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铁人Q-空中激战

时间: 2022-01-30    进入日语论坛
核心提示:空中戦「こいつは人間じゃない! 歯車で動くロボットだぞ!」 少年たちが叫びました。たしかに、ロボットです。からだの中には
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空中戦


「こいつは人間じゃない! 歯車で動くロボットだぞ!」
 少年たちが叫びました。たしかに、ロボットです。からだの中には何もなくて、歯車ばかりです。
「そいつはロボットだよ。しかし、さっきのやつは、ほんとうの人間がロボットにばけていたのだ。二十面相は、どこかにこのロボットをかくしておいて、いつのまにか、いれかわったのだよ。見ていたまえ。いまにほんものの方が出てくるから。」
 明智探偵が自信ありげにいいました。

 そのとき、いっぽうでは、明智探偵のいったとおりのことが、おこっていました。
 二十面相の鉄人Qは、原っぱのはずれの林の中にある、大きなほらあなから、同じ姿のロボットをとりだして、少年たちの方へ歩かせておいて、自分はそのほらあなの中へ逃げこんでいったのです。
 そのほらあなは、地下道で、二十面相のすみかへ通じていました。浅野行夫少年をゆうかいして、ここから自分のすみかへ連れこむつもりだったのです。
 しかし、行夫少年は明智探偵にとりもどされてしまったので、いまは、自分ひとりで逃げこむほかはありません。
 じめじめした、まっくらなほらあな。その中を、手さぐりで進んでいきました。そして、五メートルもはいった時です。二十面相はギョッとして立ちどまりました。
 あなの奥のやみの中から、ギラギラ光る三つの目がこちらへ近づいてくるのです。三つ目の怪物です。
 いや、怪物ではありません。どうやら、三人の人間が、トーチをてらしながらこちらへやってくるらしいことがわかりました。
「敵か? 味方か?」
 二十面相は、じっと身がまえをして、待ちうけました。
 ほらあなの向こうの二十面相のすみかには、たくさんの部下がいるのです。その部下が、トーチをてらして、迎えにきたのかもしれません。
 三つのトーチのそばに、一つずつみょうなものがぼんやりと見えます。あっ! ピストルです! 三(ちょう)のピストルがこちらをねらっているのです。
「きさまたち、何者だっ!」
「アハハハハ……、びっくりしているな。ぼくたちは少年探偵団員だ。きみのすみかも、すっかりわかってしまった。警視庁の中村警部の一隊がふみこんで、きみの部下はみんなつかまってしまったよ。きみは、もう、ひとりぼっちだ。さあ、あなの外へ出るんだ。ぼくたちは、明智先生のさしずで、きみを待ちぶせしていたんだよ。」
 そういいながら、三挺のピストルが、ジリジリとこちらへせまってきます。二十面相は、あなの入口へ引きかえしていくほかはないのです。
 あなの中に待ちぶせしていたのは、少年探偵団の中でも、もっとも勇気があり、力の強い、中学二年生の山本(やまもと)酒井(さかい)清水(しみず)の三少年でした。
 あなの外の草の中には、ふたりの少年がたがいにはなれて、ねそべっていました。ふたりは、一本のほそびきを地面すれすれに、両方から引っぱりあっていたのです。
 そこへ、二十面相があなの中からかけだしてきました。まっくらですから、地面のほそびきには気がつきません。たちまち、それに足をとられて、みごとにころがってしまいました。
 ワーッ、という、叫び声があがりました。草の中に身をふせていた大ぜいの少年たちが、集まってきました。
 二十面相はふくろのネズミです。とうとうつかまってしまうのでしょうか。
 いや、まだまだゆだんはできません。二十面相は、いつでも、おくの手の、そのまたおくの手を用意しているやつですから。
 そのほらあなのまわりの林には、ひじょうに高い木がいく本もありました。
 その木の根もとのやみの中に、ふたりの少年が立っていました。明智先生の指示にしたがって、これから、大冒険をやろうというのです。
「いいかい、しっかりやるんだよ。二十面相が原っぱでつかまってしまえばいいけれど、もし逃げられたら、こんどは、ぼくたちふたりの責任になるからね。」
 そういったのは、小林少年でした。
「うん、だいじょうぶだ。このあいだから、ずいぶん練習したからね。それに、こっちの方が馬力(ばりき)が強いんだから、負けやしないよ。」
 そう答えたのは、井上一郎少年でした。井上君は、もと選手だったおとうさんに教えられてボクシングができる、強い少年でした。
 しかし、“馬力”とは、いったいなんのことでしょう? 力が強いという意味でしょうか。いくら井上君でも、おとなの二十面相よりも強いはずはないのに……。
 そのうちに、ふたりは、みょうなことをはじめました。
 わかれわかれになって、林の中の、めだって高い二本の木の根もとに近づくと、てんでに木をのぼっていくのです。
 ふたりとも、木のぼりがうまくて、みるみるうちに、上の方のしげみの中へかくれてしまいました。
 ふたりは、いったい何をしようというのでしょう?
 いっぽう、少年たちにとりかこまれた二十面相は、死にものぐるいに両手をふりまわしてかこみをやぶると、林の中をグルグルと逃げまわりました。
 しかし、あいては大ぜいの少年です。なかなか、逃げきれるものではありません。一本の高い木の根もとで、またしても、とりかこまれてしまいました。
 そのとき、二十面相も、みょうなことをはじめました。その高い木をのぼっていくのです。かれも、木のぼりの名人でした。あっというまにスルスルとふとい幹をのぼって、上の方のしげみに姿をかくしてしまいました。
「よし、それでいいんだ。もう、追っかけなくてもよろしい。いまに、おもしろいことがはじまるから、見ていたまえ。」
 少年たちのうしろから、明智探偵が声をかけました。そして、さっきのほらあなの入口まで行って、合図の笛を、ピリピリと吹きならしました。
 すると、ほらあなの中から、中村警部の部下のふたりの刑事が、何か重い機械のようなものを持って、出てきました。
 長いコードのついた、小型のサーチライトです。二十面相のすみかの電線につないであるのでしょう。しかし、まだスイッチが入れてないので、ただ黒く見えるばかりです。
「二十面相をわざと木にのぼらせたんだよ。びっくりさせてやろうと思ってね。いまに、びっくりするようなことがおこるから、よく見ていたまえ。」
 明智探偵は、にこにこしながら、そんなことをいいました。
 ブルルン、ブルル、ブルルン、ブルルルル……。
 二十面相ののぼった高い木のてっぺんから、へんな音が聞こえてきました。
 あっ、そうだ! 二十面相は、機械を背中にくっつけて空を飛ぶ、プロペラを持っていたのです。それを木の上にかくしておいて、空へ逃げようとしているのでしょう。
「サーチライト!」
 明智探偵の命令で、さっきのサーチライトが、パッと光りだし、空に向けられました。
 ああ、飛んでいる、飛んでいる。二十面相は背中に大きな箱のような機械をせおってプロペラで空を飛んでいくのです。その小さい機械では遠くまでは飛べませんが、追いつめられたとき、逃げだすのにたいへん便利なものです。
 サーチライトの光が空の二十面相をとらえました。きみの悪い鉄人の姿の二十面相が、やみの空にまっ白に、浮きだしました。
 ところが、そのときです。またしても、ブルルン、ブルルルル、ブルルルルルル……という別の音が、ほかの木のてっぺんから、ひびいてきました。そして二本の高い木の上から、二つの黒いものが、空へ飛びたちました。
 サーチライトが、グルグルまわって、その姿をてらしました。
 おお、ごらんなさい! それは、小林少年と井上少年でした。二十面相と同じように、プロペラをせおって空を飛んでいるのです。
 みなさん、それからどんなことがおこったと思います? 空中戦です。小林、井上の二少年と二十面相とが、三つどもえになってのはげしい空中戦です。
 明智探偵は、「宇宙怪人」の事件で、木の上にかくしてあった二十面相のプロペラと機械とをぶんどりました。それを、大きな飛行機製造会社にたのんで、なおしてもらったのです。
 それから、同じものを、もう二つ作ってもらいました。そして、両方とも、二十面相の機械よりも馬力を強くしてもらってあったのです。
 また、小林、井上二少年は、その機会をそうじゅうすることを練習して、うまく飛べるようになっていました。
 二十面相の方でも、同じ機械をもう一つ作らせていました。いま、飛んでいるのは、その新しい機械です。しかし、馬力は、まえの機械と同じですから、明智探偵の作らせた機械にはかないません。
 サーチライトは、空の二十面相だけを、くっきりてらしていました。その方が、小林、井上二少年はたたかいやすいからです。
 しばらくすると、サーチライトの光の中へ細いひものようなものが、まるくなって、サーッと飛んでいくのが見えました。
 投げなわです。小林少年が、とくいの投げなわを、二十面相のプロペラめがけて飛ばしたのです。
 二―三度しくじりましたが、とうとう、プロペラにひっかかりました。手をはなすと、なわはクルクルとプロペラに巻きついてプロペラがとまってしまいました。たちまち、二十面相がついらくしてくる。
 地上の少年たちの口から、ワーッ、と叫び声があがりました。こうして、長いあいだ鉄人Qにばけていた二十面相は、ついに、とらわれの身となったのでした。
 ふたりの刑事が、ついらくした二十面相に近づいて、パチンと手錠をはめたうえ、げんじゅうになわまでかけてしまいました。
 とうとう、少年探偵団が勝ったのです。こんなうれしいことはありません。
「ばんざーい、ばんざーい……。」
 少年探偵団の三十人の少年たちは、声をかぎりに、ばんざいを叫ぶのでした。

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