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妖怪博士-你就是犯人

时间: 2021-10-25    进入日语论坛
核心提示:きみが犯人だ 一座の人々は、明智探偵のとつぜんの出現に、ひどくめんくらってしまいましたが、なかにも殿村せむし探偵のおどろ
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きみが犯人だ


 一座の人々は、明智探偵のとつぜんの出現に、ひどくめんくらってしまいましたが、なかにも殿村せむし探偵のおどろきはひとしおでした。まさか、この部屋へ明智があらわれようなどとは、夢にも考えていなかったからです。しかし、さすがは殿村探偵、たちまちおどろきの色をおしかくして大声に笑いだしました。
「ワハハハ……、おそかりし明智探偵じゃ。きみは今ごろになって、ノコノコと、何をしにおいでなさった。もう捜索はすっかりすんでしまったのじゃよ。誘かいされた四人の子どもは、ごらんのとおりぶじに取りもどした。世間をさわがした機密文書も、ちゃんと相川さんのポケットにおさまっている。むろん、みんなこのわしが発見したのじゃ。ざんねんながら、明智探偵が見つけだしたのではないのだ。明智君、きみはいったい何をしに、ここへ来られたのじゃ。あかはじをかくためにか、それとも、わしの腕まえにかぶとをぬいで、弟子入りでもするためにか。」
 しかし、われらの明智探偵は、少しもさわぎませんでした。あいかわらず、ニコニコとほほえみながら、落ちつきはらっていいかえしました。
「いかにもきみの腕まえを拝見に来たのだよ。きみの推理はすばらしいねえ。だが、弟子入りしようなどとは思わない。なぜといって、ぼくもきみの知っているだけのことは、ちゃんと知っているからさ。ただきみがどんなにお芝居げたっぷりに、それをさがしだしてみせるかと、わざと姿をかくして拝見していたのだよ。きみのお芝居はすてきだったぜ。」
「フフン、負けおしみもたいがいにするがいい、あとからノコノコやってきて、そんなほらを吹いたって、だれがまにうけるもんか。わしの知っていたことは、きみもすっかり知りぬいていたんだって? フフフ……虫のいい言いぐさもあったもんじゃ。」
「ところが、ぼくはそれ以上のことを知っているのさ。なんなら、ひとつ、そのしょうこをお目にかけてもいいが……。」
「いよいよ負けおしみの強いお方じゃ。おもしろい。それではひとつ、そのしょうことやらを見せてもらいましょうかな。」
「見たいというんだね。」
 明智はなぜか皮肉な微笑をうかべて、じっと殿村のみにくい顔を見つめました。しかし殿村は、いっこうひるむようすもありません。
「見たいもんじゃね。」
「それではまず聞くが、きみはいったい、この事件の犯人を、とらえてみせるという約束はどうしたんだね。なるほど四人の少年と機密文書は取りもどしたが、かんじんの犯人を逃がしてしまったじゃないか。それで、約束をはたしたなんて大きな口をきくのは、少しおかしくはないかね。」
「フフン、そうらおいでなすった。どうせそんなことだろうと思ったよ。明智君、それは無理難題というものじゃ。きみにしてからが、犯人をとらえるのはおろか、この賊のかくれがさえ見当がつかなかったのではないか。それに、これほどの手がらをたてたわしを、ただ犯人をとらえないからといって、せめるのは、むりというものじゃ。そんなにいわれるからには、きみ自身は、さだめし犯人のありかをごぞんじじゃろうね。それとも、もう犯人をとらえたとでもおっしゃるのかな。ウフフフ……。」
 ところが、その殿村のあざけりを、明智は、もののみごとに、ピシリと打ちかえしたのです。
「いかにも、ぼくは犯人のありかを知っている。いや、そればかりじゃない。もうちゃんととらえてあるのだ。」
「エッ、なんじゃと? 犯人がとらえてある。ハハハ……、これはおもしろい。それでは、その犯人というのを見せてもらおうじゃないか。それとも、ここへは連れてこられないとでもいうのかね。」
「見せてほしいか。」
「ウン、見せられるものなら見せてほしいね。」
「犯人はここにいる。この部屋の中にいるのだ。」
 明智の思いもかけぬことばに、人々はハッとしたように目を見かわしました。犯人がこの部屋にいるといって、そこには相川技師長と、中村捜査係長と、刑事たちと、新聞記者と、四人の少年のほかには、べつにあやしい人物も見あたらぬではありませんか。
 それとも、犯人は新聞記者の中にまじっているとでもいうのでしょうか。しかし、なんの必要もないのに、犯人がわざわざ警察官や探偵の大ぜいいる中へ、やって来るはずもありません。
「おいおい、明智君、きみは気でもちがったのじゃないかね。それとも夢でもみているのか。その犯人というのは、この部屋の中の、いったいどこにかくれているんじゃね。」殿村はなぜか少し顔の色を青くして、くちびるをなめながら、いきりたった声でつめよりました。
 明智探偵はやっぱり、ニコニコしていました。そして、サッと右手をあげますと、人さし指を殿村探偵の鼻の先につきつけました。
「殿村君、それとも、蛭田(ひるた)博士と呼んだほうがお気にめしますか。……きみだ。きみが犯人だ!」
 殿村はまるで弾丸で胸を打ちぬかれでもしたように、ヨロヨロとよろめきました。その顔は、いっしゅんかんサッと、青ざめたかと思うと、つぎのしゅんかんには、憤怒(ふんぬ)のため紫色にかわりました。そして、まるで追いつめられたけだもののように、黄色い歯をみにくくむきだして、明智探偵に食ってかかるのでした。
「ば、ばかな。な、なにをいうのだ。とんでもないことだ。わしは殿村弘三という、れっきとした私立探偵じゃ。明智、きさま気がちがったな。中村さん、こいつ、わしとの勝負にまけて、逆上したのです。引きずりだしてください。部屋の外へ引きずりだしてください。」
「殿村君、いや、蛭田博士、悪あがきはよしたまえ。ぼくには何もかもわかっているのだ。きみが犯人でないのなら、どうしてあんなに顔色をかえたのだ。きみがおどろきのあまりたおれそうになったことは、ここにいる人たちがみな見てしまったのだ。かぶとをぬぎたまえ。この()になって、ジタバタするなんて、きみらしくもないじゃないか。」明智は平常と少しもかわらぬ声で、しずかに言いきかせました。しかし、殿村は少しもひるむようすがありません。
「でたらめだ、気ちがいの妄想(もうそう)だ。それとも、しょうこがあるか。何をしょうこに、そんないいがかりをつけるのだ。」
「しょうこがほしいのか。」
「あるまい。このわしが犯人だなんて、そんなでたらめなしょうこがあってたまるものか。」
「しょうこか、しょうこはこれだ。」叫んだかと思うと、明智探偵のからだが、サッと宙におどって、殿村のからだにぶつかっていきました。
 殿村はふいをつかれて、明智に組みしかれましたが、死にものぐるいにもがきまわって、相手をはねのけようとします。そして、ふたりのからだは、組んずほぐれつ、床の上をころげまわるのです。
 いち座の人々は息をのんで、このおそろしい格闘を見つめていました。ふたりの意気ごみの、あまりのはげしさに、きゅうには、だれも手出しをすることさえできませんでした。
 しかし、たたかいは一分もかからないでおわりました。明智が勝ったのです。格闘のあいだに、殿村の仮面をすっかりはぎとってしまったのです。
 まず、明智が起きあがって、うつぶしたまま顔もあげない殿村の腕をつかんで、引きたてるように起きあがらせました。すると、ああ、これはどうしたことでしょう。殿村の顔形が、まるで別人のようにかわってしまっていたではありませんか。
 髪の毛だけは、あいかわらずモジャモジャにみだれていましたが、毛虫のような太いまゆは、かっこうのよい細いまゆにかわり、あのいやらしいそっ歯もどこへやら消えうせて、赤いくちびるのあいだから、まっ白な美しい歯並が見えています。ほおやあごの長くのびた無精ひげはあとかたもなく、なめらかなはだにかわっているのです。
 何よりもいちばん目につくのは、例の背中のこぶがとれてしまって、すっきりした姿に、かわっていたことです。見れば、今の格闘のあいだに、明智のために、上着もチョッキもぬがされ、ワイシャツもズタズタにひきさかれて、その中にかくしてあった、せむしのこぶを抜きだされてしまったのです。
 そして不承不承に立った姿は、さいぜんまでのみにくいせむし男とは、似ても似つかない、すらっとした好男子でした。年もまだ三十前後なのです。
「みなさん、これが殿村探偵の正体です。こんな変装を、どうして見破ることができなかったのかと、いぶかしくお思いでしょうが、それは、みなさんの目がにぶいためではなくて、こいつが、おそろしい変装の天才だからです。犯罪史上にも例のないほど、ふしぎに変装のうまい男です。」
 明智の説明を聞いても、人々はまだ半信半疑でした。あの化けものみたいな不具者(ふぐしゃ)が、こんな美しい青年だなんて、まるで夢のようで、きゅうには信じることもできないのでした。

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