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马戏团里的怪人-大杂技

时间: 2021-12-13    进入日语论坛
核心提示:大曲芸 怪老人が消えてから十分もたったころ、見物席に、恐ろしいざわめきがおこりました。見物たちは、さきをあらそって、大テ
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大曲芸


 怪老人が消えてから十分もたったころ、見物席に、恐ろしいざわめきがおこりました。見物たちは、さきをあらそって、大テントのそとへ逃げだそうとしています。そのこんざつは、ひととおりではありません。
 ころんで、泣きさけぶ子ども、ひめいをあげる若い女の人、おしつぶされそうになって、入口をめざす人のむれ、わきかえるようなさわぎです。
 そんななかにも、見物席にふみとどまっている勇敢な人たちもありました。その人たちの目は、いっせいに、大テントの天井を見つめています。
 高い高い天井の空中曲芸のぶらんこ台に、ポックリと異様なもののすがたが見えました。あいつです。あのいまわしい骸骨男です。ぴったりと身についた黒いシャツとズボン、顔は骸骨そっくりの、あの怪物です。二十面相は背中のまがった老人から、とくいの骸骨男にはやがわりをしたのです。骸骨の仮面と黒シャツは、いくつも用意してあって、サーカスの中の秘密のかくし場所にも、ひとくみ、かくしてあったのでしょう。
 空中では、骸骨男がぶらんこに乗って、いきおいよくふりはじめました。だんだん高く、しまいには、テントの天井につくほどもはげしく、そして、それが、いちばん高くあがったとき、パッとぶらんこをはなれて、空中におどりだしました。下には(あみ)がはってありません。そのまま落ちれば命はないのです。
 残っていた見物たちは、アッと声をたてて、手に汗をにぎりました。
 しかし、骸骨男は落ちなかったのです。天井に横たわっている丸太にとびついていました。そして、丸太から丸太へと、まるでサルのように身がるにとびうつっていきます。
 とうとう、むこうがわのぶらんこ台までたどりつきました。そのぶらんこ台からは、曲芸師が下におりるための長い(つな)がさがっています。骸骨男は、その綱にとびついたかと思うと、スウッと、地面の近くまですべりおりてきました。それから、その長い綱を、ぶらんこのようにふりはじめたのです。
 だんだん、いきおいがついてきました。長い綱のふりこですから、サアッ、サアッと、円形の馬場を横ぎって、見物の頭の上までとんできます。そして、むこうへふったときには、正面の楽屋の入口までとどくのです。
 サアッ、サアッ、……巨大な時計のふりこです。さきに骸骨のぶらさがったふりこです。じつにみごとな光景でした。こわいけれども、美しい光景でした。
 その大ふりこが、むこうの楽屋口に近づいたとき、骸骨男は、またしても、パッと手をはなしたではありませんか。
 骸骨男の黒いからだは、綱をはなれて、矢のようにとびました。なにかにぶっつかったら、おしまいです。
 しかし骸骨男はよほど曲芸の名人とみえて、宙をくるくるとまわりながら、楽屋の入口の白いカーテンの前に、ひょいと立ちました。そして、パッとカーテンをまくると、そのまま、楽屋の中へ消えてしまったのです。
 サーカス団員たちは、みんなまんなかの砂場に出て、骸骨の空中曲芸を見あげ、口々になにかわめいていましたが、怪人が、楽屋に消えたのを見ると、「ワアッ。」と叫んで、そのあとを追いました。
 しかし、カーテンのむこうには、もうだれもいません。出没自在の怪人は、またしても、どこかへ消えてしまったのです。
 みんなが、そのへんをうろうろしながらさわいでいますと、楽屋の奥から、でっかいものがあらわれました。ゾウです。ゾウが歩いてくるのです。
 見ると、ゾウの頭の上に、骸骨男がまたがっているではありませんか。手には猛獣をならす、長いムチを持っています。
 あいにく、ゾウ使いの男が、そのへんにいないので、どうすることもできません。みな、ワアワアとさわぐばかりです。
 ピシッ、ムチがなりました。その音にゾウがかけだしたのです。楽屋口のカーテンをくぐって、円形の馬場へ走りだしたのです。
 見物席に、ワアッという声があがります。勇敢な見物たちも、これを見ては逃げださずにはいられません。そう立ちになり、入口のほうへ、なだれをうってかけだすのでした。
 骸骨男はゾウの頭の上に、すっくと立ちあがっていました。そして、ピシッ、ピシッと、ムチをならしています。ゾウは円形の馬場を、ぐるぐるまわりはじめました。
「ワハハハハ……。」
 恐ろしい笑い声が大テントいっぱいにひびきわたりました。骸骨が、おかしくてたまらないというように、笑っているのです。
「ワハハハハハ……。」
 ゾウの頭の上に立ったまま、ムチをふりながら、いつまでも笑いつづけているのです。
 骸骨男は、とうとう、気がちがったのでしょうか。それとも、二十面相をつかまえることのできない、サーカスの人たちや警官を、あざ笑っているのでしょうか。
 小林、井上、野呂の三少年が、楽屋口にむらがっているサーカス団員のうしろから、このふしぎな光景をながめていました。骸骨男が、なぜこんな曲芸をやっているのか、その気もちがわかりません。
 ぐるぐるまわっているゾウが、楽屋口の前をとおりました。そのとき、頭の上に立っている骸骨男の顔に、おどろきの色があらわれました。骸骨男の目と小林少年の目とが、ぶっつかったのです。骸骨男は、そのときはじめて、テントの中に小林君のいることをしりました。
 骸骨男の笑いがとまりました。そして、恐ろしい声がひびいてきました。
「そこにいるのは、明智の弟子の小林だなッ。」
 走っていたゾウが立ちどまりました。骸骨男がとめたのです。怪人の目は、じっと小林君をにらみつけています。
 小林君は、サーカス団の人たちをかきわけて前に出ました。そして、相手の目をにらみかえしながら叫びました。
「そうだよ、明智先生の弟子だよ。きみが警官に化けて、あの地下道からぬけだしたことは、もうすっかりわかっているんだ。いまに明智先生が、ここへこられるよ。……アッ、サイレンだ。おいきみ、あの音が聞こえるかい、警察自動車のサイレンだよ。警官隊が到着したのだ。きみはもう、逃げられないよ。」
 ウー、ウー、というサイレンの音が、テントのそとへ近づいていました。ピシッ、ムチがなったかと思うと、やにわにゾウが、テントの入口へむかってかけだしました。骸骨男は、ゾウの頭の上でおどるように、ちょうしをとっています。まだ残っていた見物たちのあいだに、「ワアッ。」というどよめきがおこりました。

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