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妖怪博士-会说话的怪兽

时间: 2021-10-26    进入日语论坛
核心提示:もの言う怪獣 少年たちは、あまりのふしぎさおそろしさに、心臓の鼓動(こどう)もとまってしまうような気がしました。おとなほど
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もの言う怪獣


 少年たちは、あまりのふしぎさおそろしさに、心臓の鼓動(こどう)もとまってしまうような気がしました。おとなほどの大きさのコウモリというだけでもふしぎなのに、それが人間の声で笑いだすなんて、まったく想像もできない奇怪事(きかいじ)ではありませんか。
 ところが、そうして生きたここちもない少年たちの耳に、さらにいっそうおそろしい声が聞こえてきました。みなさん、その大コウモリがものをいったのです。人間とそっくりのことばでものをいったのです。
「フフフ……、いくじのない子どもたちだ。それでも少年探偵団員かね。おい、小林君、きみまでふるえているじゃないか。いつもの元気はどこへいったのだね。」大コウモリが、地の底からひびいてくるような声で、そういったのです。ほかに人間がいるはずはありません。たしかに怪獣が口をきいたのです。
 小林少年は、それを聞きますとやみの中にむくむくと起きあがりました。その声のちょうしが、どこかで聞いたことがあるように思われたからです。そして、なんだかハッとしたからです。
 小林君は手にしていた懐中電灯の光を、サーッと声のする方角へさしつけました。すると、そのまるい光の中に、大きな牛ほどもある怪獣の顔が、ヌーッとあらわれました。大コウモリはいつのまにか、一メートルほどのまぢかにせまっていたのです。
 少年たちは同時にそのほうを見ましたが、一目見るやいなや、あまりのいやらしさに、思わず目をふさいでしまいました。
 牛ほどもある毛むくじゃらの顔の中に、まんまるな二つの目が、ギョロッと光っていました。その下に大きな黒いくちばしのようなものが突き出ていて、それがパックリとひらいているのです。口の中には黄色い牙のような歯なみが見え、その間からまっかな舌がのぞいています。今にも少年たちを、頭から一のみにしようと、身がまえているのです。
 でも、小林少年だけは、そのおそろしい顔を見ても、もうこわがりませんでした。動物が人間のことばを使うはずがない。ものをいうからには、このおそろしい怪物の中には、ほんとうの人間がかくれているのにちがいないと、かしこくも判断したからです。
「きみはだれだ。ぼくたちをどうしようというのだ。」小林君は懐中電灯をさしつけたまま、キッとして怪物を、にらみつけました。
「フフフ……、わからないかね。きみたちがいっしょうけんめいにさがしている人間だよ。」大コウモリは人をこばかにしたようなことをいって、クスクスと笑いました。やっぱり人間なのです。大コウモリの衣装をつけた人間なのです。
 少年たちはそうとわかりましたので、おそろしい夢からさめたように、ホッとしましたが、でも、お化けのこわさはなくなりましたけれど、こんどはその怪獣の中の人間が、いったい何者かと考えますと、またべつのおそろしさに、ゾーッと背すじが寒くなるのでした。
 少年たちの頭の中に、ある人物の名がサッとひらめきました。こんなおそろしいいたずらをして、少年探偵団員を苦しめるやつは、そいつのほかにないからです。
 小林君も、すぐその名を思いうかべましたが、でも、この暗やみの洞くつの中で、そいつの名をいうのには、よほど勇気がいりました。大コウモリの化物なんかよりも、かえって、その人間のほうがおそろしく感じられたからです。小林君はしばらくのあいだ、胸をドキドキさせながら、いおうかいうまいかと、ためらっていましたが、とうとう思いきって、その名をさけびました。死にものぐるいで、さけんだのです。
「きさま、二十面相だな。」
「フフフ……、やっとわかったね。そのとおり、おれは二十面相だよ。二十面相は人間ばかりでなくて、動物にだって化けられるのだ。この世にいない動物にだってね。フフフ……。まさか二十面相がこんな洞くつの中できみたちを待ちかまえていようとは、気がつかなかっただろう。どうだね、この思いつきは。ハハハ……。これは最初からおれの計画したことさ。その計画に、きみたちがまんまと引っかかったのだよ。え、わかるかね。きみたちがこの鍾乳洞の探検を思いたったのは、そこにいる桂君と篠崎君がねっしんにすすめたからだね。
 ところで、そのふたりに、この洞くつのことをさもおもしろそうに話して聞かせた同級生がある。そして、ふたりをむちゅうにさせてしまったのだ。その同級生にそういう話をさせたのは、ほかでもないこのおれだったのだよ。わかったかね。ハハハ……。きみたちはおれの計略にのって、ノコノコこの鍾乳洞へ出かけてきた。そして、なまいきにも案内のじいさんをことわって、道しるべのひもをたよりに、迷路の中へふみこんだ。どうだね、何もかも知っているだろう。
 あのひもを切ったのもおれだ。そこの穴の上の板の橋を取りのけたのもおれだ。そうしておいて、こういう怪物に変装して、きみたちを思うぞんぶんこわがらせたのだ。
 ハハハ……、おれは、こんなゆかいなことはないよ。きみたちには、いつかひどいめにあっているからね。どうかして仕返しをしたいと思っていたが、その念願を今やっとはたしたのだ。この大コウモリが姿をあらわしたときの、きみたちのおどろき方はなかったぜ。ハハハ……、少年探偵団なんてなまいきなことをいっていたって、お化けにかかっちゃ型なしじゃないか。おれは胸がスーッとしたよ。ハハハ……、だが、まだ安心するのは早すぎるぜ。おれのふくしゅうはこれでおしまいじゃないのだ。こんな子どもだましのいたずらで満足するおれじゃない。ほんとうのふくしゅうはこれからなのだ。ウフフ、……こわいかね。
 きみたちは、もう一生涯、この洞くつの中から出ることはできないのだ。それが、おれのふくしゅうだよ。いいかね、きみたちは道しるべのひもをなくしたので、この暗やみの迷路の中で、まったくのまい子になってしまったのだ。そのうえ、そこの大穴はどんなことしたってこせやしないから、きみたちはもとの道をもどることもできない。
 十日たっても、二十日たっても、きみたちはただクモ()の迷路をうろつきまわるばかりだ。そのうちには懐中電灯の電池もつきてしまうだろう。いや、だいいち腹がへってくる。飢えとかわきに悲鳴をあげながら、だんだん力がつきてくるのだ。そして、きみたち十一人は、この暗やみの洞くつの中で、悲惨な最期をとげるのだ。
 東京から助けだしに来てくれるというのか。フフフ……、そいつはだめだよ。この大コウモリの化けものが、途中に待ちかまえていて、みんな追っぱらってしまうからな。フフフ……。」こんなふうにいいますと、人間の姿をした二十面相が、しゃべっているようですが、むろんそうではないのです。大コウモリが、白い牙のはえたまっかな口をひらいて、地の底からでもひびいてくるような、ぶきみな声でいっているのです。
 あたりは墨を流したように真のやみです。その中に映画の大写しのように、懐中電灯の光で、奇怪な大コウモリの顔ばかりがうきあがって、それが陰気な声でものをいっているのです。たとえ相手の正体は二十面相とわかっていても、そのきみ悪さはひととおりではありません。
「いや、そればかりではない。おれの計画には、まだその奥があるのだ。ほかでもない、きみたちの先生の明智小五郎だよ。おれはあいつもここへおびきよせて、きみたちと同じめにあわせてやるつもりだ。いいかね、きみたちがここから帰らなければ、東京では大さわぎになる。警官もやってくるだろうが、弟子思いの明智小五郎は、まっ先にここへ、きみたちをさがしに来るにきまっている。おれはそれを待ちかまえていて、明智も、きみたちと同じめにあわせてやるのだ。この暗やみの洞くつの中で、飢え死にをさせてやるのだ。
 おれは血を見るのがきらいだ。人殺しをしたことはない。だが、明智やきみたちが、この洞くつの道にまよって、かってに餓死(がし)するのは、おれの知ったことじゃないからね。二十面相のじゃまだてをしたきみたちの自業自得(じごうじとく)というものだよ。ハハハ……。」大コウモリの二十面相は、とどめをさすように、おそろしい計画を打ちあけて、さも心地(ここち)よげにあざけり笑うのです。すると、その声が洞くつにこだまして、まるで大ぜいの人が、あちらでもこちらでも、笑っているように、だんだんかすかになりながら、いつまでもつづいているのでした。

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