助手が青ざめた顔で、乾いた唇で、強く囁きながら、博士の腕を捉えた。
「先生、僕の目がどうかしているんでしょうか。よくこの首を見て下さい。こんな人形ってあるでしょうか。若しや……」
 あとは口に出すのも恐ろしいように、云い渋った。
「妙子さんではないかというのだろう。僕もそれに注意しているんだが、少しも似ていないよ。生顔(いきがお)死顔(しにがお)とは相好(そうごう)変るものだと云っても、こんなに違う筈はないよ」
「そういえば、そうですね。しかし、僕はなんだか、本当の人間の首のような気がして……」
 小池助手がそこまで囁いた時であった。まるで、その言葉を裏書(うらがき)でもするように、生人形の首が、パッチリと目を見開いたのである。涼しい黒目(がち)の目だ。その黒目が右に左にキョロキョロと動いた。
 二人はギョッとして、一歩あとにさがった。例のからくり仕掛にしては、少し出来すぎている。
 呆然と立ちすくんでいる二人の前で、生首の口辺の皺がムクムクと動いて、やがて、紫色の唇が開き、白い歯がニッと現われた。そして、笑ったのである。草原の上の生首が声を立てないでニヤニヤ笑ったのである。一瞬間、流石の法医学者も、勇敢なその助手も、動悸の早まるのをどうすることも出来なかった。顔は二人とも紙のように青ざめていた。
 しかし、やがて、宗像博士は笑い出した。
「これは君、生きた人間だよ。若い女が土の中へ全身を埋めて、首だけ出しているんだよ」
 無論その外に考え方はなかった。恐らくそこに木の箱でも埋めて、身体が冷えぬような設備をして、そんな真似(まね)をしているのであろうが、それにしても、何という突飛な、人騒がせな思いつきをしたものだ。薄暗い草原の中で、人形とばかり思い込んでいた轢死女の首だけが、ニヤニヤ笑うのを見たら、大抵の見物(けんぶつ)は腰を抜かしてしまうであろう。
「なる程考えたものだねえ。これ一つでも入場料だけの値打はありそうだぜ」
「僕はこんな気味の悪い見世物は始めてですよ。この興行主はよっぽど変り者に違いありませんね」
 まだ青ざめた顔で、乾いた唇で、そんなことを話しながら、轢死の場面を立去ろうと、二三歩あるいた時である。小池助手は何かしら、うしろに異様な物の気配を感じて、ハッと振向いた。
 すると、線路の上に転がっていた、血みどろの腕が、まるで爬虫類ででもあるように、スーッと草原の上を這って、こちらへ近づいて来るのが見えた。しかも、恐ろしいことには、それが見る見る柵を越して、通路の方まで這い出して来たのである。
「ワアッ!」
 小池助手は思わず声を上げて、博士の肩にしがみついた。からくり仕掛けと分っていても、青白い腕ばかりが、暗い地面を這い出して来るなんて、どんな大人にも気味のよいものではない。
 すると、又してもいつもの嗄れ声が、どこからともなく響いて来た。
「お客さん、これが二枚目の紙札ですよ。これを持って出ないと賞金はとれませんよ。だが、用心して下さい。死びとの腕はお客さんに()みつくかも知れませんぞ」
 又しても、陰気な脅し文句だ。見れば、死人(しびと)の指には、一束の小さな紙札が握られている。
「なるほど、なるほど。よく考えたものだねえ。しかし、これを受け取れば、我々は完全に関所を通過したことになる訳だね」
 博士はそんなことを呟きながら、腰をかがめて、人形の腕を掴むと、その指から二枚の紙札を抜き取った。
「なる程、大きな判が()してあるね」
 博士は立上って、感心したように紙札を眺めていたが、さい前のと同じように、二枚とも自分のポケットに納めた。
 それからまた、幾つもの思い切って無残な場面を通りすぎて、さしもに長い竹藪も終りに近いところまで辿りついた。
「先生、とうとうおしまいのようですね。しかし、どこにも本物の死体なんて、なかったじゃありませんか」
 小池助手は失望の面持である。あれだけ夥しい死びと人形の中に、一つも本物が混っていないなんて、却って不自然なような気さえした。
「だが、まだここに、何だか物々しい場面があるぜ。ここだけひどく薄暗いじゃないか」
 博士はそこの柵の前に立って、じっと奥の方を見つめていた。
 そこには、竹藪に囲まれ雑草の生い茂った空地に、一軒の荒屋(あばらや)が建っていた。六畳一間きりの屋内は、戸も障子もなくて見通しである。その部屋一杯に、色褪せた萠黄(もえぎ)古蚊帳(ふるかや)が吊ってある。光と云っては、その蚊帳の上に下っている青いカヴァーをかけた五燭の電燈ばかり。蚊帳の中は殆んど見すかせぬ程の暗さである。
「なんだろう。蚊帳の中に何かいるようじゃないか」
「いますよ。よく見えないけれど、何だか裸体(はだか)の女のようですぜ。アア、真裸体(まっぱだか)です。それでこんなに暗くしてあるんですよ」
「なにをしているんだろう」
「殺されているんですよ。顎から胸にかけて、黒いものが一杯流れています。血です。裸体(はだか)()がれて、惨殺された女ですよ」
「五体は揃っているようだね」
「エエ、そうのようです」
「髪は断髪じゃないかい」
「断髪ですよ」
「肉づきのいい、若い女だね」
 話している内に、少しずつ目が慣れて、蚊帳の中の女の姿が浮上って来た。
「調べて見ましょうか」
「ウン、調べて見よう」
 二人は意味ありげな目を見交した。何かツーンと(しび)れるような感じが、小池助手の背筋を這い上った。
 二人は柵を越えて、無言のまま中に入り、膝を没する雑草を踏み分けて、荒屋の上に上って行った。そして、先ず博士が古蚊帳の裾に手をかけると、それをソッとまくり上げた。

  站在黑暗中等了片刻,眼前的墙壁好容易开开,小池助手踉踉跄跄逃了出来。
 
    “吓了一跳,真不是滋味儿!我半闭着眼睛,要不就觉得马上要发疯了似的……”
 
    “可不是。这样的话,大家当然都会逃回去阳,因为越往前进越可怕嘛!”
 
    两人一面叽叽咕咕地说着话,一面又沿着墙壁在黑暗中走了起来。
 
    “怎么样?有点吃惊吧?可这还只是刚刚开始,真正可怕的还在后面呢!还是返回去的好呀,要是被吓昏过去了可不行啊!”
 
    从黑暗中传来了低沉嘶哑的声音。大概是同刚才尸骨的地方一样,哪里装着扬声器,有人从远处说话吧,但因为是在黑暗中,所以觉得仿佛有个漆黑的家伙蹲坐在鼻尖前似的,两人不由得停了下来。
 
    “哈哈哈哈哈哈,好吓唬人啊!而且在一个劲地叫大家回去,不是有点卑鄙吗产’
 
    “是啊,真耍弄人!”
 
    大概大多数游人在这儿挨了一击,越发想往回走了,但博士他们没有返回去。虽然镜子房的体验使他们知道这不是普通的凶宅,但这两人是属于越可怕反而越有好奇心的人,况且还有搜索尸体这个重要目的,所以要是不在场内转一圈就没有意义了。这不是普通的杂耍,使这两个老实人都感到毛骨悚然,可以说这是意想不到的收获。
 
    摸索着没走多远,周围渐渐微微发亮起来。
 
    “好像又有竹丛了。”
 
    果然,一走出黑布隧道一样的通道后,又是一条茂密的竹丛小道。两人沙沙地碰响着竹丛向前走去。忽然往右侧一看,竹丛间有处缝隙,那里有一块宽两米、进深四米左右的空地。只是那地方点着淡蓝色的电灯,所以看得很清楚。空地的正中央立着一个大十字架,一个女子大字形地被绑在上面。穿着蓝色囚衣一般的衣服,只是她的胸脯部分被捆绑着,从两腋到Rx房露着皮肤。
 
    “是个康刑偶人吧?”
 
    那十字架的两侧有两个梳发会的男人斜挂着布带子,从左右将长矛刺向女子的两胶。
 
    女子那张漂亮的脸是蓝色的,满脸怨气的瞪着的眼睛通红通红,嘴唇显得乌黑乌黑的。那副脸相十分可怕,皱着眉头,像狐狸一样倒竖着眼睛,张大着嘴在大声叫嚷。
 
    “先生,快走过去吧。要是这样,游人当然会逃回来暧。多残酷的杂耍儿啊!”
 
    从那以后的长长的竹林小道上,或左或右地有着大小各式各样的空地,那里一个接一个地排列着所有惨不忍睹的东西、血腥的东西——一句话,类似解剖学教室的最可怕的情景,徐在这些活生生的偶人身上的浓艳刺目的颜料在幽暗的照明下发着光,显得十分逼真。
 
    我想避开-一描写这些荒诞而又血腥的光景,即使只举出其中最简单的一例恐怕也就足够了。
 
    那里有一块稍大的空地,背景是黑黑的茂密的树林,左侧隧道张着妖魔一般的漆黑的嘴,从里面延伸出两条铁路,除了路基以外,其余是一片草地,仿佛有火车刚刚通过似的。
 
    那线路和草地之间散布着刚刚轧断的一名年轻女子的尸体,只是她被分开的头孤零零地脸面朝他立在离游人最近的草地上。虽然苍白,却是一张漂亮的脸。
 
 
 
 
    这个雕刻在梧桐上,涂上白胡粉①,抹上涂料,植上一根根毛发,镶上一颗颗真珐琅假牙的活生生的偶人,是哪个朝代哪个人发明的呢?连脸上一条条皱纹都栩栩如生。
 
    轧死者的头皱着美丽的眉头,痛苦地歪扭着嘴巴,亲闭着双眼。啊!多么逼真啊!它以任何名画都比不上的技巧描绘出火车刚刚通过,而且刚刚从路轨上滚过来立在这儿的感觉,甚至使人怀疑反作用还没有停息,这血淋淋的头还在摇晃。
 
    “先生,先生,”脸色苍白、嘴唇干燥的小池助手一边低声说着一边抓住博士的胳膊,“先生,大概是我的眼睛不正常了吧,您好好看看这头,有这种偶人吗?!莫非是……”
 
    小池助手吞吞吐吐地不往下说了,好像后面的话连说出口都觉得可怕。
 
    “你是说莫非是妙子,对吗?我也注意着它,可是一点儿也不像呀。虽说话着时的面容和死了时的遗容相貌不一样,但不会这么不同的呀。”
 
    “可也是呀。但我总觉得这是真人头……”
 
    就在小池助手嚼咕到这儿时,仿佛是证实他的话,那偶人的头突然睁大了眼睛。一双亮晶晶的眼珠又大又黑的眼睛。那黑眼珠左右滴溜溜地转动着。两人倒抽一口冷气,往后退了一步。那个自动装置也太巧妙了。
 
    在呆立着的两人面前,血淋淋的嘴角上的皱纹咕喀咕略地动了起来,不久张开了紫色的嘴唇,忽地露出了洁白的牙齿,而且又不出声地笑了一下。一瞬间,连法医博士和他的勇敢的助手都无法控制心跳加速。两人的脸都像纸一样苍白。
 
    但不一会儿,宗像博士就笑了起来。
 
    “这个呀,是活人呀。年轻的女子把全身埋在土里,只把头露了出来。”
 
    当然此外就无法考虑了。恐怕那儿埋着书箱什么的,装有一种不使全身变冷的设备吧,可即使这样,这主意多么离奇古怪、让人虚惊啊!若是在昏暗的草地上看到时,还以为是偶人的轧死女人的头在味嗑地笑,一般的游人都会直不起腰来吧。
 
    “居然想出这种主意!光是一个好像就值得付入场费吵!”
 
    “这样令人可怕的杂耍儿我还是第一次看到哩!这举办者准是个怪物。”
 
    依然脸色苍白、嘴唇干燥的小池助手一面这样说一面往前走了两三步;想离开这轧死人的场面,就在这时,他感到身后好像有样异样的东西,吃惊地回过头去。
 
    于是,只见滚在线路上的沾满鲜血的胳膊宛如爬虫类飞快地在草地上向这边爬来,而且可怕的是,它眼看着越过栅栏爬到了通道这边。
 
    “啊!”
 
    小池助手情不自禁地提高了声音,紧紧搂住了博士的肩。虽然知道这是自动装置,但光是一条青白色的胳膊在黑暗的地面上爬来,哪个大人看了也都会害怕的。
 
    于是,又不知从哪里传来了那个嘶哑的声音:
 
    “游客们,这是第二张纸片,要是不拿着它出去,是得不到赏金的,但请你小心,也许死人的胳膊会咬住你!”
 
    又是阴森的吓唬人的词句。一看,死人手里握着一叠小纸片。
 
    “居然想出这种主意!可领了这个,我们就完全通过关口了D巴?”
 
    博士边说边弯下腰抓住了偶人的胳膊,从它手指里抽出了两张纸片。
 
    “可不是,按着大印呢!”
 
    博士站起身来,钦佩似地望了一会儿,跟刚才的一样,他把两张都放进了自己的口袋。
 
    然后又毅然决然地通过了几个凄惨的场面,走到了接近终了的地方。
 
    “先生,好像终于快结束了,可是,不是哪儿都没有发现什么真正的尸体吗?”
 
    小池助手露出失望的神情说道。他甚至觉得那么多的死人偶人中没有混着一个真个的,这反而有点不自然。
 
    “可是,这里总觉得还有森严的场面哩!不是独独这里很昏暗吗?”
 
    博士站在栅栏前,目不转睛地望着里面。
 
    那儿在竹丛围着的杂草茂密的空地上建着一所破屋子。六张铺席大小仅有一间的屋内既没有门也没有拉窗,可以一眼望尽。整个屋子里吊着一顶褪了色的葱绿色旧纹帐。要说光,只是一盏挂在蚊帐上面罩着蓝色灯罩的暗淡的电灯。蚊帐里面就几乎看不清了。
 
    “怎么,蚊帐里不好像有什么东西吗?”
 
    “有呀。看不太清楚,不过总觉得像是个裸体女人呀!啊,全身一丝不挂,所以把光线弄得这么暗淡。”
 
    “在干什么呀?”
 
    “是被人杀了。从下巴到胸脯淌满了黑黑的东西。是血。是个被剥得精光、惨遭杀害的女子呀。”
 
    “五体好像是齐全的吧?”
 
    “提的,好像是的。”
 
    “头发不是短发吗?”
 
    “是短发。”
 
    “是个身体丰满的年轻女子呀。”
 
    说着说着眼睛渐渐习惯起来,蚊帐中女子的身于浮现出来。
 
    “要查一下吗?”
 
    “‘嗯,查一下。
 
    两人会意地互相看了一眼。一种刷地麻木般的感觉沿着小池助手的脊梁爬了上来。
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