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黄金豹-魔豹的行踪

时间: 2021-11-28    进入日语论坛
核心提示:豹のゆくえ 武夫君は少年探偵団の副団長で、なかなか勇気のある子どもでしたから、それを見ても、すぐには逃げださないで、部屋
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豹のゆくえ


 武夫君は少年探偵団の副団長で、なかなか勇気のある子どもでしたから、それを見ても、すぐには逃げださないで、部屋のすみの安楽イスのうしろに身をひそめて、じっとようすを見ていました。
 豹は、ぐるぐると部屋の中を歩きまわっていましたが、やがて、だんだん、こちらへ近づいてくるのです。武夫君は、気づかれたのではないかと、ギョッとして、からだをちぢめました。大きな安楽イスのうしろの、せまいすきまですから、すぐにはとびかかれませんが、でも、武夫君がかくれていられるくらいですから、豹だって、はいれないことはありません。
 イスのかげから目ばかり出して、じっと見ていますと、豹は、のそりのそりと、こちらへやってきます。そのあいだが、もう二メートルほどの近さになりました。
 武夫君のからだじゅうに、つめたい(あせ)が、にじみだしました。顔はもう、まっ青です。でも、目をそらすことができません。じっと豹の顔をにらみつけていました。
 その恐ろしい豹の顔が、ジリッ、ジリッと近づいてきます。もう一メートルになりました。まるで映画の大うつしのように、目の前いっぱいに、その金色の顔がひろがって見えるのです。青く、燐のように光る目が、じっとこちらをにらんでいます。まっ赤な口が、すこし開いて、白い牙が見えています。
 あの口が、いまにも、ガッと開いて、とびかかってくるのではないかと思うと、武夫君はもう、生きたここちもありません。全身、汗がびっしょりになって、心臓が、どきん、どきんと、恐ろしい早さで、うっています。口の中が、からからにかわいて、叫ぶことも、どうすることもできません。
 豹の顔は、もう五十センチほどに近づきました。そして、ごろごろと、のどをならしていましたが、いきなり、まっ赤な口を、ガッと開きました。黒っぽい舌が、口の中で、へらへら動いています。
 武夫君は、もうだめだと思いました。いまにあの口で、頭からくいつかれるのだと、かんねんしたのです。
「ウオーッ。」豹は、耳もさけるような恐ろしい声で、うなりました。武夫君は、もうだめだと、目をつむってしまいました。
 ところがふしぎなことに、いつまでたっても、豹はとびかかってこないのです。オヤ、へんだなと思って、そっと目をひらいて見ますと、豹はもう三メートルもむこうに、遠ざかっていました。そして、あと足でニューッと立ちあがると、ピョンピョンととぶようにして、ドアの外へ出ていくではありませんか。
 豹は、武夫君がかくれているのを気づかなかったのです。あんなに近よってきたのは、武夫君を発見したからではなかったのです。
 武夫君は、まだ、からだがふるえていましたが、勇気を出して、そろそろ、かくれ場所からはい出し、ドアのそばまでいって、そっと廊下をのぞいて見ました。
 豹は、やっぱり、あと足で立ったまま、ピョンピョンととぶようにして、むこうの角をまがっていきます。
 武夫君は、執念ぶかく、そのあとをつけて、廊下のまがり角にいき、のぞいて見ますと、豹はまたむこうのまがり角にかくれました。
 そして、どこまでも、あとをつけていきましたが、お勝手(かって)に近いところで、ふと豹のすがたを見うしなってしまいました。そこには、庭ばんの助造じいさんの部屋があります。その部屋の戸は、ピッタリしまっていましたが、ほかに逃げこむ場所はありません。豹はあの戸の中にかくれているにちがいないと思いました。
 武夫君は足音をしのばせて、そこに近づき、入口の戸に耳を近づけて、ようすをうかがいましたが、中からは、なんのもの音も聞こえません。
 しばらくそうして、じっとしていても、なにごともおこらないので、武夫君は、戸のすきまから中をのぞいて見ました。しかし、すきまがほそすぎて、なにも見えません。おもいきって、戸に指をかけ、そっと、音のしないように、一センチほど開きました。そこに目をあてて見ますと、助造じいさんが、たたみの上にすわって、タバコを吸っているのが見えました。
 じいさんが、のんきそうにタバコを吸っているからには、部屋の中に豹がいないことはたしかです。武夫君は、ガラッと戸をあけて、じいさんに声をかけました。
「助じいや、たいへんだよ。いま、黄金豹がここへきたんだよ。じいや、気がつかなかった? この部屋しか、逃げこむところはないんだがなあ。」
 そして、武夫君は、応接室の毛がわが生きた豹になって逃げだしたことを、てみじかに話しました。
「へえ、毛がわがねえ。なんて恐ろしいやつだ。だが、わしはなんにも気がつきませんでしたよ。どこへいきやがったのかな。この廊下へきたら、わしの部屋のほかには、いきどころがねえはずだからね。」
 じいさんは、ふしぎそうな顔をして、武夫君を見ました。そして、なぜか、ニヤリと笑ったのです。
 武夫君は、その笑い顔を見ると、なんだか、へんな気もちになってきました。ふと、さっきの豹は、このじいやに化けてしまったのではないかと、とほうもない考えが、浮かんでくるのでした。

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