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塔上的奇术师-塔顶怪物

时间: 2022-01-15    进入日语论坛
核心提示:赤い道化師 さて、それから一月ほどたったある日のことです。淡谷さんの近くの、ひろい原っぱのしば草の上にこしをおろして、ふ
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赤い道化師


 さて、それから一月ほどたったある日のことです。淡谷さんの近くの、ひろい原っぱのしば草の上にこしをおろして、ふたりのかわいい少女が話をしていました。
 午後四時ごろです。よいお天気で、空には雲ひとつなく、西にかたむいた太陽が、まださんさんとかがやいていました。しば草からは、かげろうが、ゆらゆらとたちのぼっています。
 ふたりがこしをおろしている前には、まばらな林があって、そのむこうに、あの時計塔がそびえていました。その屋根の上に、ぶきみなこうもり男が立ったことのある、あの時計塔です。
 時計塔の下には、むかし有名な時計屋さんがたてた、お城のような西洋館があります。淡谷一郎青年が、四十面相のためにとじこめられた部屋も、その西洋館の中にあるのです。
 時計塔をながめながら話をしている少女のひとりは、中学一年生の淡谷スミ子ちゃんでした。明智探偵の助手のマユミさんのお弟子になった、少女探偵のスミ子ちゃんです。
 もうひとりの少女は、やっぱり中学一年の、園田ヨシ子ちゃんです。ヨシ子ちゃんのおとうさんの園田さんは、たいへんなお金持ちで、ふうがわりなこのみを持ったかたでした。ある時、時計塔の西洋館を見て、そのお城のような古風なつくりかたが、すっかり気にいってしまい、西洋館を買いとって、そこに住むことになったのです。
 西洋館の外がわは、れんがのこわれたところなどに、すこし手入れをさせたばかりで、だいたいそのままにしておき、中のたくさんの部屋は、すっかりなおさせて、住みごこちのよいようにしたのです。時計塔の大時計の機械も専門家にたのんでなおしてもらい、時計が動くようにしました。
 そうして、すっかり手入れができると、園田さんの一家は、西洋館へひっこしをしてきました。それが、今から一週間ばかりまえのことなのです。
 園田さんには、三人の子どもがありました。ヨシ子ちゃんの上に、高校生のにいさんと、下に小学生の弟がいるのです。ヨシ子ちゃんは、淡谷スミ子ちゃんとおなじ中学へ転校しましたので、ふたりはすぐに仲よしになってしまいました。
 きょうは、スミ子ちゃんのほうから、園田さんの西洋館へあそびにきて、その帰りに、ヨシ子ちゃんとふたりで、原っぱでやすんで、話をしていたのです。
 スミ子ちゃんは、その時はじめて、四十面相のことを話しました。ヨシ子ちゃんを、こわがらせてはいけないと思って、今までいわないでいたのですが、とうとう、がまんができないで、宝石をぬすまれかけた事件を、うちあけてしまったのです。
 すると、ヨシ子ちゃんは、へいきな顔で、こんなことをいいました。
「その話は、おとうさまから聞いて、知っていてよ。あの西洋館を買うとき、みんなが、おとうさまに、およしなさいといったの。きみがわるいから、およしなさいといったのよ。でもおとうさまは、そんなお化けやしきなら、なおおもしろいとおっしゃって、へいきでお買いになったわ。
 それから、工務所のだいくさんたちが、中をすっかりなおしたんですもの、あやしいやつがいるはずはないわ。おかあさまもわたしも、ちっとも、こわくなんか思わないのよ、お化けが出たら、おもしろいわ。」
 それをきくと、スミ子ちゃんは、すっかり感心してしまいました。ヨシ子ちゃんはなんて強い子でしょう。この子なら少女探偵のなかまにいれてもいいと思いました。
「わたしね、名探偵明智小五郎のお弟子なのよ。」
 スミ子ちゃんは、ふたりの友だちといっしょに、マユミさんのお弟子になったこと、明智探偵にも、いろいろおそわっていること、小林少年のことなどを、くわしく話してきかせました。
「まあ、すてき。わたし、明智先生は、まえからすきなのよ。そんけいしているわ。わたしも、お弟子になりたいわ。」
「じゃ、話してあげましょうか。マユミさんにおねがいすれば、きっと、いいっておっしゃるわ。ね、少女探偵のなかまにはいらない?」
「ええ、いれて。明智先生や、小林さんにあえるかと思うと、わたし、むねがどきどきするわ。」
 ふたりは、夢中になって話していましたので、目の前の時計塔に、みょうなことがおこっているのを、その時まですこしも気がつきませんでした。
 最初にそれに気づいたのは、スミ子ちゃんでした。時計塔の屋根の上に、なにか赤いものがひっかかっているような気がしたので、ひとみをさだめて、そのほうを見たのです。
「アラッ、ヨシ子ちゃん、ごらんなさい。あれ、なんでしょう? きみがわるいわ。」
「まあ、あんなところに、あれ、道化師よ。わたし、知らないわ。うちに、あんなものいないわ。」
 ヨシ子ちゃんも、びっくりして目をみはりました。
 いかにも、それはひとりの道化師でした。まっ赤なとんがり帽子、まっ白におしろいをぬった顔、まっ赤な地色(じいろ)に、白い水玉もようのある、だぶだぶの道化服、その赤い道化師が、時計塔のとんがり屋根のてっぺんに立って、避雷針(ひらいしん)のながい棒につかまっているのです。
 遠いので、顔の表情はわかりませんが、なんだか、こちらをむいて、笑っているようです。
「へんだわ、あんな道化師なんて、うちにいないわ。どこから来たのでしょう。どこからのぼったのでしょう。」
 ヨシ子ちゃんは、おびえたように、スミ子ちゃんの手をにぎるのでした。
 やがて、いっそうへんてこなことがおこりました。道化師は、するすると避雷針のてっぺんまで、のぼっていったのです。
 それから、まるで曲芸師のように、避雷針の先の、するどい剣におなかをつけると、両手、両足をはなして、うつむきになり、くるくるくると、からだを回しはじめました。まるで、ぼうの先に、かめの子をのせたようなかっこうです。
「アラッ、あんなことして避雷針の先が、おなかにささってしまうわ。」
「きっと、おなかに鉄の帯をしめているのよ。その鉄にくぼみができていて、そこへ避雷針の先があたっているのよ。いつか、サーカスで、ああいうの見たことあるわ。」
 まっ赤な道化師は、大の字にのばした手足で、うまくちょうしをとりながら、だんだん早く回ります。くるくる、くるくる、美しい風車のようです。
 ああ、もう道化師のすがたも見えないほど、はやくなってきました。ただ、まっ赤なものが、目にもとまらぬはやさで回っているのです。
「わたし、こわいわ。恐ろしいことのまえぶれかもしれないわ。おうちへ帰って、おとうさまに知らせて、しらべていただくわ。」
「ええ、それがいいわ。わたし、おおくりするわ。」
 ふたりの少女は、立ちあがると、手をつないで、林の中へかけこみました。園田さんの西洋館は、その林のむこうにあるのです。
 いきせききって西洋館にたどりつき、時計塔を見あげますと、いつのまにおりたのか、もう道化師のすがたは見えませんでした。
「あら、もう、いなくなったわ。どこへいったんでしょう。」
「おうちの中へしのびこんだのかもしれなくってよ。早くおとうさまに知らせるといいわ。もし、手だすけがいるようだったら、わたしのうちへ電話してくださいね。うちには、おとうさまも、おにいさまもいらっしゃるから。じゃ、わたし、帰るわ。さようなら。」
 スミ子ちゃんは、そういって、もときたほうへかけだすのでした。

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