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马戏团里的怪人-魔法种子

时间: 2021-12-13    进入日语论坛
核心提示:魔法のたね 正一君が、骸骨男といっしょに、消えうせてしまったあくる日には、骸骨男の捜査本部が、警察署におかれたので、お昼
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魔法のたね


 正一君が、骸骨男といっしょに、消えうせてしまったあくる日には、骸骨男の捜査本部が、警察署におかれたので、お昼すぎには、笠原さんも刑事たちも、そのほうへ出かけ、笠原さんのお家には、るすばんのほかはだれもいなくなってしまいました。
 そのすきを見すまして、あの探偵ずきのかわいい女中さんは、そっと二階にあがり、正一君がつれさられた寝室にしのびこみました。そして、部屋の中をすみからすみまで見てまわったあとで、窓の鉄ごうしを、とくべつ念いりにしらべました。
 鉄ごうしの下がわのわくは、二本のボルトでとめてあることがわかりました。ボルトというのは、鉄の棒のさきにねじがきってあって、そこへ、ナットという六角形の金物(かなもの)をはめて、スパナ(ねじまわし)でしめつけるようになっているものです。
「へんだなあ。こんな鉄ごうしのとめかたって見たことがないよ。」
 女中さんは、男の子のような声で、ひとりごとをいいながら、こんどは、鉄ごうしの上のほうをしらべていましたが、
「あッ、わかった!」
と叫ぶと、いきなり寝室をかけだし、どこからかスパナをさがしだして、もどってきました。そして、スパナを持った右手を、窓の鉄ごうしのすきまからそとに出し、下がわのわくのしめつけてある六角のナットのねじをもどして、二つのナットをはずしてしまいました。そして、両手を鉄ごうしにかけて、グッとおしてみますと、スーッと、むこうへひらいていくではありませんか。鉄ごうしの上のほうが、ちょっと見たのでは、わからないような、ちょうつがいになっていて、鉄ごうしぜんたいが、むこうへひらくのです。
 鉄ごうしの右がわのわくも、左がわのも、そとから四つずつのナットで、しめつけてあるように見えますが、それはにせもので、ただナットだけが、とりつけてあって、ボルトはないのです。ですから、下がわの二つのナットさえはずせば、鉄ごうしが、上のちょうつがいで、いくらでもむこうへひらくようになっているのです。
「これで、寝室のなぞがとけたぞ!」
 女中さんは、また、男の子の声でひとりごとをいいましたが、すぐに、隣の空き部屋へとんでいって、そこの窓の鉄ごうしをしらべました。すると、そこにも同じしかけがしてあって、下がわの二つのナットをはずせば、鉄ごうしがひらくようになっていました。
 まえのばんに、骸骨男が、この部屋に逃げこんで消えてしまったのは、この鉄ごうしのそとに出て、ナットをもとのようにしめておいて、一階とのあいだにあるせまい屋根の上にしゃがんで、かくれていたのでしょう。
 そして、女中さんが、懐中電灯で庭の足あとをしらべたときには、また、部屋の中にもどって、かくれていたのにちがいありません。
 それから、正一君をつれさったときも、寝室のほうの鉄ごうしをひらいて逃げたのでしょうが、しかし、あのとき庭をしらべても、やっぱり足あとがなかったのは、なぜでしょう。このときは、人がいっぱいいたので、もう一ど寝室へもどるというようなことは、できなかったはずです。
 女中さんは、そんなことを、心の中で考えていましたが、どうも、ふにおちないところがあります。そこでふと思いついて、鉄ごうしから、窓の下の屋根へ出てみる気になりました。
 庭にめんしたがわだけ、一階のほうが出っぱっていて、そこに一メートルほどのはばの屋根が、ずっと、つづいているのです。
 女中さんは、その屋根の上を、ネコのように四つんばいになって、隣の寝室の窓のほうへ、はっていきましたが、ちょうど、こちらの空き部屋と寝室とのあいだの壁の前で、みょうなことを発見しました。そこの屋根が、はば五十センチ、長さ二メートルほど、ほかの屋根と色がちがっているのです。さわってみますと、そこだけ、かわらでなくて、鉄の板でできているらしいのです。見たところは、形も、色もかわらとそっくりですが、鉄の板をかわらをならべたような形にして、かわらと同じ色をぬったものだということがわかりました。
 女中さんは、そのほそ長い鉄の板に、手をかけて、ひっぱってみました。するとこれも、ちょうつがいになっていて、ふたのようにひらくのです。うすい鉄の板ですから、そんなに重くはありません。
「ああ、あいつは、ここにかくれていたのかもしれない。」
 女中さんは、鉄の板の下が、ほそ長い空洞になっていて、人間が横になってかくれられるのにちがいない、と思いました。
 そこで、力をこめて、その鉄の板を、グッとひらいたのですが、ひらいたかとおもうと、女中さんは「アッ!」と声をたてて、そのまま、身うごきもできなくなってしまいました。
 じつに、おどろくべきものを発見したのです。ああ、これは、どうしたことでしょう。その空洞の中には、手足をしばられ、さるぐつわをはめられた、ひとりの少年が、ぐったりとなって、横たわっていたではありませんか。
 それは正一君でした。骸骨男にさらわれたとばかり思っていた正一君が、こんなところに、かくされていたのです。
 いったい、これは、どうしたわけでしょうか? 骸骨男は、正一君を、つれさったのではないのです。すると、あいつは、まえのばんに空き部屋で消えたときと、同じように、家の中へ、もどったのでしょうか。そうにちがいありません。庭に足あとが残っていなかったのが、なによりの証拠です。
 さあ、わからなくなってきました。骸骨男は、一ども、そとへ逃げなかった。いつも家の中にもどって、どこかにかくれていた。しかしそれなら、あの大ぜいの人たちに見つからぬはずはありません。骸骨男はどうして、みんなの目をくらますことができたのでしょうか?
 女中さんは、屋根の空洞に横たわっている正一君を、助けだすこともわすれて、このふしぎななぞをとくために、一生懸命に考えました。目をつむり、全身の力を頭に集めて、いっしんふらんに考えました。
 そうして、考えているうちに、女中さんの顔が、だんだん、青ざめてきたではありませんか。目はおびえたように、まんまるにひらき、口はすこしあいたままで、まるで人形のように、からだが動かなくなってしまったのです。
「ああ、恐ろしい。そんなことがあっていいものだろうか。」
 女中さんは、ふるえ声で、ひとりごとをいいました。やっぱり男の子の声です。
「そうだ。きっとそうだ。よしッ、ためしてみよう。もし、そうだったとしたら……。」
 女中さんはそういって、屋根の鉄の板を、ソッとしめてしまいました。正一君を助けださないことに決心したのです。正一君には気のどくだけれども、ある恐ろしい事実をたしかめるためには、このままにしておかなければならないと、考えたのです。
 そして、かわいい女中さんは、まだ、青ざめた顔のまま、部屋の中へもどり、鉄ごうしのナットを、もとのとおりにしめてから、階段をおりていくのでした。

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