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妖怪博士-两个侦探

时间: 2021-10-25    进入日语论坛
核心提示:ヘビ屋敷 もしかしたら、その赤れんがの洋館の前に落ちていたBDバッジは、ゆくえ不明の相川泰二君のポケットから出たものでは
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ふたり探偵


相川泰二少年がかどわかされ、泰二君のおとうさまのたいせつな秘密書類がぬすみさられたうえに、こんどは泰二君の学友、大野、斎藤、上村の三少年までが、ゆくえ不明になってしまったのですから、おとうさま、おかあさまたちのご心配は申すまでもなく、学校でも大さわぎになりますし、警察は犯人捜査のために大活動をはじめる。新聞はその記事を、四人の少年の写真入りで、大きく書きたてる。世間は今、この大事件のうわさで持ちきっているありさまです。
そのなかでも、いちばん心をいためておいでになるのは、相川泰二君のおとうさまでした。おとうさまは東洋製作会社の技師長なのですが、その会社で製造している機械の機密書類が、泰二君といっしょに紛失してしまったのですから、会社にたいしても申しわけないうえに、泰二君のことも、じっとしていられないほど心配なのです。
むろん、警察では全力をあげて、犯人捜査にしたがっていましたけれど、東洋製作会社としては、警察にまかせっきりで、のんきな顔をしているわけにもいきません。なにしろ、国の機密に関する重要書類を紛失したのですから、その責任のうえからも、できるだけの手はつくさなければならないのです。
そこで、会社は幹部会議の結果、相川技師長の発案で、民間の名探偵明智小五郎氏に、この事件を依頼し、警察と協力して、犯人捜査にあたってもらうことに決し、技師長みずから探偵事務所をたずねて、このことをたのみこみました。
明智探偵は、こころよく会社の依頼をひきうけましたが、何をいうにも、手がかりというものがまったくない難事件のことですから、いくら名探偵でも、そう、きゅうに犯人を発見することはできません。
心痛のうちに、二日、三日とむなしく日がたっていくばかり、警視庁からも、明智探偵事務所からも、なんの吉報きっぽうもなく、相川技師長をはじめ会社の人たちは、ただイライラと気をもむばかりです。
さて、機密書類がぬすまれてから五日めの午後のことでした。ひとりの奇妙な人物が、東洋製作会社の玄関にあらわれて、相川技師長に面会を申しこみました。こんどの盗難事件について、お話したいことがあるというのです。給仕のとりついだ名刺を見ますと、「私立探偵 殿村弘三とのむらこうぞう」と印刷してあります。聞いたこともない私立探偵ですけれど、相川技師長は、ともかく会ってみることにして、その人物を会社の応接室へ案内するように命じました。
技師長は先にその応接室へ行って、客の来るのを待っていましたが、やがて、給仕の案内ではいってきた人物を見ますと、そのあまりに異様な風采ふうさいに、アッとおどろいてしまいました。
殿村という私立探偵は、見たところ五十歳ぐらいの、おそろしいせむし男でした。まるで大きなこぶでもできているように、背中がふくれあがり、上半身が二つに折れたようにまがって、顔だけが、かま首をもたげたように、ニューッと空を向いているのです。
姿ばかりではありません。その人物は、またじつにおそろしい顔を持っています。何年まえにかったともわからぬ、ぼうぼうとした髪の毛、二ひきの毛虫がはっているような、ねじれまがった太いまゆ、その下にギョロリと光る目、上くちびるがめくれあがったようになって、いつもむきだしになっているひどいそっ歯、ほおからあごにかけてのうすぎたない無精ぶしょうひげ、見るからにゾッとするような顔つきです。
それが、何十年まえに流行したかと思われるような、おそろしく古びた黒の背広を着て、背中をまげて、みょうにまがりくねった木の枝のステッキを力に、ヨチヨチとはいってくるさまは、これで探偵の仕事ができるのかしらと、うたがわれるほどでした。
「わたし、相川ですが、あなたが、殿村さんですか。」技師長は、あっけにとられて、名刺と相手の顔を見くらべながら、たずねました。
「そうです。わしが私立探偵、殿村弘三です。さっそくですが、相川さん、あなたはお子さんの命をおしいとは思いませんか。会社の重要書類を一刻も早く、取りもどしたいとはお思いなさらぬのかな。」
殿村は無作法に、そこのイスへ、ヨッコラショと腰をかけ、ステッキを前に立てて、その上にあごをのせるようにして、ジロジロと技師長を見あげるのでした。
「それはむろんですが……。」相川氏が相手の気持ちを察しかねて、口ごもっていますと、殿村はおそろしいそっ歯の間からつばをとばしながら、やつぎばやにまくしたてるのです。
「それなら、あんた方のやり方は、まちがっとる。聞けばあんた方は、明智小五郎にこの事件を依頼されておるということだが、あんな青二才の腕で、この事件のなぞがとけると考えておいでなのかな。ウフフ……、とてもとても、この犯罪は明智の未熟な腕にはあいませんわい。
あれがぬすまれてから、きょうでいく日になるとお思いですな。五日も、むだについやしたじゃありませんか。警察も警察じゃが、名探偵のなんのといわれている明智の、このざまはなんです。
相川さん、あんた方は、なぜこのわしに捜索を依頼なさらん。わしなれば明智の半分の日数で、かならず書類を取りもどし、四人の子どもを助けだしてお目にかける。わしはもう、あらかた犯人の目ぼしさえつけておるのです。」
名探偵明智小五郎を、青二才とののしるなんて、この男はいったい何者であろう。気でもちがっているのではあるまいかと、相川技師長は、あきれかえってしまいました。
「待ってください。するとなんですか、あなたは、この事件の犯人の目ぼしが、もうついているとおっしゃるのですか。」
「ついております。わしは明智などの夢にもしらぬ手がかりをにぎっておりますのじゃ。どうです、相川さん、明智なんかお払い箱にして、このわしをやといなさらんか。かならず十日とたたぬうちに、書類と子どもたちを取りもどしてお目にかける。」殿村はさも自信ありげに、落ちつきはらっていうのです。まんざらでたらめとも考えられません。うすばかのようなみょうな顔はしていますけれど、よく見れば、そのギョロリとした両眼には、人の心の奥を見とおすようなするどい光があって、なんとなく、ひとくせありそうな人物です。
相川氏は、相手のようすを見、ことばを聞いているうちに、だんだんこの怪人物を、むげに追いかえすようなこともできないような気持ちになってきました。
「殿村さん、もしそれがほんとうでしたら、わたしたちは喜んであなたのお力をおかりしたいんですが、しかし、会社としては、明智探偵にいっさいをまかせる約束になっていますので、明智さんにむだんであなたに事件を依頼することはできません。いちおう相談しましたうえ、のちほどご返事したいと思いますが。」相川氏が、ものやわらかに答えるのを、怪探偵は、おっかぶせるようにして、どら声をはりあげました。
「いや、ごもっとも。それじゃあひとつ、ここへ明智小五郎を呼んでくださらんか。犯罪捜査というやつは一分一秒の手おくれから、とりかえしのつかぬことがおこるものです。いずれのちほどなんて、そんなのんきなことをいっているばあいではありますまい。さあ、ひとつ明智君をここへ呼んでください。電話をかけて、すぐやって来いといってやってください。わしは、ここで待たせてもらいます。
明智がここへ来れば、わしがどんな男だかということもおわかりになるじゃろう。やつも名探偵といわれているほどの人物です。一目わしを見れば、このわしの実力がどれほどのものか、たちまちさとるにちがいありません。」
ああ、なんという自信、なんといううぬぼれでしょう。それを聞きますと、相川氏もつい、言いまくられた形で、いちおうこのことを重役に相談してみる気になりました。そして、相談の結果は、それほどにいうところをみれば、何か確信があるにちがいないから、ともかく殿村の希望をいれて、明智探偵を呼んでみてはということになり、すぐさま明智探偵事務所へ電話をかけて、このことを伝えました。
さいわい、明智探偵は事務所にいあわせ、自分から電話口に出て、殿村のようすをくわしく聞きとったうえ、それでは、すぐそちらへ出かけるからという返事でした。
それから三十分ほど後、応接室で相川技師長と、殿村探偵が、だまりこくって待ちかまえているところへ、明智探偵が、例のにこやかな微笑をたたえてはいってきました。相川氏は、さっそく、両探偵を紹介し、かんたんなあいさつがすみますと、殿村はすぐさま用件にとりかかりました。
「明智君、きみはこの事件には内心すくなからず弱っているのじゃないかね。おみうけするところ、まだ何もこれという、いとぐちをつかんでおられぬようじゃが。」
このぶしつけな質問に、明智は、さして立腹りっぷくするようすもなく、さもおかしそうに笑いだしながら、
「ハハハ……、お察しのとおり、ぼくは、まだなんの手がかりもつかんでいない。しかし、けっして弱ってなんかいませんよ。このくらいの難事件には、今まで何十度となく出あっている。そして、ぼくはまだ一度も、その解決に失敗したことはないのです。」
「ウフフフ……、きみもなかなかうぬぼれが強いねえ。だが、手がかり一つつかんでいないとは、お気のどくじゃ。このわしは、きみ、もうちゃんと犯人の目ぼしまでつけている。ただ、そいつのありかさえさがせばよいのじゃ。手がかりなんて、二つも三つも有力なやつをにぎっている。
どうだね、明智君。これでもかぶとをぬがんかね。わしは今も相川さんにいったのじゃが、きょうから十日間に、書類と四人の子どもを取りもどしてみせるつもりじゃ。え、明智君、十日間にじゃよ。」殿村はさもとくいらしく、サルのように、黄色いそっ歯をむきだして、しきりとつばをとばしながら、まくしたてるのです。
明智はだまって、そのようすをながめていましたが、やっぱりにこにこ笑ったまま、平然として答えました。
「十日間とは少し長すぎるようだねえ。ぼくは、その半分の五日間で、犯人を見つけだすつもりでいるんだが……。」
それを聞きますと、殿村はギョッとしたように明智の顔を見つめましたが、みにくい顔を、いっそうみにくくして、ほえるようにいうのです。
「なんだって? きみは手がかりをまだ少しもつかんでいないといったばかりじゃないか。それに五日間なんて、でたらめもいいかげんにするがいい。」
「でたらめじゃあない、手がかりをさがして犯人をつきとめ書類と子どもたちを取りもどす。これだけの仕事には五日でも多すぎるというのさ。ぼくは捜索の期限を約束して、これまで一度だって違約したことはない。」
「フン、なんの目あてもなくて、ただ期限を切るのか。むちゃな探偵さんだ。よし、それじゃ、わしは四日間にやってみせる。四日間だ。」殿村はみにくい顔をまっ赤にして、くやしまぎれにどなりました。
「よろしい。ぼくも四日間と約束しよう。」明智は少しもさわぎません。まるで犯人は、手の中にあるといわぬばかりです。
「ちくしょう! から約束ならだれでもする。わしのはそんなでたらめじゃないぞ。」殿村は明智の前に立ちはだかって、歯をむきだし、今にも食いつきそうな顔になって、三本の指をつきだしました。
「三日だ。わしは三日間にかたづけてみせる。きょうは九日じゃから、十一日の夜までにかならずやってみせる。」
「よろしい。ぼくも十一日の夜までと約束する。」明智はいきがかり上、引くに引かれず、きっぱりといいはなちました。
読者諸君、なんだか心配ではありませんか。相手の殿村は何か有力な手がかりをつかんでいるらしいのです。その殿村でさえ、最初は十日間といっていたほどなのです。それを、何一つ手がかりを持たぬ明智が、いかに名探偵とはいえ、こんな約束をするなんて、あまりに無謀ではありますまいか。
相川技師長は、ふたりの探偵の口論を、だまって聞いていましたが、このままにしておいては、どこまで争いがつづくかしれませんので、気をきかして、ふたりの間にわってはいりました。
「いや、ここでそんな日限にちげん争いをしていてもはじまりません。それでは、こういうことにしようじゃありませんか。わたしたちとしては、どなたにもせよ、少しでも早く書類を取りもどし、子どもをさがしだしてくださればよいのですから、おふたりべつべつに、できるだけ早く犯人をつきとめていただくことにしてはどうでしょう。何もあなた方を競争させるなんてつもりはないのですが、殿村さんも、せっかくこうして助力を申しでてくださったのですから、おことわりするわけにもいきませんし、ねえ、明智さん、どんなものでしょうか。」
「いや、相川さん、おとなげない口論なんかはじめて、お耳ざわりでした。そういうことでしたら、ぼくとしては異存ありません。ひとつこの殿村君とやらと、犯人さがしの競争をしてみましょう。ぼくのほうには、まだ捜査の手がかりが一つもないのですから、この競争は、ぼくのほうに大きなハンディキャップがついているわけですね。しかし、少しもかまいません。かえって働きがいがあるというものです。」明智はおだやかに、相川技師長の申し出に応じました。
「殿村さんはいかがでしょう?」
「明智君では、相手にとって不足じゃが、そっちがやるというのなら、わしも挑戦に応じましょう。だが明智君、きみは今のうちにかぶとをぬいだほうがよくはないかね。とてもこの競争は、勝ちめがなさそうだが。ウフフフ……。」殿村は、あくまでふゆかいな毒口どくぐちをたたくのでした。

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