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马戏团里的怪人-空气中

时间: 2021-12-13    进入日语论坛
核心提示:空気の中へ さっきの正一君のひめいは、むろん廊下まで聞こえました。そこの長イスにがんばっていた、刑事とサーカス団員は、ハ
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空気の中へ


 さっきの正一君のひめいは、むろん廊下まで聞こえました。そこの長イスにがんばっていた、刑事とサーカス団員は、ハッとして立ちあがったのです。
 刑事は、つかつかとドアの前にいって、とってをまわしました。しかし、中からかぎがかかっていて、どうすることもできません。
 あいかぎはあるのですが、それをどこかへおいて、骸骨男にぬすまれては、たいへんだというので、二つとも笠原さんが持っていました。寝室の中からは、ひらくことができますが、そとからはぜったいに、あけられないのです。
「笠原さん、ここをあけてください。いまの叫び声は、どうしたのです。なにか、あったのですか。」
 刑事が、大声でよびかけましたが、中からは、なんのへんじもありません。しいんと、しずまりかえっています。
「おかしいな。ひょっとしたら……。」
「たしかに、あれは、正一さんの叫び声でした。くずくずしてはいられません。やぶりましょう! このドアをやぶって、中へはいりましょう!」
 サーカス団員が、息をはずませていいました。
「よし、それじゃ、ぼくがドアをやぶりますよ。」
 刑事は、そういったかと思うと、廊下のはしまであとずさりして、いきおいをつけて、ドアにぶっつかっていきました。すると、恐ろしい音がしましたが、ドアはびくともしません。ひじょうに頑丈なドアです。
 そのさわぎに、ほかの刑事や団員も、下からかけあがってきました。あのかわいらしい女中さんも、そこへやってきました。みんな、しんけんな顔つきです。骸骨男のことを考えているからです。あの幽霊のような骸骨男が、ふしぎな魔法で、寝室の中へしのびこんだかもしれない。そして正一少年をひどいめにあわせているのかもしれないと、思ったからです。
 刑事は、二ど、三ど、ドアにぶつかっていきました。そのたびに、めりめりという音がして、三どめには、ドアの板がやぶれ、すこし、すきまができました。
 そのすきまにむかって、また、ぶつかっていきます。だんだん穴が大きくなりました。そこへ手をかけて、力まかせに、板をはがし、とうとう、人間が出入りできるほどの、穴をあけてしまいました。
 刑事とサーカス団員たちは、ひとりひとり、その穴から寝室の中へはいっていきました。
「オヤッ! だれもいないじゃないか。」
 寝室はからっぽになっていました。正一君も、おとうさんの笠原さんも、どこかへ消えてしまって、二つのベッドの上には、毛布やふとんが、みだれているばかりです。みんなは、ベッドの下や、たんすのうしろなどをさがしまわりました。しかし、どこにも人かげはないのです。
 刑事たちは、二つの窓をひらいて、鉄ごうしをしらべましたが、かわったことはありません。ちゃんと、窓わくにとりつけてあります。そこからだれかが出ていったなどとは、どうしても考えられないのです。
 あのかわいらしい女中さんは、部屋のすみに立って、そのようすをながめていましたが、ハッとしたように、聞き耳をたてました。なんだか、みょうな音がしたからです。人のうなっているような音です。どうやら、洗面室のドアの中からのようです。
 女中さんは、そのドアを、そっとひらいてみました。
「アラッ、たいへん! こんなとこに、団長先生が……。」
 団長先生とは笠原さんのことです。うちのものは、笠原さんを、そうよんでいるのです。
 みんなが、そこへ、集まってきました。
 笠原さんは、パジャマの上から手足を、ぐるぐるまきにしばられ、タオルで、さるぐつわをはめられて、洗面台の下にたおれていました。そのさるぐつわの下から、うめき声をたてていたのが、女中さんの耳にはいったのです。
 みんなで、なわとさるぐつわをときますと、笠原さんは、
「あいつは、どこにいます。つかまりましたか。」
といいながら、キョロキョロと、あたりを見まわすのです。
「あいつって、だれです。だれかいたのですか。」
 刑事のひとりが、たずねました。
「骸骨のやつです。わしがこの洗面室へはいったかと思うと、あいつが、うしろから組みついてきたのです。あいつの腕は鉄のように強くて、とてもかないません。またたくまに、しばられてしまいました。……しかし、正一は? あいつは正一を盗みだしにきたにちがいないのだが、正一は、ぶじですか。どこにいます。」
「いや、それが……正一さんは、どこかへいなくなってしまったのです。むろん、骸骨男のすがたも見えません。」
「そんなばかなことはない。正一はちゃんと、むこうのベッドに寝ていたのです。それに、あんなひめいをあげたじゃありませんか。骸骨男に、ひどいめにあわされたのです。そのふたりが、消えてなくなるなんて、そんなはずはない。ドアは、きみたちが、やぶらなければならなかったほど、ちゃんと、しまりがしてあった。窓には鉄ごうしがはまっている。この部屋には、天井にも、壁にも、床にも、ぬけ穴なんて一つもない。骸骨男と正一は、いったいどうして出ていったのです?」
「わたしたちも、それがわからないので、とほうにくれているのですよ。まるで、空気の中へとけこんでしまったとしか考えられません。」
 刑事が答えました。
 それから、笠原さんもいっしょになって、みんなで、寝室の中はもちろん、家じゅうの部屋、庭から塀のそとまで、くまなくしらべましたが、骸骨男がとおったらしいあとは、どこにもないのでした。それらしい足あとも、まったく、ありません。
 怪人骸骨男は、またしても、みごとな魔法をつかいました。かんぜんな密室の空気の中へ、とけこんでしまったのです。
 しかし、このお話は、怪談ではありません。骸骨男はお化けのように見えますが、この世にお化けなんて、いるはずはないのですから、いくら、ふしぎに見えても、やっぱり人間のしわざにちがいないのです。
 人間なれば、煙のように消えることは、できないはずです。これには、なにか思いもよらない秘密のトリックがあるのです。ああ、それは、いったい、どんな秘密なのでしょうか。

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