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塔上的奇术师-地下牢房

时间: 2022-01-15    进入日语论坛
核心提示:地底の穴ぐら スミ子ちゃんは、林の中をかけるように歩いていました。 いつかこうもり男があらわれたのと、おなじ時計塔の屋根
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地底の穴ぐら


 スミ子ちゃんは、林の中をかけるように歩いていました。
 いつかこうもり男があらわれたのと、おなじ時計塔の屋根に、こんどは赤い道化師があらわれたのです。なにか恐ろしいことの、まえぶれにちがいありません。
 そう思うと、ひっこしてきたばかりのヨシ子ちゃんが、かわいそうになりました。ヨシ子ちゃんのおうちに、恐ろしいことがおこるかもしれないからです。
「やっぱり、あの西洋館は、お化けやしきだわ。いくらだいくさんが手入れをしても、どこかに、お化けがのこっているのだわ。おお、こわい!」
 スミ子ちゃんは、そんなことを考えながら、すたすたと歩いていました。
 すると、むこうの木のかげから、ひょいと、まっ赤なものがあらわれたではありませんか。
 ギョッとして立ちどまりました。
 あいつです。あいつです。さっき避雷針の上で、ぐるぐる回っていた、赤い道化師です。
 逃げようとしましたが、もうまにあいません。赤い道化師は、つかつかと、スミ子ちゃんのそばによってきました。
「エヘヘヘヘ……。あんた、淡谷スミ子ちゃんですね。ぼくは、サーカスの道化師ですよ。曲芸もうまいし、手品もじょうずですよ。エヘヘヘ、ぼくのサーカスを見にきませんか。ついこの近所にかかっているのです。特等席で見せてあげますよ。ねえ、いらっしゃいよ。まだ、ばんごはんまでには、たっぷり時間があるんだから。帰りは、おうちまでおくってあげますよ。」
 まっ白におしろいをぬった顔。ほおには、赤いえのぐが、日のまるのようにぬってあります。つけまつげをしているとみえて、おそろしく長いまつげです。かわいいお人形の目のようです。くちびるも、まっ赤にぬっています。そのまっ赤な口をひらいて、「エヘヘヘ……。」と、いやらしく笑っているのです。
「わたし、ごようがあるから、おうちへ帰ります。」
 スミ子ちゃんは、こわいのをがまんして、きっぱりとことわりました。
「そんなこといわないで、見にいらっしゃいよ。すばらしいサーカスですよ。象とあざらしとお猿が芸をしますよ。空中サーカスもすてきですよ。ね、いきましょうよ。すぐそこに自動車が待たせてあります。あれに乗れば、すぐですよ。」
 ほおとくちびるの赤い、まっ白な顔が、ヌウッと、スミ子ちゃんの顔の前に近づいてきました。たばこくさい、あたたかい息がかかりました。
 まつげの長い、大きな目が、ぎらぎらと光って、まるで催眠術でもかけるように、スミ子ちゃんの目を、みつめています。
 スミ子ちゃんは、猫にみいられた(ねずみ)のように、もう、身うごきができなくなりました。
 林のむこうの原っぱには、人っ子ひとり見えません。原っぱのむこうには、大きなやしきが、ぽつん、ぽつんと立っているばかりで、人通りもないのです。いくら叫んでも、だれも助けにきてくれるものはありません。
 うしろのヨシ子ちゃんの西洋館からも、百メートルもはなれています。それに、あのあつい壁の窓の小さいたてものですから、叫び声が聞こえようとも思われません。
 でも、スミ子ちゃんは、叫ばないではいられませんでした。
「だれかきてえ……、たすけてえ……。」
 すると、道化師の手ぶくろをはめた手が、バアッと顔の前にきて、スミ子ちゃんの口をおさえてしまいました。
「声をたてるんじゃない。声をたてると、いたい思いをしなけりゃならないぞ。さあ、こっちへくるんだ。おもしろいサーカスを見せてやるからな。」
 道化師は、スミ子ちゃんをだきあげて、いきなり走りだしました。
 原っぱをよこぎると、そこのさびしい道路に、一台の自動車が待っていました。
 道化師は、その自動車の後部席へスミ子ちゃんをほうりこみ、自分もあとからはいって、ばたんとドアをしめ、
「うまくいった。いそぐんだッ。」
と、運転手に声をかけました。この運転手も道化師のなかまのものにちがいありません。
「これから町を走るからな、すこし、きゅうくつな思いをしてもらわなけりゃならない。ちょっとのしんぼうだよ。」
 そんなことをいいながら、道化師は、大きなハンカチをまるめて、スミ子ちゃんの口の中へおしこみ、その上から、てぬぐいのようなきれで、口をしばってしまいました。
 それから、もう一本、黒いてぬぐいのようなきれを出して、スミ子ちゃんに目かくしをしました。
「手が自由じゃ、目かくしをとれるからな。ついでにこれもしばっておけ。」
 そんなことをいいながら、スミ子ちゃんの両手をひとつにして、ひもを、ぐるぐる巻きつけるのです。
 目かくしをされたので、もうなんにも見えません。自動車は、おそろしいいきおいで走っていきます。右に左に、町かどをまがって、どこまでも走っていきます。スミ子ちゃんには、いま、どのへんを走っているのか、けんとうもつきません。
 三十分も走ったかと思うころ、やっと車がとまりました。
「さあ、ついたよ。これから、うちの中へはいるのだが、目かくしをしていては歩けないだろうから、ぼくがだっこしてやるよ。」
 道化師はそういって、スミ子ちゃんを車からだきおろすと、そのまま、どこかのたてものの中へはいっていくように思われました。
 戸をあけたり、しめたりする音が聞こえました。それから、階段をおりたような感じです。すると、ゆくさきは地下室なのでしょうか。なんだか、せまい廊下のようなところをしばらくいきますと、また重い戸をひらく音。それは、西洋ふうのドアではなくて、よこにひく日本ふうの戸のように思われました。
 ひえびえとして、かびくさいにおいが、鼻をうちました。
 やっぱり地下室のようです。
「さあ、ここだ。とんだまっ暗なサーカスだが、ここで空中曲芸の夢でも見るがいい。」
 道化師は、目かくしとさるぐつわを、とってくれました。
 見ると、コンクリートの壁にかこまれた天井のひくい、せまい部屋です。むこうのすみに長いすがおいてあり、その上に毛布がまるめてあります。電灯はなくて、一本のろうそくが、ゆかに立ててあるばかりです。
 その赤ちゃけたろうそくの光が、道化師の顔を、下のほうから照らしています。顔のかげが、ふつうとぎゃくになって、なんともいえない、きみわるさです。
 ながいまつげが、まぶたにかげをうつし、口からあごにかけては、まっ白に見え、口から上は、鼻のあたまと、ほおぼねのほかは、暗いかげになっています。そのかげの中に、大きな目玉が、ギョロッと光っているのです。お化けのように恐ろしい顔です。
 そのお化けが、どす黒く見えるあついくちびるを、ぱくぱくと動かして、こんなことをいいました。
「おまえは、しばらくここにいるんだよ。べつに、ひどいめにあわせるわけじゃない。ちょっとばかりもくろみがあって、おまえを、ここにかくしておくのだ。
 ベッドはないが、あそこに、ふっくらした長いすがある。毛布も用意しておいた。あの上で、ゆっくり寝るがいい。手あらいは、そこのカーテンのむこうだ。水もたっぷり用意してある。また、ろうそくの箱とマッチは、長いすのそばにおいてある。
 おなかがすく心配もない。三度三度、ちゃんと食事をはこんでやるからな。まあ、サーカスの夢でも見て、ゆっくり、寝ているがいい。」
 道化師は、しんせつらしく、それだけのことをいいおわると、にやにやと笑って、部屋を出ていきました。
 がらがらッと、重い戸のしまる音。カチンとかぎをかける音。あとは、しいんとしずまりかえって、まるで墓場の中にとじこめられたようなさびしさです。
 スミ子ちゃんは、いくらさびしくても、道化師がそばにいるよりはましだと思いました。
「なぜ、わたしを、こんなところへとじこめたのでしょう。」
 いくら考えても、わけがわかりません。
 スミ子ちゃんは、長いすのところへいって、それにこしかけました。あんがい上等のクッションで、ふかふかしています。スミ子ちゃんは、こしかけたひざの上にひじを立てて、ほおづえをつき、じっと考えにしずみました。
 その時、部屋のすみの床に、なにか、チラッと動いたものがあります。
「オヤッ。」と思って、よく見ると、それは一ぴきのねずみでした。
 人がいてもへいきで、チョロチョロと、こちらへ歩いてきます。そのあとから、また一ぴき、そして、また一ぴき、そこの小さな穴から、四ひきのねずみが、はいだしてきました。
 それを見ると、スミ子ちゃんは、思わず長いすの上にとびあがり、「キャアッ!」と、ひめいをあげないではいられませんでした。

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