日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页

塔上的奇术师-齿轮背后

时间: 2022-01-15    进入日语论坛
核心提示:大時計の怪 それから二週間ほど、なにごともなくすぎさりました。そのある日のこと、時計塔のある西洋館にすんでいる園田ヨシ子
(单词翻译:双击或拖选)

大時計の怪


 それから二週間ほど、なにごともなくすぎさりました。そのある日のこと、時計塔のある西洋館にすんでいる園田ヨシ子ちゃんは、学校から帰って、自分の勉強べやで宿題をやったあとで、双眼鏡をもって、時計塔にのぼりました。いちばん上は大時計の機械室ですから、そのすぐ下の部屋までいって、窓から外のけしきをながめようと思ったのです。
 そこまでのぼりますと、林をこして、お友だちの淡谷スミ子ちゃんのおうちも見えるのです。そこまでは三百メートルもへだたっていますが、双眼鏡でのぞけば、どうかすると、スミ子ちゃんが、おうちの二階から、こちらを見ていることがあります。
 スミ子ちゃんも、双眼鏡を持っていますから、おたがいに双眼鏡をのぞきあって、ハンカチをふって信号をして、話しあうことができるのです。ハンカチのふりかたで、いろいろないみをきめておいて、話しあうのです。
 きょうも、スミ子ちゃんが、窓からこちらを見ていてくれればいいがと思いながら、塔の階段をのぼって、三階までいきますと、だれか、人のいるけはいがしました。
 塔は、いちばん上の時計室をいれて、五階ですから、あと一階で、窓をのぞく部屋にいけるのですが、その一つ下の三階に、だれかがいるようすなのです。
 ヨシ子ちゃんが、階段から三階の部屋をのぞくと、なんだか、まっ赤なものが、四階の階段のほうへ、スウッと消えていったような気がしました。
「アラッ、だれでしょう? おにいさまかしら。でも、おにいさまは、あんな服なんか、きていないわ。」
 そう思いながら、四階への階段の下までいって、上を見ますと、その階段の上から、人の顔がのぞいていました。
 アッ、あの顔です。
 見おぼえのある、あのきみのわるい顔です。
 赤白だんだらの、とんがり帽子をかぶって、まっ白におしろいをぬり、くちびるをまっ赤にそめて、両方のほおに、赤いまるをかいた、あの道化師の顔です。
 ヨシ子ちゃんは、ゾウッとして、身うごきもできなくなりました。叫ぼうとしても、声が出ないのです。
 道化師の顔は、ヨシ子ちゃんを見て、にやりと笑いましたが、そのまま、スウッと、階段の上から消えていきました。
 あいてが見えなくなったので、ヨシ子ちゃんは、やっと、足が動くようになりました。夢中で、三階から二階へ、二階から一階へと、階段をかけおりました。そして、廊下を走っていきますと、むこうからきた、にいさんの丈吉君とぶっつかりました。
「おい、ヨシ子。どうしたんだ。まっ青な顔をして……。」
「アッ、おにいさま、たいへんよ。時計塔に、道化師がいるわ。ほら、このあいだスミ子ちゃんをさらっていった、あの道化師とそっくりのやつよ。」
 ヨシ子ちゃんは、息をきらせていうのでした。
「なんだって? あいつが時計塔にいるんだって? よしッ、ぼくが見てやる。」
 丈吉君は、そういって、いきなり階段のほうへかけだすのでした。
 時計塔は五階になっていて、四階までは、ふつうの小部屋ですが、いちばん上の五階は、部屋ぜんたいが、大時計の機械室になっているのです。丈吉君は、四階までの部屋をみんなしらべましたが、道化師のすがたはありません。きっと、五階の機械室にかくれているのでしょう。
 四階から五階への階段を、そっと足音をしのばせてのぼっていき、階段の上から首をのばして機械室をのぞいてみました。
 そこは、部屋ぜんたいが、時計の機械でいっぱいになっています。柱かけの時計の機械を、何千倍にしたような、大きな歯車がかみあい、巨大なふりこが、ゆっくりとゆれていました。
 今でしたら、電気で動かすのですが、この大時計は、ずっとむかしにできたものですから、鋼鉄のぜんまいの力で動いているのです。ぜんまいといっても、びっくりするほどあつくて、はばのひろい、鋼鉄の板がまいてあって、それがほどけていく力で、ふりこが動き、針が回るのです。
 いちばん大きい歯車は、さしわたし一メートルちかくもあります。それから、中くらいの歯車、小さい歯車と、いろいろな形の歯車が、あるものは、はやく、あるものは、ゆっくりと、みんな生きているように、動いているのです。
 歯車と歯車のあいだには、すきまがありますので、そのすきまを、あちこちと見ていますと、チラッと、赤いものが動きました。
 丈吉君は、それを見て、ドキッとしました。その赤いものは、道化師の服に、ちがいないからです。
 息をころして、じっとしていますと、ちがったすきまから、また、赤いものが、チラッと見えました。
「こらッ、そこにいるのは、だれだッ!」
 丈吉君は、思いきって、どなってみました。
 しいんと、しずまりかえっています。あいても、息をころして、ようすをうかがっているのでしょう。
「だれだッ。こっちへ出てこい。」
 もういちど、どなってみました。しかし、なんの答えもありません。
 ふつうの少年でしたら、もう、こわくなって、逃げだすところですが、丈吉君はだいたんな少年ですから、逃げだしません。あやしいやつをつかまえてやろうと、決心したのです。
 そっと階段をのぼりきって、機械室にはいりました。そして歯車と歯車のすきまに目をあてて、むこうをのぞいてみました。
 歯車が、いくえにもかさなりあっているので、ギザギザした、ごくせまいすきまです。
 そのすきまのむこうが、なにかにおおわれて、暗くなっていました。じっと見ていますと、それが、ぱちぱちと、またたきをしたではありませんか。
 人間の目です。大きな目がこちらを、にらんでいるのです。
 丈吉君は、ゾウッとしてしまいました。道化師のほうでも、むこうから、丈吉君をのぞいているらしいのです。
 おたがいに、しばらくのあいだ、にらみあったまま、じっとしていましたが、道化師のほうが、スウッと、すきまからはなれていきました。
 どこかへ、逃げるつもりかもしれません。
 丈吉君は、勇気をふるって、歯車のむこうがわへ回っていきました。
 その部屋は歯車でいっぱいになっていましたが、すみのほうに、人間のとおれるほどの通路があるのです。
 回っていって、歯車のかどから、そっと、むこうがわをのぞいてみました。
 だれもいません。どこかへ、かくれてしまったのです。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: