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怪指纹:明智小五郎

时间: 2021-08-15    进入日语论坛
核心提示:明智小五郎 神社の森の中で、宗像博士と北園竜子との不思議な問答が行われている頃、警視庁の中村捜査係長は、麻布区龍土町にあ
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明智小五郎


 神社の森の中で、宗像博士と北園竜子との不思議な問答が行われている頃、警視庁の中村捜査係長は、麻布区龍土町にある、私立探偵明智小五郎の事務所を訪ねていた。
 明智小五郎は、年こそ若かったけれど、私立探偵としては、宗像博士の先輩であり、随ってその手腕も、博士をしのぐものがあった。現に川手庄太郎氏も、この物語の初めにも記した通り、この事件をまず明智探偵に依頼しようとしたが、丁度旅行中で、いつ帰京するとも判らなかったので、それではと新進の宗像博士を選んだのであった。
 明智は三重渦巻指紋の事件が起る少し前、政府からある国事犯捜査の依頼を受けて、朝鮮に出張し、京城を中心として半島の各地を飛び廻っていた。そして、首尾よくその目的を果し、今日帰京したばかりのところであった。
 中村捜査係長は、明智から帰京の通知を受けると、何はおいても、今度の奇怪な殺人事件について、彼の意見を聞いて見たいと思った。係長は明智とは宗像博士よりもずっと早くからの知合で、ごくうちとけた交りを結んでいた。
 予め電話があったので、明智は事務所の応接室に、久し振りの友達を待ち受けていた。
「あちらの仕事は大変うまく行ったそうだね。お目出度う」
 中村警部は明智の顔を見ると、先ずその喜びを述べるのであった。
「有難う。つい今し方まで陸軍関係の晩餐会(ばんさんかい)に呼ばれていたんだが、恐ろしく歓待してくれてね、なんだか英雄にでもなったような気持がしているんだよ。しかしああいう種類の仕事は、随分敏捷に立廻らなければならないし、冒険味もたっぷりなんだが、実を云うと、僕なんかには、例えば今君がやっている、三重渦巻指紋の事件などの方が、ずっと魅力があるね」
 明智は大仕事を済ませたばかりの、のびやかな気持から、いつもよりは多弁であった。
「君はあの事件を注意していたのかい」
「ウン、京城の新聞の簡単な記事で初めて見たんだが、それでも僕はすっかり惹きつけられてしまったよ。何とも云えない一種の匂いがあるんだ。僕の鼻は猟犬のように鋭敏だからね。ハハハ……、だから帰る途中大阪(おおさか)で、事件の最初からの新聞をすっかり揃えて貰って、汽車の中で読み耽って来たのさ」
「ハハ……、君らしいね。だが、そいつは都合がいい。実は今夜こんなに遅くやって来たのも、あれについて君の意見が聞きたかったからだよ。明日まで待っていられなかった程、僕は弱っているんだ。何だか壁のようなものにぶッつかってしまってね。白状すると全く途方に暮れているんだ。あんなに新聞が騒ぐものだから、世間がうるさくってね。僕がまあこの事件の担当者みたいになっているので、やり切れないのだよ。
 で、君はあの事件の大体の輪郭は分っている訳だね」
「ウン、新聞に出ただけは分っている。だが、君の口から詳しい話が聞きたいもんだね」
「無論話すがね。それよりも、ここにいいものがあるんだ。僕個人の捜査日記だよ。君に読んで貰おうと思って持って来たのだ。口で云うよりも、これを一読してくれれば、一切がよく分ると思う」
 警部はポケットから大型の手帳を取出して、そのある頁を開き、明智に手渡した。
 明智はそれを受取ると、早速読み始めた。ソファに深く(もた)れ込んで、長い脚を組んで、その膝の上に手帳をのせ、丁寧に(ページ)を繰って行った。
 疑問の箇所にぶつかると、読むのをやめて、警部に質問する。警部は一々詳細に答える。そんなことを繰返して、たっぷり三十分程も費すうちに、明智は事件の経過をすっかり呑み込んでしまったように見えた。
「遠慮なく感想を聞かせてくれたまえ。僕は渦中にあるので、冷静な判断がむずかしいのだ。全く白紙でこの事件を見渡して、君はどう考えるね」
 警部が促すと、明智はソファに凭れ込んで、腕組みをして静かに目をつむったまま、暫らく黙り込んでいたが、やがて落ちついた口調で話しはじめた。
「僕は宗像君とは二三度会ったばかりだが、彼の一種の才能には、深く敬意を表している。恐ろしい男だ。だが、今度の事件は流石の彼も、少なからず手古摺(てこず)っているようだね。いつも犯人に先手をうたれて、後へ後へと廻っている。被害者は予め分っているのに、一人だって助けることは出来なかった。宗像君にしては珍らしい不成績だね。エ、そうは思わないかね」
 明智はそこで言葉を切って、じっと中村警部の顔を見た。なぜかその唇の辺に幽な微笑が浮かんでいる。警部にはその微笑の意味が分らなかった。商売(がたき)に対して非難めいた口を利いた事を、はにかんでいるのだと考える外はなかった。
「恐ろしい事件だ。この犯人は、あの俊敏な宗像博士よりも、更に一枚上手の役者らしいね。新聞は魔術師だなんて書き立てているが、全く魔術師だ。その上に、この犯人は露出狂だね。殺人その事よりも、その結果をできるだけ飾り立てて、世間に見せびらかしたいのだ。一種の狂人だね。狂人の癖に、恐ろしく賢い奴だ。名探偵と云われる宗像君を、思うままに飜弄するほど賢くて抜目のない奴だ。
 しかし、宗像君も、なかなか味をやっているね。殊に隅田川に投げ込まれた小函の包装から、犯人の住所をつきとめたあたりは、流石に水際立っている」
「だが、それも後手(ごて)だったよ」
 警部は投げ出すように云って、唇を噛んだ。
「この北園竜子という女のやり口が、又実に面白い。引越しの前晩に、沢山の罐詰とパンを買入れた点など、興味津々としてつきないものがあるよ。君の手帳には、その記事の横に赤い線が引いてあるが、これはどういう意味だね」
「僕には全く見当がつかない。多分犯人は人里離れた山奥へでも身を隠す用意をしたのだと思うが、何だかそれも信じられないような気がする。ただ、僕はその事実を聞いた時に、ゾーッとしたのだよ。なぜか分らないが、胸の中を冷い風が吹き過ぎたような、変てこな気持がしたんだ。それで赤線など引いたのだろう」
「ハハハ……、なる程渦中にあると盲目になるもんだね。だが、君の潜在意識はちゃんと真相を感づいていたのだよ。君がゾーッとしたというのは、その口の利けない潜在意識が、非常信号を発したのさ。ハハ……、僕には犯人の隠れ場所は大方想像がついているよ」
「エッ、隠れ場所が? 冗談じゃあるまいね。ど、どこだい? それは」
 警部は思わず椅子から立上って、頓狂な声を立てた。
「なにも慌てることはない。お望みとあれば、君をその場所へ御案内してもいいよ。だが、宗像君程のものが、そこへ気のつかぬ筈はない。ひょっとしたら、今晩あたり、宗像君単独で、その場所へ犯人を捉えに行っているかも知れないよ」
「そんな近い所なのか」
「ウン、北園というのはなかなか利口な女だよ。君達を錯覚に陥れようとしたのだ。引越しをして、家を空家にしてしまえば、その家はもう捜査網から除外されるわけだからね。その日から、一番安全な隠れ場所に一変する」
「エッ、するとあいつは、あの空家に隠れているというのか」
「若しその女が、僕の想像しているような賢い奴だったらね」
「ウーン、そうか。成程、あの手品使いの考えつきそうな事だ。よしッ、兎も角も確めて見なくっちゃ。明智君、僕はこれで失敬するよ」
「まア、待ち給え。君が構わなければ、僕も一緒に行ってもいい。……ア、電話だ。一寸待って呉れ給え」
 明智は急がしく卓上電話の受話器を取って、一こと二こと話したかと思うと、その受話器を中村警部の方へ差し出しながら、
「君だよ。捜査課の徳永(とくなが)君からだ。何だかひどく慌てているぜ。重大な用件らしい」
 警部はすぐさま受話器を耳に当てた。
「エッ、宗像博士が? 発見したって?……ウン、青山の……明神の境内だね。……エ、社殿の床下?……ウン、分った、分った。よし、僕はここから直ぐ行くから、君達も手配をして、駈けつけてくれ給え」
 中村係長は興奮のため、顔を真赤にして、ガチャンと受話器を置くと、明智に事の次第を告げた。
「やっぱり君の推察の通りだった。あの女は空家の屋根裏に隠れていたんだって。そこから屋根を破って逃げ出したのを、宗像博士が追いつめて、近くの神社の境内で捉えたらしい。博士から今電話で知らせて来たというのだ。僕はすぐ出かけるが、君は……」
「無論お供するよ。北園という女の顔も見たいし、久し(ぶり)で宗像君にも会いたいからね」
 明智は云いながら、呼鈴(ベル)を押して、助手の小林少年を呼び、電話で車を命じさせて置いて、手早く外出の用意をするのであった。

    就在宗像博士和北园龙子在神社的树林中进行奇怪的问答时,警视厅的中村侦查股长正在访问座落在麻布区龙土街的私立侦探小五郎的事务所。
 
    小五郎虽说很年轻,但作为私立侦探他还是宗像博士的老前辈,因而其本领也超过了博士。事实上正如这故事开头时所说的,川手庄太郎也首先想请小五郎侦探解决这案件,但因为当时小五郎正在旅行,也木知他什么时候回京,所以就挑了那位初露头角的宗像博士。
 
    小五郎在发生三重旋涡指纹案件的前几天接受了政府关于侦查某政治犯的请求,因公前往朝鲜,以汉城为中心,跑遍了半岛的各个地方,并且顺利地达到了目的,今天刚回东京。
 
    中村侦查股长一接到小五郎回京的通知,首先想就这次奇怪的凶杀案听一下他的意见。股长在结识宗像博士之前早就结识了小五郎,两人建立了亲密的关系。
 
    事先打来了电话,所以小五郎在事务所的客厅里等候着阔别多日的朋友。
 
    “听说那边的工作干得很顺利呀,祝贺你!”
 
    中村警部一见小五郎立即先道了喜。
 
    “谢谢。直到刚才为止,我被叫去出席了有关方面的晚餐会,受到了隆重的款待,觉得好像成了英雄似的。但干那一类工作必须相当敏捷地东奔西跑,而且充满着冒险的味道。说实在的,对我这种人来说,比如说你现在干的三重旋涡指纹的案件等要更有扭力呀!”
 
    小五郎刚完成一项大工作,心情十分轻松,所以比平素更爱说话。
 
    “你注意那起案件了吗?”
 
    “嗯。虽然在汉城的报纸上的简讯中第一次看到,可我完全被吸引住了。有一种难以形容的气味,因为我的鼻子像猎犬一样敏锐嘛!哈哈哈哈哈哈。所以回国途中,我在大坂清人弄齐了从案发第一天起的报纸,在火车里专心地读了一下。”
 
    “哈哈哈哈哈哈,像是你的样子呀!那太好了。其实我今晚这么晚来也是因为想听听你关于这方面的意见呀。我可伤透了脑筋,都不能等到明天了,总觉得碰上了墙壁一样的东西呀。坦白说,我已经束手无策了。报纸那样起哄,世间风言风语的,我是这个案件的负责人,真有点受不了啦!那么,这案件的大体轮廓你都知道了吧?”
 
    “嗯,登在报纸上的我都知道,但我想从你嘴里听到一些具体的。”
 
    “当然会对你说的。倒是这里有更好的东西,是我个人的侦查日记,我把它带来了,想请你读一下。我想比起用嘴说,你读一下这个的话一切都全明白了。”
 
    警部从口袋里掏出大型的笔记本,打开某一页,递给了小五郎。
 
    小五郎一接过来就开始读起来。他紧靠在沙发上,跷着二郎腿,把笔记本放在那大腿上仔细地逐页阅读着。
 
    碰到疑问的地方就停止阅读,讯问警部。警部-一详细回答。这样重复了多次,足足花了三十分钟时间,小五郎好像完全熟悉了案件的经过。
 
    “毫不客气地跟我说说你的感想!我现在在旋涡之中,所以很难冷静地判断。你完全是在白纸上看这案件,是怎么想的呢?”
 
    警部催促道。小五郎靠在沙发上,抱着胳膊安详地闭着眼睛沉默了片刻,过了一会才用镇静的口吻开始说道:
 
    “我与宗像君只见过两三回,对他的才能深表敬意。他是个很厉害的人,但这回的案件好像就连他也伤了不少脑筋啊。总是让犯人抢先,老是陷于被动。被害人都事前知道,可一个都没有能搭救。就宗像君来说,还很少这样成绩不佳呀。你不觉得吗?”
 
    小五郎说到这里中断了话头,目不转睛地望着中村警部的脸,不知为什么,他的嘴唇边微微露着微笑。警部不明白这微笑的意义,他只能认为这是小五郎在为自己对商业上的敌人说了一些近乎责难的话而感到不好意思。
 
 
 
 
    “是起可怕的案件。这犯人好像比那精明强干的宗像博士还要高出一筹哩!报纸大书特书什么犯人是魔术师,但真是个魔术师,而且这犯人又是个裸露狂,比起杀人这件事来,想尽量装点其结果,向世人显示。是一种狂人呀!这家伙虽是狂人,但非常机灵聪明,以至可以随心所欲地愚弄被称为名侦探的宗像君。宗像君也干得非常漂亮,特别是从扔进隅田川小匣子的包装查明了犯人的住所这一点实在出色极了!”
 
    “但这也着手晚了呀。”
 
    警部连珠炮似地说道,随即咬紧了嘴唇。
 
    “这个叫北园龙子的女人的手法也很有意思。搬家的前一天晚上买进了许多罐头和面包这一点实在是趣味津津不绝呀!你的笔记本上那条消息的旁边划着红线,这是什么意思呢?”
 
    “我完全猜测不出,心想大概是犯人准备躲进远离人烟的山里什么的,但总觉得这也不可信。只是我在听到那事实时全身直打寒战,不知是为什么,觉得心间刮过了一阵冷风似的,所以我才划红线的吧。”
 
 
 
 
    “哈哈哈哈哈哈,果然在旋涡中就要变得盲目了。但你的潜在意识显然察觉到了真相。你之所以打寒战,那是因为那不能开口说话的潜在意识发出了紧急信号。哈哈哈哈,犯人的隐蔽处找大致想象到了。”
 
    “啊?隐蔽处?不会是开玩笑吧?那是什、什么地方?”
 
    警部不由得从椅子上站起身来,奇声怪叫起来。
 
    “何必那么着慌呢!你想去的话我可以领你到那地方去。但宗像君这样的人是不会察觉不到那地方的,说不定今晚宗像君单独去那地方逮犯人了。”
 
    “是那么近的地方吗?”
 
    “嗯。叫北园的可是个相当聪明的女人呀,她是想使你们陷入错觉,因为如果搬了家,把房子变成了空房子,那么那幢房子当然就排除在搜查网之外了嘛。从那天起,那地方就变成了最安全的隐蔽处了。”
 
    “啊?!这么说那家伙藏在那空房子里学?”
 
    “如果那女人是我所想象的那种聪明人的话。”
 
    “哦,原来是这样。的确那魔术师像是会想到这件事的。好,不管怎样先得弄弄清楚。我就此告辞了。”
 
    “唉,等等!要是你不介意的话,我可以一起去……啊,电话。等我一下!”
 
    小五郎急忙拿起台式电话的话筒,刚说一两句话就一面把那话筒递给中村警部一面说:
 
    “是你的。侦查科的德永君打来的。好像挺慌张,像有什么重要的事。”
 
    警部立即把话筒贴到耳朵上。
 
    “啊?!宗像博士?发现了?……嗯,是青山的……神社院内吧?……啊,祭殿的地板下?嗯,知道了,知道了。好,我这就去,你们也布置一下,赶到那儿去!”
 
    中村股长激动得满脸通红,咋喳一声一搁下话筒,就把事情的经过告诉了小五郎。
 
    “果然像你推测的,说是那女人躲在空房子的顶棚里。她弄破了屋顶从那儿逃跑了。宗像博士紧追不舍,好像在附近神社的院落里逮住了她。据说博士刚打电话来告诉。我马上出去,你……
 
    “当然陪你一起去晖,想看看北园这个女人的脸,也想会会久别的宗像君嘛。”
 
    小五郎边说边据了一下电铃,喊来了助手小林,让他打电话叫一辆车子,自己很快地作着外出的准备。
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