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妖怪博士-蛇公馆

时间: 2021-10-25    进入日语论坛
核心提示:BDバッジ「泰ちゃん、しっかりおし、おまえ夢でもみたんじゃないの? それ、なんだと思っていますの? おとうさまのたいせつ
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ヘビ屋敷


もしかしたら、その赤れんがの洋館の前に落ちていたBDバッジは、ゆくえ不明の相川泰二君のポケットから出たものではないかしら、そして、泰二君はその洋館の中に、とらわれの身となっているのではあるまいか、三人の少年は、ふとそこへ思いあたりました。まちがっているかもしれません。でも、いちおうたしかめてみるねうちはじゅうぶんにあります。
「おじさん、じゃ、今からぼくたちを、その洋館の前へれていってくれませんか。」斎藤君が、一同の心持ちをくんで、運転手にたのんでみました。
「そうかい、いってみるかい。ぼくもね、なんだかそんな気がするんだよ。あの洋館に相川の坊ちゃんがいるんじゃないかってね。」
「ええ、だから、ぼくたちもいってみようと思うんです。おじさんお願いです。早くそこへ連れていってください。」
「ああ、いいとも。それじゃ、ぼくの車に乗せていってあげよう。ついその横町よこちょうにおいてあるんだよ。」
運転手は、こころよく三人のたのみを承知して、すぐうしろの横町を指さしました。
あたりには、もう夕暮れのうすやみがせまっていました。それに、そのへんは大きな屋敷の塀ばかりがつづいている、ごくさびしい町で、人通りもほとんどありません。運転手について、その横町へ行ってみますと、どこかの屋敷の高いコンクリート塀の前に、あまり新しくない一台の自動車が、ものさびしくとまっていました。
運転手が客席のドアをひらいてくれましたので、三人の少年はその中にはいり、よごれたクッションのうえに目白おしにならびました。
読者諸君、この少年たちは、少し考えがたりなかったのではないでしょうか。バッジが落ちていた場所をたしかめてみることは、必要にはちがいありませんが、そんなに急いで、自分たちだけで行ってみるよりは、そのまえにまず、相川君のおうちなり、警察なりへ、このことを知らせ、おとなの手でしらべてもらうのが、かしこいやり方ではなかったでしょうか。
それに、運転手も運転手です。そんなたいせつな手がかりを、ほかの人には教えないで、まだ小学生の少年たちにだけ知らせるというのは、なんとなくへんではありませんか。それに、この運転手は、三人が少年探偵団員であることや、BDバッジがその記章であることを、いったいどうして知っていたのでしょう。よく考えてみれば、ふしんなことばかりです。ああ、もしや行く手には、何かおそろしい運命が待ちうけているのではないでしょうか。
しかし、少年たちは泰二君のゆくえがつきとめられそうなようすに、ただ、気があせるばかり、そんなことをうたがってみるよゆうもないのでした。
自動車は走りだしていました。そして、五分も走ったかと思うと、もう目的地に達したらしく、運転手は、とある町かどに車をとめて、
「ほら、あすこに赤れんがの塀が見えるだろう。この記章は、あの家の門の前に落ちていたんだよ。」
と、向こうに見える古めかしい洋館をさししめしました。
「じゃあ、ここでおりて、前まで行ってみよう。」
上村君が先に立って、三人が車をおりますと、運転手も運転台をとびだして、
「ぼくもいっしょに行ってあげよう。」と、さも親切らしく言いながら、三人の先に立って、洋館に近づいていきました。
門の前まで行ってみますと、みょうなすかしもようの鉄のドアが半分ひらいたままで、中の洋館の入り口まで見とおしになっていましたが、その入り口のドアも、あけっぱなしたまま、あき家のようにガランとしているのです。
「おじさん、ここ、なんだかあき家みたいだね。」
「そうだね。ほんとうにあき家かもしれない。見たまえ表札ひょうさつも何も出ていないじゃないか。ひょっとしたら相川の坊ちゃんは、このあき家の中へおしこめられたんじゃあるまいか。」
運転手は、しさいらしく小首をかしげながら、門の中へふみこんで、しきりとそのへんを見まわしていましたが、
「きみたち、ひとつ中へはいってみようじゃないか。やっぱりここはあき家らしいぜ、どの窓もみんなしめきったままで、人の影もさしてやしない。ね、はいってみようよ。」と、もう先に立って、ドンドン入り口のほうへ近づいていくのです。三人はいわれるままに、胸をおどらせながら、そのあとにしたがいました。
玄関をはいって、声をかけてみても、だれも答えるものはありません。
「いよいよあき家だ。かまわないから、中へはいってみよう。」運転手は、まるで自分の家へでも来たように、なんのためらうようすもなく、靴ばきのまま上にあがって、うす暗い廊下を、グングン奥へはいっていきます。
少年たちは、なんだか少しきみが悪くなってきましたけれど、この中に泰二君が監禁されているかもしれないと思うと、逃げだす気にはなれません。そのまま運転手のあとについて、奥へ奥へとたどっていきました。
「この部屋が、なんだかあやしいぜ。」運転手は、とある小部屋のドアをひらいて、中をのぞいていましたが、そんなことをつぶやくと、少年たちを手まねきして、その中へふみこんでいきました。
三人もつづいてはいってみますと、それは四畳半ほどの、窓の一つもないうす暗い小部屋でした。道具といっては何もなく、敷き物もない床板がまる見えになっていて、物置き部屋とでもいった感じです。
しかし、すみずみをあらためてみても、べつにあやしいところもないものですから、三人がもとの廊下へ出ようとしますと、おや、これはどうしたというのでしょう。運転手が、入り口に立ちふさがって、通せんぼうをしながら、何か意味ありげに、ニヤニヤ笑っているではありませんか。
「おじさん、どうしたんだい、早く外へ出ようじゃないか。何をそんなところに、立ちはだかっているんだい。」斎藤君が、なじるようにいいますと、運転手はとつぜん大口をあいて、さもおかしそうに、カラカラと笑いだしました。
「ハハハ……、おいおい、きみたちは、おれをいったいだれだと思っているんだい。おれはここの家の主人なんだぜ。ハハハ……。」
三人の少年は、そのみょうな笑い声に、思わずギョッとしましたが、むろんそんなことを本気に受けとることはできません。
「主人だって? そんなことがあるもんか。主人なら、なぜ他人の家みたいに、しのびこんだりなんかしたんだい。それに、きみは運転手じゃないか。運転手がこんなりっぱな家に住んでいるもんか。」斎藤君が口をとがらせていいかえしました。
「ハハハ……、かわいいことをいっている。おいおい、きみたちは少年探偵じゃないか。まさか変装ということを知らないわけでもなかろう。おれはほんものの運転手じゃない。きみたちを、ここへおびきよせるために、こんな姿に化けたまでさ。」
「じゃあ、じゃあ、きみは、いったいだれなんです。」
「ここの主人さ。蛭田ひるた博士というもんだ。ほら、この顔をよく見るがいい。」と言いながら、運転手帽をかなぐりすてて、右のてのひらで顔をツルリとひとなでしたかと思うと、今までのやさしい顔は、たちまち消えうせて、見るもぶきみな相好そうごうにかわってしまいました。
モジャモジャとみだれた長い髪の毛、凶悪きょうあくむざんなひたいのしわ、糸のように細められた、しかし、ものすごく光る目、キューッと三日月形にまげたまっ赤なくちびる、身の毛もよだつおそろしさです。
三人の少年は、その糸のような目でにらまれると、まるでかなしばりにでもあったように、じっと立ちすくんだまま、身動きもできなくなってしまいました。
「ハハハ……、青ざめてしまったね。こわいのかい。だが、こんなことでこわがるのはまだ早いぜ。ハハハ……、まあ、そうしておとなしくしているがいい。今に、うんとおもしろいものを見せてやるからね。」
そういったかと思うと、運転手姿の蛭田博士は、パッと飛鳥ひちょうのように部屋の外へとびだして、入口のドアをピッタリとしめ、外からかぎまでかけてしまいました。と同時に、三人の少年が立ちすくんでいた足の下に、何かしら異変がおこりました。床板が、地震のように、グラグラとゆれはじめたのです。
しばらくのあいだ、はげしくゆれていたかと思うと、アッというまに、とつぜん床板がとびらのようにまんなかから二つにわれて、ガタンと下のほうへひらいてしまい、少年たちは折りかさなって、床下の穴ぐらの中へと落ちこんでいきました。なんというおそろしいしかけでしょう。そこは部屋ぜんたいがおとし穴になっていたのです。
穴ぐらの底にすべり落ちた三人は、しばらくは気をうしなったようにたおれていましたが、やがて痛さをこらえて起きあがってみますと、そこは上の部屋の倍ほどもある、陰気な地下室でした。そのコンクリートの床のまんなかに、セメントだるのような大きなたるが、たった一つおいてあるばかりで、ほかには何もありません。たるの上には、西洋ふうの燭台しょくだいがのせてあって、二本のろうそくがチロチロと、魔物の舌のようにもえています。
その光で、いま落ちてきた高い天井をながめますと、いつのまにしまったのか、とびらのようにひらいた床板が、もとのとおりピッタリとくっついて、少しのすきまもなくなっているのです。はしごも何もないこの地下室、そのうえに出口をふさがれてしまったのですから、もうのがれるすべもありません。少年たちは思いもかけぬおそろしい運命に、まだ、何を考える力もなく、ただおびえきった目を見かわすばかりでした。
するとそのとき、どこからともなく、陰にこもったうすきみの悪い笑い声がひびいてきました。
「フフフ……、びっくりしているね。かわいそうに。だが、それでおしまいじゃないんだぜ。まだつづきがあるんだぜ。きみたち、そのたるの中にいったい何がはいっていると思うね。勇気があったら、ひとつふたをあけてごらん。フフフ……、あけられるかね。」
三人はその声にゾーッとして、部屋のまんなかの奇妙なたるを見つめました。
ああ、その中にはいったい何がはいっているのでしょう。少年たちはいいあわせたように、あるおそろしい物の姿を、思いうかべないではいられませんでした。
それはむざんに切りころされた相川泰二君の死体でした。そのたるは十二、三歳の子どもならば、じゅうぶんはいれるほどの大きさがあるのです。じっと見つめていますと、たるの板を通して、その中に丸くなってとじこめられている、相川君の青ざめた姿が、ありありと見えてくるように思われました。
三人は、おたがいの心の中をさぐるように、また目を見かわしました。
「きっと相川君が、とじこめられているんだぜ。」上村君が、思いきったようにいいました。でも、死体ということばは、恐ろしくて口にすることができなかったのです。
「ぼくもそうだろうと思う。あけてみようか。」これは斎藤君です。
「エッ、くそっ、やっちまえっ。」大野君がやけくそのようにどなりながら、おそろしい勢いでまっ先にたるのそばへとんでいきました。そして、あとのふたりの手もかりず、両手でたるにだきつくと、いきなりそれを横だおしにころがしてしまいました。
そのひょうしに、パッとたるのふたがとれ、床に落ちた燭台のろうそくが、メラメラと異様にかがやいたかと思うと、その赤茶けた光にてらされて、たるの中から、無数の青黒いひものようなものが、もつれながら、床にこぼれ落ちてくるのがながめられました。
泰二君だとばかり思いこんでいた三人は、意外なたるの中身に、しばらくあっけにとられて、目をパチパチさせるばかりでしたが、やがて、その青黒いひものようなものの正体がわかると、こんどはべつのおどろきとおそろしさに、まっさおになって、ふるえあがらないではいられませんでした。それは、たがいにもつれあった、何百ぴきともしれぬヘビだったのです。
大小無数のヘビは、たるからこぼれ落ちますと、ろうそくの光に、うろこをギラギラと光らせながら、うえた目をうすきみ悪くかがやかせ、赤黒い炎のような舌をチロチロと出して、獲物をさがすように、床の上をはいまわりはじめました。それが、つぎからつぎへと、たるの中からあふれ出てくるのですから、みるみる地下室いっぱいにひろがり、コンクリートの床も見えぬほど、ヌメヌメとうねる波におおわれてしまいました。
三人の少年は、一ぴきや二ひきのヘビをこわがるほどの弱虫ではありませんが、これほどのおびただしいヘビを見ては、おそろしさにふるえあがらないではいられませんでした。
ヘビの来ぬほうへ、来ぬほうへと、三人ひとかたまりに身をよけて、ついに、地下室のいっぽうのすみに、おしつめられてしまいましたが、ヘビどもは、少年たちを、餌食えじきとでも思っているのか、逃げるあとへ、逃げるあとへと、おそろしいかま首をそろえて、赤黒い舌を出し、進軍でもするようにおそいかかってくるのです。三人の少年はその勢いのものすごさに、もう逃げる場所もない地下室のすみで、たがいにだきあうようにして、とうとう悲鳴をあげないではいられませんでした。
ああ、蛭田博士は、なんという残酷な悪人でしょう。相川泰二君を、あんなめにあわせただけで満足せず、またしても三人の少年を、ヘビやしきへとじこめてしまったのです。
相川君のばあいは、その目的がちゃんとわかっていましたけれど、この三人の少年に、博士はいったいなんのうらみがあるというのでしょう。そして、こんなめにあわせたうえ、こんどはどんな悪事をたくらもうというのでしょう。
蛭田博士のやり口は、まったく不可解というほかはありません。しかし、読者諸君、その不可解なしぐさの裏にこそ、この犯罪の深い深い秘密がかくされているのかもしれません。ああ、蛭田博士とは、そもそも何者なのでしょうか。

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