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塔上的奇术师-危在旦夕

时间: 2022-01-15    进入日语论坛
核心提示:文字ばんの穴 この部屋の外がわは、三方が時計の文字ばんになっています。さしわたし五、六メートルもある巨大な文字ばんが、前
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文字ばんの穴


 この部屋の外がわは、三方が時計の文字ばんになっています。さしわたし五、六メートルもある巨大な文字ばんが、前、右、左と、三方にあって、それぞれ、長針(ちょうしん)と短針が、回っているのです。
 ですから、その時計の針のしんぼうも、三方につき出しています。機械室ではそのしんぼうが、おとなのせいの高さくらいのところに、よこたわっているのです。
 そのしんぼうより下の、八時と四時の数字の近くに、ふたつのまるい窓のような穴があります。大時計には、そんな穴は、べつにひつようはないのですが、柱時計の文字ばんのねじをまく穴ににせて、そんな穴があけてあるのです。また、その穴は、ちょうど、人間のあたまが出るほどの大きさですから、外をのぞく窓のかわりにもなっているわけです。
 道化師は、さっき、その文字ばんのうらがわと、歯車の機械のあいだに立って歯車のすきまをのぞいていたのですが、いま見ると、そこにはもう、かげも形もありません。
「アハハハハ……、おい、丈吉君、おれがどこにいるか、わかるかね。アハハハハ……。」
 どこからか、きみのわるい笑い声が、ひびいてきました。
 どこでしょう? 丈吉君は、しばらく耳をすまして、考えていましたが、二どとその声は、聞こえてきません。
「ひょっとしたら、文字ばんの外へ出たのかもしれないぞ。」
 丈吉君は、ふと、そう思いました。ふたつの穴は、おとなが出はいりするほど大きくはありませんが、あいては魔法つかいみたいなやつです。どこかから、文字ばんの外へ、出ていないとはいえません。
 丈吉君は、それをたしかめるために、四時に近いほうのまるい穴から首を出して、そのへんを見まわしました。
 五階から見おろすのですから、そのながめは、気もはればれとするようです。
 目の下に、いつか淡谷スミ子ちゃんのさらわれた林があり、そのむこうに家々の屋根が、ズウッとならんでいます。
 そこに、スミ子ちゃんのおうちもあるのです。
 はるかに、デパートかなんかの、大きなビルディングが見え、そのむこうの雲の中に、富士山がくっきりと、美しいすがたを見せていました。
 しかし、文字ばんの外にも、道化師はいません。塔の外がわをつたっておりていったのかと、下を見ましたが、そこには、目がくらくらするような、れんがの壁がそそり立っているばかりで、あやしいものは、なにもみあたらないのです。
 その時です!
 その時、なんだか、へんなことがおこりました。丈吉君の首の上から、なにか、かたいものが落ちてきて、ぐっとおさえつけたのです。
 びっくりして、首をひこうとしましたが、もうだめでした。そのかたいものがじゃまをして、首を穴からもどすことが、できなくなってしまったのです。
 穴は手が出せるほどひろくありませんので、手でそのかたいものを、のけることもできません。
 首をうんと上にあげて、おしもどそうとしましたが、かたいものは、びくともしません。そればかりか、じりり、じりりと、下のほうへ、おりてくるのです。
 ああ、わかりました。丈吉君の首をおさえつけているのは、大時計の長針だったのです。(ふん)をきざむほうの長い針だったのです。
 今は午後三時すぎですから、長いほうの針が、二十二、三分のところまでおりてきたのでしょう。そのころに、ちょうど、丈吉君ののぞいている穴の前を、長針がとおるわけです。
 時計の針といっても、長さ二メートル半、はばは三十センチもある、頑丈(がんじょう)な鉄の板ですから、丈吉君の力では、とても、おしもどすことはできません。
 大時計のふりこが、ひとふりするごとに、巨大な歯車じかけで、その針は、じりッ、じりッと、下へおりてくるのです。
 この長針が穴をとおりすぎるのには、二分ほどかかるでしょう。そのあいだ、長針の鉄の板はゆっくりと、しかし、まちがいなく下におりて、丈吉君の首にくいこみ、二分ののちには、首をきりおとしてしまうでしょう。
 そこまで考えると、丈吉君は、ギョッとして、まっ青になりました。そして、力いっぱいの声をふりしぼって叫ぶのでした。
「助けてくれえ……助けてくれえ……。時計の針にはさまれたんだよう……、助けてくれえ……。」
 うしろの機械室には、道化師がまだかくれているかもしれません。しかし、あいつが、助けてくれるでしょうか。
 時計をとめて、針のしんぼうの歯車を、ぎゃくに回してくれれば、助かるのですが、そんなことをやってくれるはずはありません。
 いや、それどころか、あいつは、丈吉君が、穴から首を出すのを、待ちかまえていて、わざと、時計の針を、丈吉君の首の上へ、まわしたのかもしれません。
 丈吉君は、あまりの恐ろしさに、気もとおくなる思いでした。

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